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【本要約】『節約・貯蓄・投資の前に いまさら聞けないお金の超基本』

 今回は1級ファイナンシャル・プランニング技能士で、お金の記事を執筆されている坂本綾子さんの著書『節約・貯蓄・投資の前に いまさら聞けないお金の超基本』を紹介します。

 「あなたは将来のお金に関する不安はありますか?」

 この質問に自信をもって「ありません!」と答えられる方はそう多くはないのではないでしょうか。

 給料や老後の心配などお金の悩みや不安は尽きません。しかしそんな不安を何とか解消したいと思いませんか?

 本書はそういった不安を軽減することができる本になっています。

 お金の超基本から学ぶことによってお金に対する理解が深まり、それによってなんとなく感じていた不安が軽減されていきます。

 そんな本書の一部を紹介していきます。


■お金の6つの機能と大切なこと

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 お金には「稼ぐ」「納める」「貯める」「使う」「備える」「増やす」という6つの機能があります。

 これらについてはこれから解説しますが、これらについて知ることで、お金の知識を得るだけではなく適切に判断し行動する力も高まります。

 しかしこれらの機能について詳しく見ていく前にとても大切なことが2つあります。それは

・ライフプランを立て、予算を立てること
・自身の残りの生涯賃金を把握すること

です。

 まずライフプランを立て、予算を立てることで今後どれくらいのお金が必要かはっきりとわかります。

 子供は何人ほしいか。旅行はどれくらい行きたいかなどのライフプランを立てることで予算を立てることができ、予算を立てることができれば必要なお金がはっきりとわかるため、漠然とした不安が軽減されます。

 また残りの生涯賃金(これからいくら稼げるか)を把握することも非常に大切です。残りの生涯賃金は「就職時の年収×男性なら1.6,女性なら1.2×残りの労働年数」でおおよそ割り出すことができます。

 これで将来に必要な予算と残りの生涯賃金を明確にすることができます。この二つは普段漠然と捉えてしまい、なんとなく不安になることが多いと思いますが、このようにしっかりと把握することで先を見通すことができます。

 またこれらをはっきりさせることで今後の対策も立てやすくなります。計算した結果、もう少し生涯賃金を増やしたいと感じれば、昇級・昇進を目指すということも今からできるようになります。

 ぜひこの2つをはっきりさせるところから始めてみましょう。

■お金の機能「稼ぐ」

 ここからはお金の機能について見ていきましょう。まずは「稼ぐ」という機能から見ていきましょう。

 「稼ぐ」において大切なことは、お金の稼ぎ方は自分で選べるということ、その稼ぎ方が自分に合っているかをきちんと把握することです。

 ざっくりいうと、お金の稼ぎ方には2種類あります。一つは決められた時間働き、それに対する報酬をもらう方法。会社員などはこれに当てはまります。もう一つは販売量や仕事の出来高で報酬をもらう方法。フリーランスなどはこちらに当てはまります。

 この二つはそれぞれメリット・デメリットがあります。比較すると以下の通りです。

●会社員
メリット
・手厚い保障(社会保険の一部を会社が負担など)
・収入の安定

デメリット
・給与が一気に上がるということはあまりない


●フリーランス
メリット
・自分の判断で働ける
・収入に限界がない

デメリット
・収入が安定せず、会社員のような保障はない


 このようなメリット・デメリットがあります。大切なことはこのようなメリットデメリットを把握したうえで、自分の性格に合うのはどちらか考え、選択することです。


■お金の機能「納める」

 続いては「納める」です。国民は納税の義務を負っています。しかし、将来のお金の不安を軽減する上では節税することも大切です。

 節税においてもっとも大切なことは所得税を抑えることです。

 所得税とは「課税所得」に対してかかる税金のことです。「課税所得」とは1年間の収入から必要経費などを除き、そこから配偶者控除などの各種控除の合計を引いたものになります。

 例えば100万円の収入があり、必要経費が10万円、各種控除が10万円だとすると

100万円(収入)-10万円(必要経費)-10万円(各種控除の合計)=80万円(課税所得)

ということになります。この課税所得に対して税金がかかるため、課税所得を抑えることが大切です。

 とはいえ収入を減らしてしまっては元も子もないので、大切なのは各種控除の合計を大きくすることです。そうすれば課税所得を低く抑えることができます。

 控除の種類は色々とありますが、例えば配偶者控除があります。これは配偶者の所得が38万円以下なら、原則として最高38万円を控除できるというものです。

 ほかにも気になるという方は、本書に詳しく書かれていますのでそちらをご覧ください。


■お金の機能「貯める」

 続いては「貯める」についてです。

 「お金は貯めずに使いたいな…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、人生には突然のケガなどのリスクや出産などのライフイベントがつきもの。そういったものに備えるために貯めることは大切です。

