SRPG熟練者にフリーゲームのロンドリア物語2を推したい。

        詰んだ数の先にしかない味がある


!CATION!
本記事は体験記としての側面が強く、また筆者に文章をまとめる能力が絶望的に足りてない(かつ、オマエふざけてるな? な)ため、めっさ長いので読むのはオススメしません。
作者や一部の物好きは、ワンチャン楽しめないことも無きにしもあらず。
要点が知りたいかたは、タイトル読めば事足ります。DLしてルナティック遊んでください。時間は有限ですので大切に。


わたくしめは、サモンナイト3にてSRPGの魅力を知り、他にも色々なSRPGを遊んでいきました。
その範囲は商業に留まらず、フリーゲームにも広がりました。

そして、出会ってしまったのです。

かつて幼き僕が(ファイヤーエムブレムによって)苦手意識を持つことになったロスト、武器耐久値に対する価値観を反転させる作品に。


ロンドリア物語2とは?

フリーゲームです(簡潔)。
冒頭にある通り、ジャンルはSRPGです。
ふりーむさんや夢現さんで公開されてます。
パソコンであそべます。(スマホも?)
1作目もありますが、こちらから始めてもよいかと思います。
1作目にしかでない女の子もいますので、気になる方はプレイして剥いてください。
特徴的な要素として、ダメージを受けると服が破れたグラフィックになります。
カラドリウスか。

で、どんなゲームなのかをシステム面について詳しく書いていきたいと思います。

○基本は古典的なSRPG要素。

・『キャラロストあり』
・『経験値が有限。資金も有限』
・『武器耐久値あり』


『キャラロスト。一手の追及』

ファイヤーエムブレムよろしくステージで撃破されたキャラはクリアまで二度と使用できません。

※実は有限復活アイテムもありますが、使わない体で進めました。その方がよりロストの重み、失敗のリスクを感じられると考えたからです。

これが意外と(?)難しく、てきとーにやってると読み違えてすぐ撃破されます。
でも、こうやって適度にやり直す失敗があることでSRPGにおける戦術性、位置取りの難しさと上手く行った時の喜びを感じられたのだと思います。
失敗体験と成功体験はニコイチです。

幼少の頃にトラウマを植え付けられた(言い過ぎ)ロストですが、サモンナイト3という師に出会いSRPGに段階的に慣れていった僕は更なる刺激ややりがいを求めていました。
そのジャストタイミングにロスト仕様の作品をプレイできたことが大きかったと思います。
               グッドタイミングゥゥゥ!
                           
                                (ドラゴンボール改・セル)

子どもに人生の苦味などわからんように、適切な時期というものがあったのでしょう。

戦略的視点から見ても、ロストを続けて後半に進めば戦力の低下が危惧されます。
特にリソースを割いたキャラの離脱は死活問題となりやすく深刻です。
ロストありでステージをクリアするのは割と簡単ですが、長期目線で見るとエンディングまでのゲームクリアは困難になります。


○ボーナス達成のむずかしさ

これは、他要素との兼ね合いがポイントです。
ボーナス自体は、さほど達成が難しくはないのですが、

・高難易度
・ロストしないようにする
・ターン制限
・複数の防衛拠点の存在、戦力配分
・増援、時間経過で動く敵

といった条件が重なることでその「圧」が異様なまでに高まり、攻略手順が複雑化します。例として砂漠の救出戦、その後の街防衛、どこか忘れたけど砦防衛戦などは何度もやり直して記憶に残っています。
無理と思える絶妙過ぎるバランスでした。


○ターン制限が生み出すプレイスタイル変容

SRPGのセオリーとして、待ち受けというものがあります。
ケータイの画面のことではありません。

少数であるプレイヤー対、より多数である敵軍というシチュエーションがデフォルトであるSRPGにおいて、そのままぶつかり合っては物量で負けるのは自明の理です。

そこで相性などで弱点を突き少ない戦力で効率的に撃破するのがひとつの戦略。
そしてもうひとつのセオリーとして、一度に相手にする数を限定する、というものがあります。クラウドコントロール的思考です。

