ダンジョンとは登山である。
家に帰るまでがダンジョンです。
そも、ダンジョンとはなんなのだろうか。
コンピューターゲームやノベル、ボードゲームのTRPGなどによく出てくるもの。
なにかしらの目的のために入り、達成し、帰ってくる(通り抜ける)場所だ。
ファンタジーの世界観だと、洞窟や森、遺跡に神殿などロケーションを活かしてダンジョンというものが作りやすい。
目的がある物語や遊びの場合、なにかしらの障害が設けられる。
なにも邪魔するものがなければ、面白みや達成感などが得られないからである。時間稼ぎとも言う。
そして、その障害として様々なものがダンジョンの内部に設定されることになる。
代表的なものとして、モンスター(怪物)や迷路、パズル的な仕掛け、落とし穴などのトラップなどがある。
※ストーリー重視のRPGなどは、トラップは少ない傾向にある。不思議のダンジョンなどのローグライクと言われるものや、世界樹の迷宮などの3DダンジョンRPGなどダンジョンがメインのゲームではよく出てくる。
タイトルでダンジョンを登山と例えたのは、その性質が似ていると感じるためである。
登山というのは、戦略的な要素がある。
ふもとからスタートして、登り、登頂(目的達成)したら下山して家に帰る。
その過程では様々な障害がある。
まず、山を登るというのは、かなりの体力を消耗する。
普段体を動かしていないと、高い山は難しいだろう。
装備も大切だ。
昼になれば腹も減るから弁当がいる。
途中で水分も補給したい。
靴は履き慣れたもの、なにか踏み抜くと危ないから底が厚いものが良い。
天候も重要だ。
風雨があれば滑って足元が危ないし、体も冷える。
途中でこまめに休憩をとり、コンディションの確認もする。
高山病などもありうる。
誰かケガをするかもしれない。
獣や害虫なども出る。
尖った木や足元に引っ掛かる蔦などもある。
道を外れれば迷って帰れなくなることもある。
崖になっているところもあるかもしれない。
暗くなったら視界はかなり悪くなり移動は困難を極める。
出発から帰るまでの時間の計算が必要だ。
そもそも、素人だけで登るのは危険だ。
山に熟知した経験者がいると心強い。
様々な場面でお手本を示してくれる。
トラブル時の対応も心得ているだろう。
多くの知識と経験を有した頼もしい存在だ。
いくつか挙げたが、このように登山とは事前の準備、計画という戦略性と道中の不確定要素に対する判断という戦術性が求められる。
そしてそれは、ダンジョン探索にも通じるところがある。
登頂して終わりではない。
多くのゲームでは、ダンジョン奥で目的を達成すると自動的に街に帰還することがままある。
だが、自力で戻らなければならないゲームもある。
ワープや脱出アイテムもない。
そういう仕様だとどうなるか。
拠点に戻るまでのリソース(アイテムやHPMP)を計算しなければならない。
そして、道中の減りかたによっては引き返すという判断をしなければならない。
行けるところまで行って帰還魔法(アイテム)を使ったり、イベントで戻ったりすることでは得られない戦略性があり、攻略のしがいがある。
そして、それは次回の登山(再挑戦)に活きてくる。
体力は鍛えられ、前回より増しているだろう。
迷ったぶん、道を覚えてより最短距離で進める(リスク遭遇の低減)だろう。(自動生成除く)
どのくらい進めるのかという限界も掴めていることだろう。
前回よりも先へ進めるはずである。
引き際も学べているはずだ。
それはプレイヤーに成長の実感を与えてくれる。
登頂しただけでは半分に過ぎない。
下山しなければならない。
家に帰るまでがダンジョン(登山)です。
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