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【本要約】『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』

 今回はアンドリュー・O・スミス著『アメリカの高校生が学んでいるお金の教科書』を紹介します。

 この本は「お金とキャリア」や「投資の基本」など、お金に関する様々な基本をわかりやすく教えてくれる本です。

 今回はそんな本書の中から「老後資金」の話題を中心として、紹介していきたいと思います。

■老後資金はいくら必要か

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 2019年ごろに「老後2000万円問題」が話題になったように、老後資金については多くの方が関心をお持ちだと思います。

 老後資金はいったいいくら必要なのか。これに対する決まった答えはありません。ファイナンシャルプランナーなどに聞くと、平均寿命より長く生きることを想定し、その間ずっと現役時代の収入の60%~70%ほどのお金を使うと計算するという答えが返ってくることがあります。

 しかし、事はそう単純ではありません。例えば高齢者になると医療費が増えます。アメリカ人は引退後に平均して12万ドル以上の医療費を使うと見積もられています。

 そのため、老後のために貯金をしておくことは必須です。そして、貯金はできるだけ早く始めましょう。


■なぜ貯金は早く始める方が良いのか

 なぜ早く始める方が良いのか。それは大きな複利効果が期待できるからです。

 複利とは、利息が上乗せされた金額に、さらに利息が付くということです。これだけだとわかりにくいとも思いますので、具体的に説明します。例えば利率が年に10%で、元本が100ドルだとしましょう。この場合、1年後に受け取る利息は100ドル×10%=10ドルになります。

 ではその次の年も受け取る利息が10ドルかというと、複利の場合そうではありません。次の年は元本に利息分が加わった110ドルに利息が付きます。そのためその次の年に受け取る利息は110ドル×10%=11ドルということになります。

 このように利息にさらに利息が付くことを複利といいます。そしてこの複利の効果は期間が長くなればなるほど効果を発揮します。

 それがわかる具体例を見ていきましょう。Aさんは22歳から、Bさんは32歳から貯金を始めたとします。年間の貯金額と年利はどちらも同じで、貯金額が3000ドル、年利が6%です。

 この両者が70歳になった時点で、それぞれどれくらいの金額を貯めることができると思いますか?

 答えは22歳から始めたAさんが76万9694ドル、32歳から始めたBさんが40万7713ドルです。実に約36万2000ドルもの差があります。

 複利の効果で元本が膨れ上がり、それに対して年利6%がかけられるので、時間がたてばたつほど金額が大きくなります。これが複利の効果です。

 この複利の効果を得るためには期間が必要です。そのため貯金はなるべく早く始める方が良いのです。


■貯金の素晴らしさ

 しかし、貯金と聞くと「自由にお金が使えない」などの嫌なイメージを持たれる方もいらっしゃると思います。

 たしかに貯金とは単純に言えば「お金を使わないこと」です。しかし、今日お金を使わないということは、明日お金を使う能力を手に入れるということを意味します。

 つまり貯金とは、支出を先延ばしするということでもあります。今使わずにいれば、将来お金が必要になったときに使えるのです。こう聞くと少し貯金したくなりませんか?

 とはいえ、誘惑が多い現代において貯金をするのはなかなか大変です。そこで、貯金をするコツをお教えします。それは「お金が入ったら、貯金する分だけすぐに切り離し、どこか別の場所においてすぐ使えないようにする」いわゆる先取り貯金です。

 先取り貯金を簡単に行えるように、給料から貯蓄する口座へ自動的に貯蓄額を移してくれるサービスがあります。こういったサービスを活用して、先取り貯金を行っていきましょう。

 また、いくら貯金すればよいのかという問題がありますが、これに関しては収入の20%くらいが目安になります。

 先ほどお伝えしように、貯金を始めるのは早ければ早いほど良いです。ですのでぜひ今月から収入の20%を先取り貯金してみましょう。


■まとめ

 いかがだったでしょうか。この本ではほかにも「投資の基本」や「税金の基本」などについてもわかりやすく書かれています。

 気になった方はぜひ以下のリンクからご購入ください。


 

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