敵は動き出す条件が設定されており、敵の射程内に入ることやステージ開始時から動くものなどあります。
ここで自軍から突っ込んでいくと、多くの敵を一度に相手取ることになり困難です。

そこで、先ほどの待ち受けです。
ケータイの画面のことではありません。

最初から突っ込んでくる敵を待ち受けて処理し、次に敵の射程内に入り少しずつ誘き寄せ倒していく。(釣りというテクニックです)
こうすれば、一度に相手にする数を減らし逆に自軍でフルボッコできます。

この待ち受けという攻略スタイル、特に特殊な条件がなければSRPG攻略の基本…というより基礎レベルで確立された手堅い安定の攻略法です。
ですが、なまじ手堅いがゆえにパターン化、マンネリ化を助長している節もあります。

バカだなあ億○君それがいいんじゃあないか

もちろん、パターン化はゲーム攻略の基本でありうまく進められた喜びがあります。
しかし、同じことを繰り返すと飽きてくることもあるし、攻略の多様性はリプレイ性というゲームのライフサイクルから考えても悪いことではありません。(飽きたら捨てるが現代かもしれませんが)

タイトルによっては独自のシステムを採用し、この鉄板待ち受けに一石を投じているものもあります。
そんな中、お手軽にどの作品にも取り入れやすい(バランス調整は大変かもしれませんが)要素が「ターン制限」です。

待ち受けというのはその性質上、時間(ターン)をコストとして成立しうる攻略です。
敵が来るまで待って、倒し、また少し進んで…という時間のかかる戦い方です。

そこに時間制限を設けるとどうなるか。

待ち受けではクリア不能なターン制限。
時間(ターン)を消費することで成立していた攻略は通用しなくなり、プレイヤーは攻略を考え直す必要に迫られます。

ボーナス(強敵撃破、防衛)などと組み合わさることで更に難度は増し、達成するための一手一手が重みを持ちます。

しかし、これにはバランス調整という作者のセンス(感覚)が求められます。
緩すぎて空気化しても、絞めすぎてクリア不能でもいけません。
このロンドリア物語2が素晴らしいのは、最高難度において実に絶妙なバランスであったことです。

特に時間経過で増援くるステージは鬼です。
絶妙な位置から挟撃されたり、とにかくプレイヤーを苦しめてきます。
防衛のために戦力をどう配分するか、ボーナスのために時間内にアイツを撃破しないと…。
プレイヤーの安牌をことごとく砕いてきます。
増援のたびに、

      そうはいかん崎!(おっさんホイホイ)

という作者の声が聞こえてくるようです。

僕もなんども、
ボーナス両立は無理ゲーだろこれカチカチカチカチ
とF12キーが壊れるんじゃないかというほどでしたが、結果すべて達成できました。
この難易度バランスには感嘆しました。
服が剥きたいだけの作者じゃないんだね。

このように、ターン制限はそのバランスこそ難しいですが、うまく機能すれば待ち受けというパターン化しがちなSRPGの遊び方に考える刺激を与えてくれます。
全部だと苦しいので、たまにあるといい感じにスパイスになるのではないでしょうか。

※いつもの余談
時間制限というのは、他ジャンルでもよく使われています。SLGでもACTでも。
無限というのは思考停止からの作業化になりがちで(それが楽しいこともあります)、特にプレイヤーの干渉を受けにくく無慈悲に減る時間は強力な制限のひとつです。
限られているからこそ、どうやったらできるのか考える楽しみ、プレイが上達し、時間がかかっていたセクションを早く突破できた、という喜びが生まれます。


『有限EXP。無双の罠』

※縛りとして、ボーナス経験値は不使用。
「後から調整が効かない」ほうがリソース管理として面白いと考えました。
いわゆるボスチクもありますが、救済措置的なものとして捉えています。

