SRPGにおける単騎無双への解答。フロントミッション セカンド。
ストップ! 無双化。
なんだか環境にやさしそうなフレーズを思い出すが、SRPGを遊んでいて疑問におもったことはないだろうか?
「なんで自分の番だと(原則)一回しか攻撃できないのに、敵の番だと無限に反撃できるんだ?」
いやいやN.K.さん、素人ですか。
SRPGってのは、そういうもんでしょう。
少数対多数なんだから、そういう仕様でないと時間かかるし、とても倒しきれませんよ。
なるほど納得。
ゲーム都合として構図的な必然であった。
だが、気になることもある。
「この無限反撃(回避)、単騎無双を助長してないか?」
SRPG熟練者にフリーゲームのロンドリア物語2を推したい。の記事でも書いたが、
高い攻撃力と防御(回避)能力を持つユニット(特に主役に多い)は、強化して敵のど真ん中に配置すると、この無限反撃で無双することがままある。
これはこれで攻略のひとつであるし、バッサバッサと敵を返り討ちにする様は見ていてとても気持ちが良い。
だが、これまでのSRPGに関する記事で再三指摘してきたように、SRPGとは個のチカラではなくチームとしてのチカラで戦うことが醍醐味でもある。
主役は活躍するものではあるが、一人では勝てない、仲間の頼もしさを感じられることがSRPGの大きな魅力だ。
※ガンダムで例えれば、外伝作品である
コロニーの落ちた地で……
のホワイト・ディンゴ隊である。綺麗な顔してんだろ? ジムなんだぜ、それ。
地味だが渋い魅力がある。漫画版のアニタエロすぎじゃね?
無双プレイは思考停止とまではいわないが、考える要素が減る傾向にあるようにも感じる。
複数の能力の駒を活用し、個のチカラは弱くとも連係して勝利を収めるには位置取りを始めとした複雑な計算が必要になる。
この疑問に対しターン制限や適正レベルを採用することでプレイングにバイアスをかけることもできるが、根本的な問題に着手したケースもある。
スクエニ(旧SQUARE)より発売されている
ロボットカスタマイズSRPGの名作、
フロントミッションシリーズである。
このシリーズも、一作目は同様に後半になるにつれ単騎無双の気があった。
が、二作目において早くもこれに対する解答を示した。
それが、APシステムである。
これはいわゆる行動力のようなもので
APシステムの特徴として、
・移動で消費。
・攻撃で消費。
・攻撃されると減少。
・ターン開始時、(原則)全回復。
・敵が隣接(斜め)してたら回復量減少。
・0になると行動(移動攻撃or反撃回避)不能。
という仕様になっている。
この仕様により、単独行動に対し制限とリスクが生まれることとなった。
自分の番でも武器種間のバランス調整といった改善効果があったが、特筆すべきは敵ターンにおける行動制限にある。
攻撃をしかけられる度にAPが減ることで、多数を相手取ると反撃や回避に限界がくる。
そして、周囲を囲まれると次の自分のターンで大幅に回復APが減少する。
どんな強機体、エースも鉄屑と化すのである。
※鉄屑で思い出したが、フリーゲームの鉄屑まとうデモナおもしろすぎんだろ。名作。
あれRPGだけど。
実装初期であるセカンドでは、まだ粗もありシリーズを経ることで調整されていく。が、このバランスが良いと個人的には感じることもある。
このシステムの採用により、単騎のリスクと集団行動のメリットが浮き彫りとなり、SRPGは本来の意義を取り戻したと言える。
※余談1
フロミシリーズは、外伝などもあるがナンバリングとしては(たしか)5で止まっている。
ファンとしては新作をあそびたいとおもうもの。
昨今のリメイクブームの流れが新作に繋がれば、と願うばかりである。
※余談2
SLGになるが、ギレンの野望も似たシステムを採用している。
移動、攻撃、索敵といった行動に資源というリソース値を消費する。
資源は、占領した拠点、そこから伸びる補給ラインにより回復する。
キュベレイなどの強機体も、資源枯渇で鉄屑のできあがりだ。
リアリティーの面でも攻略面でも実におもしろい仕様だと感じる。
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