ヒートゲージはどんな面白さを提供するのか。

                  制限されるアクション。


主にロボットなどの高熱を発するであろう機械を扱ったゲームにシステムとして採用されていることがあります。
これはリアリティー面での理由付けもあると思いますが、システムに影響する以上あそびとしての面白さにも何らかの影響を与えているはずです。
1口にヒートゲージと言っても、その仕様は様々。
それらは、ゲームプレイにおいてどんな面白さを提供しているのでしょうか?
例として、遊んだゲームからいくつか挙げて見ていきたいと思います。

○アーマード・コアシリーズ
言わずと知れたフロム・ソフトウェアより発売されているプレイステーション系列用ロボットアクションゲームシリーズ。
実はナインブレイカーと3しかやっておらず、歴戦のレイヴンではないので、その点は留意願います。
このシリーズでは、

・熱量は上限がある
・上限ペナルティーあり
・武装やブーストで上昇
・使用しなければ冷却されていく
・冷却性能がカスタム可能

といった特徴があります。


○BALDRシリーズ
アダルトゲームメーカーブランド戯画より発売されていたWindows用ロボットアクションゲーム。
このシリーズの熱量ゲージは、

・熱量上限がある(例外あり)
・武装の使用で上昇
・上昇量に応じて被ダメージ増加
・攻撃の間が空くと冷却開始され、0になるまで攻撃不可
・ダッシュなど移動は制限を受けない
・熱量が高いほど強くなる武装がある

という特徴があります。


○SKYGUNNER
SCE(ソニーコンピューターエンターテインメント)よりプレイステーション2用ソフトとして発売された3Dシューティングゲーム。

・オプションと呼ばれる特殊攻撃、EXアクションと呼ばれるキャラ毎の固有技やブースターで熱量増加
・使わなければ冷却されていく
・上限を超えると0に冷却されるまで増加行動使用不可

といった特徴です。

※類似システムとして、RPGとかでクールタイム、リキャストタイムといったものがあります。
これは、技個別に設定されており、ワンパターン防止が目的と思われます。


各種ヒートゲージは、プレイヤーにどういったプレイングバイアスをかけるのか?

共通していることとして、

・攻撃や高速移動を制限している

これは、リソース管理の要素で、常に全力で戦えなくすることで、「いつ、どれだけ動くか」ということを考えさせます。

・上限ペナルティーの存在

考えなしに使えるまで使うと、長時間の行動制限(能力低下)というリスクがあります。
単純に弱体化してしまうため、プレイヤーはこれを避けようと意識します。
もしくは、リスクを負って行動する判断が生まれます。


ありきたりで今更な結論になりそうですが、つまるところ文字通りの「駆け引き」をゲームプレイに生んでいるのだと思います。
常に全力前進できなくすることで、戦況判断するというメリハリがあります。
アクションゲームというジャンルは動かす気持ち良さ、自由度が特徴ですが、そこに制限を加えることで  考える楽しみを生み出していると思えます。

               
                ヒートゲージは駆け引き。


※追記1
BALDRシリーズなどは、特に傾向が顕著で「攻め時と引き際」が交互に繰り返されるプレイ感となっています。

1対1だと熱量のリスクが減りリターンが増えている節もありますが、(コンボ中は反撃を受けず熱量上限無視や威力比例技がある)
対複数戦だと防御低下という仕様から、より慎重な立ち回りを求められます。

※追記2
僕の好きなゲームに「サムライスピリッツ」という対戦武器格闘ゲームがあります。
このシリーズの「零」には、「剣気ゲージ」と呼ばれる変わったシステムがありました。

これは、初期状態がマックスで、攻撃すればするほどゲージが減り攻撃力が落ちるという仕様でした。

これは行動そのものを強制的に制限するものではなく、攻守の切り替え、もっと言えば1手の重みを持たせたものだと思います。

これにより攻め側が一方的に有利にならず、牽制ひとつ取っても無闇に振れないサムスピ特有の「静と動」の駆け引き、侍の戦いを表現したものと考えます。

コンボやガン攻めを好むプレイヤーには合わない面もありますが、対戦相手との攻防、基礎であるコミュニケーションを深く味わえる1つの在り方として個人的に好みです。




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