サモンナイト3を始めとするSRPG基礎力を身につけたとイキがっていたわたくしN.K.は更なる刺激を求めていました。

どこかに俺を満足させるようなTUEEE SRPGはねえのかよ……(空を見上げる)

そんな折、フリーゲームというものの存在を知った僕は、SRPGを漁ってみることにしました。
そして、ロンドリア物語1作目をクリアし、更にイキりは加速します。

           アンタじゃ燃えねえなあ……。

そして漁り続けて、ロンドリア物語2?
1作目が面白かったし、剥けるし、またやってみるか。
難易度は……

                  ルナティックでいいな!

お、魔法使いのリア、今回も使いやすいな。
飛んでるから転戦できるし、属性広いし、避けて追撃もできる。
つえーつえー!

もうコイツひとりで無双じゃんヒャッハー!

愚かな私は、サモンナイト3という師に教えられたことを何もかも忘れておりました。

          SRPGとは個のチカラに非ず。
            みながチカラを合わせねば
                  真の勝利は掴めぬ。


あれ、なんか他のキャラ弱くね?
てか戦力外ですねwww
ロストし始めたけど、もう終わりも近そうだし最強魔女っ娘リアたんで殲滅っしょ!
武器もばかばか壊れてるけど、お金はリアたんの本に注ぎ込んでりゃおっけー!
           ((ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ

……。
…………。
…………………。

詰んだ……。

後半ステージになり、敵の能力が強化され、育てていなかったキャラが対抗しうる筈もなく。
武器も強いものを考えなしに使い続けた結果壊れ、弱い武器しか残っていません。
それでも、仲間たちは懸命に戦ってくれました。
世界を救うために命を懸して。

しかし、現実は無情でした。
辞世の句を述べながら、ひとり、またひとりと離脱してゆきました。
共に冒険した仲間たちを失うことにすら何も感じないほどにチカラに溺れていたのです。

いかん、はがねのつるぎのチカラに酔いしれておる!

主人公1人だけで次々と溢れる敵を捌き切れず、ボスまで攻撃が届きません。
武器も枯渇し、避け続けていたリアにも最期が訪れます。
チカラに溺れた者は、チカラに飲まれて消えました。

その後、何度もやり直しましたが、その時点での戦力ではいかんともし難くラストステージにして諦めざるを得ないという結論に達しました。

      先生……おれ、やっと気づけました……
        でも……ちょっと おそかったかな……

後悔に涙で頬を濡らすN.K.。
今はただ、消えていった仲間たちがかなしい。
僕にはもうロンドリア物語2を
いや
SRPGをプレイする資格がないんだ……
みんな、ごめん……。
絶望に闇へと溶けてゆくN.K.でしたが、
どこからか光が差してきました。

      いつだってやり直せるんだから!
               キミがそう願うなら!

プリ○ュアの主人公みたいなセリフじゃねーか……。
でも、そうだ……。

           私の夢はまだ終わっていない!

宇宙兄弟の福田さんよろしく己を奮い立たせた僕は、気を取り直して、始めからやり直すことにしました。

今度は主人公だけに経験値リソースを集中させないよう満遍なくキャラをレベルアップさせていくぞ!

気がのらんけど、野郎キャラも育てていくぞ!


N.K.は自信に満ち溢れていました。


ぼくはSRPGにくわしいんだ!

もうエンディングまでのロードは見えたぜ!


しかし、この時のN.K.はまだ気づいていませんでした。
すでにロンドリア物語2の罠にはまっていたということを。
(昔話風語り口調)


全キャラに満遍なく経験値を振ることでイキっていた育てていた僕にその罠は姿を表します。
聡明なSRPGゲーマーの諸氏におかれましては、お気づきになられましたか的なかたもおられることでしょう。


あれ…
こいつら(敵)、こんな強かったっけ…?


ある程度進めた頃、以前とは違う感覚が僕を襲いました。
以前クリアできていたステージがクリアできなくなっていたのです。


バカな…
俺は昔より強くなったんだ!

