会社で初めて長期の育休を取得した話
少し昔、2019年ごろの話です。
わたくしかじおは一年間育休を取得しました。
その時の会社側の反応がどちらかと言うとネガティブ寄りでしたが、めげずに取得しましたので、その時のやりとりや心構えをざっくばらんに語りたいと思います。
たった5年前の話ですが、当時は社会全体でもまだ男性の育休取得は少なくかったですよね。
うちの会社は従業員は数千人いる規模の会社なのですが如何に男性の長期育休取得は私が初めてであったことから相当取得者が少なかったことがわかります。
今は男性でも育休が取りやすくなりましたが、まだまだ世間では取りづらい雰囲気のある職場が多いかと思います。
取ってみたいけど、周りの反応が怖くて踏み切れない…というの方の参考になればいいかなと思います。
なぜ育休を取ったのか
そもそもなぜ一年間育休を取ろうと思ったのか。
これは単純に私が取りたかったからで、理由は二つ。
一つ目は、一年近く休職できること。
私は会社員として働くことが好きでないので休めるなら休みたいというのが本音です。
人間関係が悪いとか仕事内容が特別厳しいわけでもないのですが仕事にやりがいを感じるタイプではないので、その時間を別のことに使えるのであればそちらの方が魅力的に映ります。
↑の思想が極まってFIREを目指したわけですね。
働きたくないから育休を取る。
育児をちゃんとやる前提ならそのモチベーションでも全然ありだと思います。
もう一つは、子育てをしてみたかったからです。
保育園に職場見学に行ったり、小中学生向けの塾講師バイトを6年続けたり、元々子ども好きな性格であるため、乳幼児と触れ合う時間はきっと有意義なものだろうと考えました。
会社員となった今は子どもと日常生活で関わる機会はほとんどありません。
しかし育休を取れば、自分の子供を24時間好きなだけ可愛がれて世話できるわけです。
そんな魅力的なことはないと、当時感じていました。
あとは、しんどいと言われている乳幼児期の育児がどの程度のものなのか体感してみたかったこともありますね。
妻は、仕事へのモチベーションが強いためすぐに復職したがっていたこともあり、私の育休取得に賛成してくれました。
多分妻に反対されても取っていたと思いますが(笑)
会社側の反応
育休を取るにあたって障壁になるのが会社側がどう反応するかわからないことですよね。
私は結構ネガティブな反応をされました。
5年前の話なので今はもっと優しいケースが多いと思いますが、職場によっては同じような状況になるかもしれません。
上司
会社に伝えるのは早い方が良いと考え、妻の妊娠が分かったタイミングで上司に無事生まれた場合に育休を取得する意思があることを伝えました。
その時の上司の反応は「まあ、取るなとは言えないからね…」となんとも言えない絶妙なものでした。
本音では取って欲しくなかったんでしょうね。
その後、安定期に入り具体的にいつ頃から1年間休職するかの話をしました。
その時は「ああ、本当に取るんだね」と言う感じで引き留められることはありませんでしたが、半ばあきらめに近い空気を感じさせるものでした。
手続きについて聞くと、部下が育休を取ったことなんてないからわからないとつっけんどんな答えが。
これは職場がほぼ男性なので仕方ないかもしれませんね。
当時にしては難しい要望をしている自覚はありましたので、上司に貧乏くじを引かせてしまったような気分になりましたが、あまり気にせず直接人事部(うちの会社では人事が休暇手続きを担当)とやり取りすることにした。
そちらでも少し苦戦しました。
人事部
基本的にうちの会社では、このような手続きは社内HPのマニュアルを見て、書式に必要事項を書いていけばOKなのですが、それまで育休は女性が取るもの前提だったためか、手順のマニュアルや書式も女性前提ものしかなく、産休を介さずに育休に入る方法がわかりませんでした。
そのため直接人事とやり取りし始めたのですが、人事の担当者も要領を得ず。
どうやら男性で、長期の育休を取る社員が初めてだったようで書式そのままでは対応できず、細かいやり取りを何度もすることになりました。
確か予定日の直前くらいに手続きしていたのでかなりバタバタしていた記憶があります。
今では、部署で、男性でも子どもが生まれたら1週間から2か月くらいは取るのが普通になっています。
ここ数年でだいぶ変わってきたことを実感しますね。
同僚
直接的には同僚は関係ないのですが、一年間休む話をすると「戻ってきたときに席あるといいな~」とか言われたりしました。
これは嫌味でなく、心配してくれての言葉でした。
それだけ育休で一年間いなくなることがなじみない行動で、本当に復帰できるのかも不明に思われていたのでしょう。
復職後
会社の反応
当時ちょうどコロナ禍初期でしたので、幸か不幸か在宅勤務が始まったどさくさに紛れて復職できました。
上司からも特に何か言われることもなく、新しいプロジェクトに配置されるときと同じ流れで仕事が始まりました。
休んだ本人ほどに、周りは気にしていない印象を受けましたね。
それからしばらくして上司も変わり、部署も変わり、今では育休を取っていたことすら、周りの人は知らない環境になっています。
ブランク
業種によりますが、もともと実務と書類仕事を数か月周期で行う仕事だったため、一年程度ではブランクにはなりませんでした。
出世に響いたか?
結論から言うと響いていないです。
(当然休んだ期間分のキャリアは遅れることになると思いますが)
ありがたいことに、最近同期内でもかなり早いタイミングで管理職への推薦もいただけたので育休を取ったことが大きなマイナスになっていることは考えられません。
そもそも育休を取ったからと言って本人の能力に関係のない懲罰人事のようなことを行うことは、会社側にメリットがありませんからね。
直属の上司がよほど評価を曲げない限り、出世には影響ないと考えてよいと思います。
育休は取ったほうがいい理由
その会社内での成功に人生の重きを置いているのでない限り、育休は取った方がいいです。
自分たち家族への利益はもちろん、男性が育休を取る流れを作っていくことは社会的にも善であることだからです。
自分にも、周りにも良い行動ですので、しり込みせずどんどん取得していけば良いかと思います。
個人の利益
自身と家族には以下のメリットがあります。
細かく書くと収まりきらないですが、代表的なところはこんな感じかと。
妻の負担を軽減でき(もしくは復職を早め)、信頼を稼げる。
仕事を長期で休めるまたとない機会となる。
乳幼児期の子どもと接することで愛着が形成される。
家事育児のスキルが上がり、育休後も生活が楽になる。
働いていなくてもほぼ同水準の収入が保証される。
社会の利益
子どもを産み育てることは大きな社会貢献の一つです。
それをサポートするのが育休という制度で、それを推進することが次世代を担う子どもを育てること増やしていくことに繋がると、官僚や学者など十分な知識を持った人たちによって議論されているわけです。
育休を自分が取ることで周りも取りやすくなり、結果として皆が住みよい社会を作る一助になるはず、と考えてみてください。
会社や同僚に不利益は?
まず金銭面で会社に大きな負担をかけることはありません。
育休中の給付金は雇用保険から捻出されますし、会社の規模によっては会社側に国から助成金が払われます。
同僚の負担が増えることを心配に思うかもしれませんが、十分前に伝えていれば、もし負担が生じるとすれば会社側の人事に問題があることなので自身が気に病む必要はありません。
まとめ
育休はとても良いです。
場合によっては取りにくさを感じるかもしれませんが、自身にも、家族にも、そして社会全体にも良い影響を与えるはずですので、あきらめることなく思い切って取得してみませんか?
どうせ取るなら、長期で取れるだけ取るのがおススメです。
以上。
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