野球に興味なかったN.K.がパワプロと再会し認識を改めた話。

        食わず嫌いのゲーマーを沼らせる。


!注意!
野球を否定的に書いている部分があります。
個人的な興味あるなしの話ですが、不快に感じる可能性のあるかたは読まないことをお勧めします。あと長いです。


僕の父親は、大の野球好き(そして阪神ファン)である。
子どもの頃、息子に阪神の野球帽子を被らせていた。(そして僕は、学校の遠足などに行っていた)
球場に一緒に行った記憶もある。
テレビはかならずといっていいほど野球中継を見ていた記憶だ。(現在進行形)

そんな環境もあり、好きなチームは?
と訊かれたら なんとなく阪神、といった感じであった。
だが、僕が野球に興味を示すことはなかった。この環境でこれである。(おそらくは楽しさを感じる体験が得られなかった)
高校生になっても、ろくにルールすら知らない有り様であった。
(今も完全に理解しているわけではないが)

小学生の頃、ゲームボーイを買ってもらい、マリオランドをやりまくっていた。
そこからゲーム一色の人生だったのである。

小学生の夏休みの折、親戚のにいちゃんがパワフルプロ野球を持ってきてあそんでいた。
僕は、マリオやドラクエなどしかやったことがなく、横目で見つつ興味を持つことはなかった。

それから長い月日が経ち、僕はいい歳したおっさんになっていた。
なにがきっかけか忘れたが、いろんなゲームジャンルに手を出しており、いままでやったことないタイプのもあそんでいこうというスタイルになっていた。

そして、そういやスポーツものも、テニスとかゴルフはやったけど野球はやったことないな。
よし、パワプロやってみるか。
て流れだったとおもう。

シリーズが長い長寿タイトルに手をだすときにある悩みだが、どれをやろう?
となり、ネットでいろいろ調べてみた。

いきなりガチでやるのもむずかしいかなとおもっていた。
プレステ2の9がサクセスモードというストーリーモードの評価が高いらしい。
プレステ2は(俺の)現行機だ都合がいい。
ストーリーから入っていけば、続けていけるかもしれないとおもい決めた。

そして遊んでみた。
まず、デフォルメされたキャラたちが表情豊かである。
マネージャー(彼女候補)がかわいすぎる。
硬派なシリーズファンには批判的な意見もあるらしいが、僕にはとても親しみやすく入っていけた。

そして、サクセスモードは高校野球編で三年間で甲子園優勝を目指すという青春ものストーリーだ。
野球部の先輩や後輩、同期の友だちや他校のライバルなど個性的な面々とのやりとりが楽しい。
甲子園に掛ける想いは、未経験者の僕でも(擬似的にだが)アツいものが込み上げてきた。
(ゲームでだが)甲子園に立ったときの雰囲気のようなものにはテンションがあがるのを感じた。

そして、ストーリーだけでなく、ゲームシステムとしても実におもしろかった。
僕はあまり育成SLGはやってこなかったのだが、この育成パートが実によくできていると感じた。

始めるとある程度投手野手フォームなど決める。
そして、能力はどうも開始毎にランダムっぽい。
球速や初期特殊能力などにバラつきがあるようだ。
周回ごとに新鮮な気持ちであそべる。
一周がRPGみたいに長くないので、初期能力ランダムは相性がよいとおもう。

そして、投手なら球速や球種、野手なら走力やら捕球、パワー、ミートエリアなど求められる能力を伸ばしていく。

練習もなかなか深く、特定の能力を伸ばす練習をすると別の能力が下がったりする。
キャラと仲良くなっていると、友情タッグといって伸びにボーナスがついたり、強化イベントが起きたりする。

個人的におもしろいとおもったのが、あらゆる場面で起きるランダム性である。
初期ステータスもそうだし、かなり育成がうまくいっていても、事故などでガタ落ちしたり、恋の病で練習できなくなったり突発的イベントによる不確定要素に一喜一憂する。

そして、調子(コンディション)がいろんな行動やイベントで増減するが、実際のプレーで能力に補正がかかる。
調子の悪いコンピューターは、よく暴投したりするので影響がよくわかる。
これもリアリティーやパターン化しない揺らぎを生み、おもしろい。

様々な特殊能力も特定の状況に強かったり弱かったりとキャラの個性バリエーションに寄与している。

そして、実際のプレーである投げた打ったが楽しいのである。

投手だと、どのコース、速度、球種で投げるか。
バッターなら、どこに来るのか、タイミングは、バントで固くいくか、強振を狙うか。

多数の選択肢による駆け引きが行われている。
うまくストライクスリーとれたときは、おもわずガッツポーズしてしまったし、勝負が決まる一投には手に汗握るアツさだ。

転がして塁を進めるための駆け引きもアツい。
間に合うか、アウトかセーフか!?
というドキドキがたまらない。
いわずもがなホームランは最高に気持ちいい会心の一撃だ。
逆転サヨナラなら雄叫びをあげてしまう。
歳のせいか動体視力低くて球見えんけど。


長々と書いたが、うまく伝わってる気がしない。
いまだにリアル野球に関心は薄いままだが、パワプロのおもしろさは存分に感じた。

野球をあつかっているだけで、なんとなくルールわからんしと敬遠していたが、完全な食わず嫌いだった。

ストーリー面、育成・試合両面におけるランダム性や戦略性の奥深さ。
ゲームの完成度の高さに驚いた。
そしてそれは、(ゲームであるとはいえ)野球のおもしろさを感じたということでもある。

根っからのゲーマー(特に不確定性を楽しめる)なら必ずおもしろいと感じるハズである。野球はちょっと…
というゲーマーも、ぜひやってみてほしい。
ルールがわからなくても、投げた打った捕ったでおもしろい。

以前、SRPG初心者にサモンナイト3を入門としてオススメしたい記事を書いたが、野球ゲームにおけるパワプロ9はそれに該当すると感じた。
対戦すればもっと楽しめるだろうが、1人でもサクセスモードで十分に楽しめる。
僕がおっさんになってからジャンルを開拓してくれた意味でも喜ばしいことだった。
いいたいことをひとことでまとめるなら、

       
        ゲーマーなら、パワプロしようぜ!


※余談1
パワプロシリーズには栄冠ナインというモードを搭載したタイトルがある。
これは、選手でなく監督としてプレイヤーが采配をしていくゲームだ。
これもまた、独自のエモさ、おもしろさがある。興味があればこちらもぜひ。

※余談2
僕ことN.K.は野球に興味を持たず生きてきたわけだが、今回パワプロを通してその魅了の片鱗を感じることができた。

たまたま僕のまわりがそうなのかもしれないが、未経験者、知らないものに対する普及や導線は十分にあるのだろうかとおもった。

野球ほどメジャースポーツなら競技人口や観客といった経営的な面で困ることはないのかもしれないが、その魅力を知らないままの人間がいるのも(余計なお世話だが)もったいない気もした。

僕の認識では、興味がある者が集まってやっていて、よくわからない者はルールわからんなにがおもしろいかわからんの感じがする。
押し付けハラスメントはよくないし、
好きなヤツがやればいいといわれれば、それまでだが。

漫画などもそうだが、知らない世界の魅力に触れるという点においてゲームはハードルが低く入りやすさがメリットだとおもう。
そこから、新しいジャンルが広がっていくこともある。




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