正しい育成を学習し、部隊としての戦力バランスは高まった。
有利にこそなれ苦戦することなどあるハズがない!

見ろ!
レギュラーメンバーだけでなく、このベンチウォーマー達すら強化されたN.K.軍団の勇姿を……!

……。

…うん?

あれ…?

なぜこの椅子あっためておきましたよ的なキャラどもに有限かつ貴重ないーえっくすぴーを無駄飯ぐらいよろしく肥え太ってやがるんだ出撃しねーのに。

……。

し、しまったああああっ!!!
(ギルティギア・カイ)


ここにきてわたくしことN.K.は2度目の罠に掛かることとなりました。

🎉おめでとうございます!🎉
お客様は2度目の罠にご当選なされました!

全キャラに満遍なく経験値を振った結果、出撃メンバーのレベルが相対的に低下、敵との能力に差が開きすぎていたのです。

アホだろオマエ、というツッコミが聞こえてきそうです。

それがっどうしたア・ホ・だ・よッ!
(おっさんホイホイネタ)

経験値が有限な作品では、フリーバトル的にいつでも好きなだけレベルを上げる訳にはいきません。
育ててなかったキャラが後半戦力にならんから育て直そうと経験値を稼ぐことができません。
と同時に、与えてしまった経験値を回収し振り直すこともできません。(少なくともこの作品では)

個人にリソースを集中させ溢れさせるのももったいないですが、同じくらい(それ以上に)出撃しないメンバーを強化するのは戦力の低下を招きます。愚の骨頂!(月華の剣士)

初見プレイでは有用なキャラがわかりにくいところもありますが、僕はすでに1度クリア目前まで進んでいたので、ある程度メインで使うキャラは固まっていました。

そうです。
経験値が有限な作品においては、出撃メンバーを選抜し、それらにリソースを集中させなければ最大効率は得られません。
特に高難度では1手あたりの高い成果が求められます。
出来得る限り個々の戦力は高めておかねばクリアは困難です。

中盤くらいまで進めていた僕は苦渋の決断を強いられます。

このまま後半まで進めるのだろうか。
いまから選抜メンバーに経験値を集中させたところで取り返せるのだろうか。もう女の子の服を破って眺めることくらいしか今の僕にできることはないんじゃないか。

不安に駆られた結果、ビビり君なN.K.はやり直すことにしました。

転生するときは能力は平均でって言っt

かくして三度目の正直です。
はたして、二度あることは三度ある…?


失敗を繰り返し続けた僕ですが、だからこそその魅力、奥深さを味わえたとも思います。try&errorですね。

サブクエスト的なものも有限です。
得られる経験値に限りがある中、一人に集めると他メンバーが戦力にならず大群との戦闘(特に早々に敵から突っ込んでくるステージ)で捌ききれず全滅します。
防衛箇所も複数あれば一人で対応できるはずもなく、あえなく敗北条件を満たします。

上手い罠だと感じたのは、主人公であるリアが高スペックであり割と単騎無双できがちである点です。

飛行タイプなので地形に影響されず、戦場を飛び回り多くの敵と戦うように運用しがち。
素早さが高いので回避能力が高く、追撃(相手より早いと攻撃回数2回)により反撃でバッサバッサと敵を倒すのが気持ちよくやりがち。
各種魔法で特効(特定の相手に攻撃力2倍)も狙いやすい。

といった点から敵撃破率が高く、経験値を一人占めしがちです。
気づいたらリアだけ強くなってたというプレイヤーも多いのではないでしょうか。
そして、ちょうどその頃に一人での限界を感じるようになります。上手い罠です。

このゲームはレベル20がカンストで(ここも上手いバランスと思える。ツールの仕様なのだろうか?)、後半になると割と簡単にカンストします。
そしてもちろん、カンストしたキャラがいくら敵を倒そうとそれ以上強くならず、コップから溢れた水の如く経験値は無駄になってゆきます。

これを防ぐためには、序盤から「意識的に」経験値配分をしていく必要があります。
そして、上記したようにEXPを割り振る出撃メンバーを選抜しておく必要があります。
先を見据え、限られた経験値で無駄なく自軍を強化していくことが求められます。
これこそリソース管理の醍醐味。
難しいですが、うまく強化ができ対応できていると感じた時の達成感がたまりません。


『武器耐久と修理、資金。砂漠のオアシス』

このロンドリア物語2に出会うまで、僕は武器耐久値に批判的でした。


壊れてなくなるのなんてイヤだ!