 ではいったいどれほど貯めればよいのでしょうか。平成29年度の総務省の家計調査では、2人以上の勤労世帯における貯蓄率の平均は22.3%だそうです。そのため手取り収入の2割を目安に貯蓄を始めることがおススメです。

 またそれを実現するために先取り貯蓄がおすすめです。給与振り込み口座から一定の額を給与が振り込まれた時点で別口座に振り込む、ということができます。こうすることで強制的に先取り貯蓄ができ、貯蓄がしやすくなります。


■お金の機能「使う」

 続いては「使う」について。直前に「貯める」の話をしたので「お金はできるだけ使わずに我慢しなきゃいけないんでしょ…」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。

 お金の使い方は「生活に必要な支出」と「楽しみのための支出」がありますが、むやみやたらに「楽しみのための支出」を我慢してしまうと、つまらないし働く意欲も低下します。

 大切なことはその支出が本当に大切な支出になっているか、「楽しみのための支出」で本当に楽しめたかどうか考えてみることです。

 「お金を払ってよかった!」と思えたなら、その支出は大切な支出です。そうでなければ別の方法や予算を検討するべきです。

 本当に楽しめたかどうか。これを判断の軸にして「使う」について見なおしてみましょう。

 また「使う」に関して大きな問題として、「家は買うべきか借りるべきか」というのがあります。このことに関して悩んでいる方も多いのではないしょうか。

 これに関してはまず、自分が家に対して何を求めるのか考えることが大切です。

・色々な場所に住みたい
・通勤に便利な場所がいい
・子供に資産を残したい

など色々あると思います。これらの自分の求めるものをしっかり把握したうえで、自分に合ったスタイルを選ぶことが大切です。

 ちなみに支出額についてですが、似たような家で試算すると買っても借りてもそれほど差がありません。そのため自分に合ったスタイルを選ぶということがとても大切になります。


■お金の機能「備える」

 続いては「備える」についてです。人生には当然のケガや病気など予想外の出来事はつきものです。こういった場面に備える必要がありますが、日本には社会保障制度があり、その中心に社会保険があります。

 社会保険は原則として日本に住んでいる人は加入し、いざというときに備えます。この社会保険ですべてを補えるわけではありませんが、多くの部分をカバーできます。

 そのためまずはこの社会保険についてしっかりと把握し、そこでカバーできない部分を貯蓄や民間保険でカバーするということが大切です。

 社会保険には色々なものがありますが、その一つが公的医療保険です。公的医療保険と聞くと難しいですが、簡単にいうと保険証です。病院に行ったときに保険証を持っていくと3割の自己負担で済みますが、これは公的医療保険という制度のおかげです。

 このほかにも社会保険は色々ありますので、より詳しく知りたい方は本書をご覧ください。


■お金の機能「増やす」

 最後は「増やす」についてです。今の時代、銀行口座に置いたお金につく利息はとても低いため、銀行口座においておくだけでは増えません。

 一方、投資をすればリスクはありますが、銀行口座に置いているよりも大きくお金が増えます。そのため投資について学ぶことはとても大切です。

 しかし投資の前にとても大切なことがあります。それは緊急時の予備資金(生活費の3~6カ月分)をしっかり蓄えておくということです。

 投資にはリスクがつきもので、お金が増えることもありますが減ることもあります。そのため毎月の収支がギリギリで貯蓄できていないという人にはおすすめできません。無理のない範囲で投資をしていきましょう。

 そんな投資ですが、投資商品がたくさんあるため、どこに投資すればよいのか迷うことがあります。いろいろありますが、預金より高めの金利を目指して投資に取り組むという場合は、複数の投資信託から自分に合うものを選び、積み立てにするのが本書ではおすすめされています。

 とはいえこのようにおすすめを聞いたとしても、投資のリスクに対する不安はあるのではないでしょうか。そこで投資のリスクを減らす3つの方法をお伝えします。

 一つ目は「複数の投資先に分散する」です。別の業界の株に投資するなどして投資先を分散することで全体の値動きのブレを小さくすることができ、リスクを軽減することができます。

 二つ目は「何度か分けて買う」です。何度かに分けて買うことでいろいろな価格で買うことができるため、リスクを軽減することができます。

 三つ目は「長期で取り組む」です。長いスパンで見て、いったん値下がりして値が元に戻るまで待てば、リスクを軽減することができます。

 このようなことを意識しつつ、投資に向き合っていきましょう。


■まとめ

いかがでしたでしょうか。もっと詳しく知りたいというかは、下記のリンクから購入を検討してみてください。




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