情報の公開、非公開、共有がもたらすゲーム性とドラマ性。
情報が生み出すおもしろさ。
索敵、探知の重要性。の記事でも書いたが対戦ゲームにおいて情報は勝敗を左右する重要要素だ。
ナルトでも、任務において情報は時に命より大事的なことを先生が言ってたね。
よく、手の内を見せた、見せないなどと表現されることがある。
バトル漫画の魅力に、能力情報の駆け引きがある。
未知の能力に対し、それを推測、攻略していく楽しみだ。
ジョジョ三部以降は能力バリエーションが増えたこともあり特にこの傾向を強く感じる。
「な、なんだとおおおおおッ!?」
である。
伝統、お家芸の様式美だ。
最近、とあるアニメを見ていて能力の情報をあえて知らせることで(リスクを負うことで)効果を高めるといった描写があった。
また、別の作品ではチーム戦としてお互いの能力情報を共有するという描写もあった。
こちらは、連係する上で効果的に運用するための必然性といえる。ぜんぶジャンプ作品じゃねーか。
※余談
個人的には伏せられてるのが好き。
でも後者のような見せかたも多様性としてアリだとも感じる。
およそゲームにおいて相手の能力を知ることは勝敗に大きく関わる。
これは対戦でもコンピューター相手でも同様だ。
カードゲームや麻雀などは、その典型だろう。
相手の手札、手牌の情報次第でこちらの取り得る戦略・戦術が変わる。(カードゲームは相手関係なくチカラ押しで勝つ作品もあるが)
全公開されていれば破綻するだろう。
逆に全伏せでも推理材料が不足する。
伏せられているものを、見えている情報から推理し、賭けるおもしろさがある。
勢力が3以上になると、共闘するために一時的に情報を共有することもある。
情報のアドバンテージや能力の連係で強者に対抗する。もちろん、一時的になので、用が済んだら裏切るのだ。
ポケモン対戦でも、相手のパーティー編成、所持しているわざを知ることは重要だ。
どのポケモンがいるのか、どのわざを持っているかによって、こちらの取り得る最適解が変わってくる。
あえて行動を誘い、情報を引き出す駆け引きがおもしろさを生んでいる。
将棋や囲碁などでは、駒の情報は公開されているが、次の1手、また終局までの長期的な流れとしての情報は(少なくとも表面上は)見えない。
その膨大な盤面パターンを読み(計算し)合う。
確率が廃された完全実力主義のゲームだ。
運も実力の内とも言うが。
コンピューターRPGでは、敵の属性や技、次の行動など様々なデータが攻略情報だ。
情報はドラマ性においても同様に、ストーリーのおもしろさに繋がる。
未知、というのはおもしろさの基本的要素だ。
個人により気になる、ならないはあるがネタバレは忌避される傾向にある。わたし気になります!
これは、見る前に知ってしまうと
「どうな(る)んだ!? オラわくわくすっぞ!」
といったハラハラ感や初見のインパクトが弱まるためとおもわれる。
ジャンルとして確立されたミステリーなどその最たるものだろう。
推理ものや日常の謎、オカルトなど細分化されるが(ここでは定義の正誤の話はしない)、
「え? これってどうゆうことなんだろう?」
「誰が犯人なんだろう?」
といった分からない、知らない、未知の情報が人間の探求心や好奇心を刺激する。
ギャグやコメディーでも知らないことによるおもしろさがある。
メガネ、メガネ……と言いながら頭にのっけてたり、
説教してるシーンでパンツが破れてたり、
といったいわゆるジョハリの窓における盲目の窓的効果だ。知らぬは己のみ。
物語の進行上、カギを握る情報もある。
たいてい、困難を解決するための手段であったり、とある人物の過去だったりする。
この情報を特定の人物のみが知っていると、いわゆるキーパーソンという役割を持つキャラクターが生まれる。
例えば、クールな美少女に設定しておくと
ミステリアスで魅力的なキャラになる。
「あなた──ループしてるわね」
「!?」
アニメなら途中からエンディング曲を流せば定番の次回へ引きを作りつつ、エモい感じになる。擦られ過ぎて笑ってしまった人は素直に手を挙げなさい。
序盤から要所で思わせ振りな描写、いわゆる振り、伏線といった要素だ。
これがあると、物語に引き、フックが生まれ
「え? 今のなに? なんか気になるムーブしてましたけど……」
と、視聴者を物語に引き込み期待値を上げ、見切られるリスクの低減や視聴後のお客様満足度(?)に繋がる効果がある。
また、情報を共有することで特別な関係性を生みドラマ性を高めるケースもある。
これは、例として秘密の共有がある。
典型として、共犯関係や知ってはいけない秘密の共有だ。
たとえば、犯罪行為に加担したり目撃したことをバレないようにお互い黙っていることや(あくまで創作の話ですよ)
知らないほうが幸せ、なことを知ってしまった場合など。
サスペンスなどで使われることがあるが、奇妙な(後ろめたさとしての)連帯感という人物同士の関係性としてドラマを生む。
以上のように、情報というのはその公開レベル(どこまで明かしてどこまで伏せるのか)、その扱いかたによってゲーム性、ドラマ性双方においておもしろさに大きく寄与する。
出しすぎても隠しすぎてもいけない。
実際に体験してみて、どういった理由でおもしろい(あるいはおもしろくなかったか)のかを分析・確認しておくことが
ストーリー製作、ゲームデザインにおいて大切だと感じる。
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