誰得だよ!


そう思っていた時が、僕にもありました。
今だから思いますが、それまでにプレイしていたバイオハザードシリーズによって、弾薬は有限だから節約する、という面白さを感じる土壌が出来ていたのかもしれません。

初見プレイにおいて、節約していたつもりでしたが、やはり贅沢に使用していたツケが回ってきたのでしょう。
最終ステージ辺りにおいて強い武器は壊れて底を突き、キャラも主人公依存、お金も残ってないから修理も購入も出来ない。

詰みました。

詰んでいたのだ貴様は──
最初から──

負ける側として詰んでました。
最終ステージだったんです。
もうそれが悔しくて悔しくて。
でも、どうにもなりそうにありませんでした。
湧きまくる敵を捌き切れず、ラスボスに攻撃が届きません。
やり直すしかない。
悔しさをバネに、折れかけていた心も湧きまくる敵のように湧いていたのです。

                二週目はじめました。
                            (ラ・ピュセル 光の聖女伝説)

今度は強武器は本当に使わなければクリアできない時だけにしよう。
非売品はレアだから、お金はその修理費に当てよう。
普段は安い武器を使っていこう。
強キャラだけに頼らず、みんなで攻撃して倒すようにしよう。
部隊としてのチカラで戦って、部隊を成長させるんだ。
といったプレイ方針を打ち立てました。

主人公だけ強くてもダメなんだ…。
SRPGは部隊としてのチカラが大切なんだ…。
強い武器ばっか使ってもダメなんだ…。
安い(弱い)武器にも価値があるんだ…。

初回プレイで古典的なSRPGの難しさ、そして考える面白さを知りました。

でも、そこまで進められたのも、悔しさから今度こそクリアしてやるぞと思えたのも、SRPGの魅力の記事にて書いたように、サモンナイト3から始まる様々な作品プレイによりチャレンジ精神や面白さを感じるSRPG基礎力のようなものが築き上げられていたからだと思います。
幼少の折に触れていれば、間違いなく序盤でやめていたでしょう。そして女の子のダメージイラストだけを検索するエロガキと化していたことでしょう。

このゲーム、実は修理屋はいつでも利用できるわけではなく、ステージ毎に点在しているのです。
だから、修理してから次に修理できるまで期間が空くこともあります。
壊れたらいけないので、耐久値が減った武器は使えません。
強敵との戦いが大変です。
通常使用の武器も心許なくなっていきます。

※ちなみに敵のターンでは自動で反撃するので気をつけないと強武器で反撃しまくり壊れます。
アーッ!
っつって、F12キーも良い思い出です。

そんな中、ステージに現れる修理屋。

         まさに砂漠のオアシスの如し。

乾いた耐久値に潤いをもたらすそれは、脳に快感物質が分泌されるのを感じました。

実は、この頃ステージ攻略後のインターバルで修理出来たら便利なのになあと思っていたところ、外伝(?)のエルンシス物語がリリースされ、その機能が実装されていました。
ロストも格安で復活可能でした。

しかしです。
不思議なことに、なにかが足りません。
あの頃の渇きと、それを癒やしてくれた快感はそこにはありませんでした。

焦らしてほしい…
恋い焦がれるほどに…
苦しめてほしい…
あのロストの恐怖で…

僕はもう、ロストの重みと耐久値の渇きなしでは満足できない身体になっていたのです。

      おもしろいものだな、ヒトとは──

でも、意識的にそうされたのかは分かりませんが、エルンシスの仕様は初心者向けとして調整された節もあるように感じました。
相変わらず女の子はかわいいし破れるし、驚くことにボイスまでついてました。
演出も強化され、珍しく(失礼)ガチシリアス目なストーリーなど、万人受けする印象でした。


○原則間接射程2

記憶に間違いなければ(ごめんねおじさん物忘れが酷いんだ)、例外を除いて間接攻撃(弓や魔法)の射程は2が標準だったはずです。
ツールの仕様なんかな?
よく知らんけど。

これにより、敵の移動+射程が長くなりすぎず、間合いの計算のしやすさ、ゲームバランスの点で上手い具合に落ち着いていたと個人的に感じました。地形でギリギリ届く、届かないとか絶妙だった記憶です。
地味だけど大切。


○苦しいだけではない戦術の幅

難しさばかり強調しましたが、プレイヤーの採れる選択肢が豊富であることで、攻略のやりがいを支えています。
割と基本的な仕様ですが、逆にいえばベースがしっかりしているということです。


・特効、追撃、クリティカル

基本ですね。
特効は特定の相手に攻撃力2倍、
追撃は相手より早いと攻撃回数2回、
クリティカルは確率で3倍ダメージ
強敵相手に特効や追撃は欠かせず、また雑魚敵に弱い武器で倒す時にも有効です。


・地形効果

命中回避に影響を与え、移動タイプによる移動制限、ライフ回復など、
一見地味ながら、SRPGの位置取りを支える重要要素です。


・輸送と再移動のコンボ

輸送は、馬とか鳥とか竜とかに乗ってるキャラが他のキャラを運べるシステムです。
移動能力の低いキャラをサポートする時に使ったりします。
この能力を持つキャラは、たいてい再移動と呼ばれる一回の行動の中で移動力の残る限り移動できます。
ないキャラは、たとえば5の移動力で1移動して攻撃とか挟むとその番ではもう移動できません。
これが再移動ありでは、残り4マス移動可能。
接近して攻撃して離脱、といったヒット&アウェイ戦法ができます。
これに、輸送を合わせると他のキャラで間接的にヒット&アウェイ戦法をとれます。
やられそうなキャラの救助、時間制限ありでの地形を無視した高速移動など飛行ユニットが最大限に能力を発揮するところでもあります。(強い分、弓や風魔法に弱点もある)


・アイテム交換による使いまわし

作品によりますが、このタイトルも例に漏れずステージ中にキャラ間でアイテム交換ができます。
たいていキャラは個別にアイテム所持数制限があるので、ヒーラーが間に合わない時に回復アイテム切れのキャラに渡したり、1つしかない特効武器を使いまわして撃破効率を上げるなどのテクニックがあります。


・多様なスキル、アイテム

上記のスキルや特効アイテムもそうですが、特定条件で必中化したり、再行動ができたり、ピンポイントで敵の技を封じたり、特効や追撃を無効化したり戦闘の勝敗を左右する強力なものが揃っています。
プレイヤーの選択肢を広げてくれます。


このロンドリア物語という作品は、外見はエロコミカルテイストですが、その実SRPGとしてはかなり骨太な作りになっていると感じました。

特に最高難度でボーナスコンプとロストなしを狙っていくと、かなりのやり応えがあります。
一手一手を慎重に考えねばなりません。
詰め将棋のような深い先読みが必要です。
ストレス性も高まりますが、達成感はそれ以上でクリア後には作品の印象が強く残ります。

挑戦者としての気概を持たれるSRPGゲーマー諸氏は、ぜひその深淵を覗いてみてほしいと思います。女の子もバツグンに可愛いのでぜひわざとダメージを受けて服を破ってその深淵を覗いてみてください。


たぶん最長記事になったかなあ。
まあいいか、たまには。


※2024.3.24
加筆修正、改行追加。

※2024.1.31
初稿。

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