見出し画像

【本要約】『東大生が学んでいる 一生役立つ株の教科書』

 今回は伊藤潤一著『東大生が学んでいる 一生役立つ株の教科書』を紹介します。

 詳しい理由は後で述べますが、これからの時代、株についての知識がないと厳しい時代になっていきます。これからを生きていくために、株に関する知識はとても大切なのです。

 そんな株について、詳しく見ていきましょう!


■株を学ばなければいけない理由

 なぜ株について学ばなければいけないのか。これは日本の人口減が関わっています。

 2021年7月時点の総人口は1億2536万人ですが、この数字はどんどん減少していきます。国立社会保険・人口問題研究所というところがだしている「日本の将来推計人口」によると、2053年には1億人を割り込み、2063年には9000万人を割り込むと予想されています。

 日本経済が生み出す付加価値をGDPに置き換えると、

 GDP=人口×1人あたりのGDP

という計算式になるので、1人あたりのGDPが変わらないとすると、人口が減れば、全体のGDPも減ってしまうのです。

 つまり日本全体で見れば、中長期的な経済成長は良くて横ばい、悪ければマイナスが続く恐れがあるのです。

 そうなると、あなたがこれから一生懸命働いたとしても、生活水準がなかなか向上しないということになります。

 ではどうすれば良いのでしょうか。そこで出てくるのが株式投資です。

 確かに日本全体の経済成長は良くて横ばいかもしれませんが、一つ一つの企業で見れば、成長していく企業もあります。そんな成長している企業が発行している株式に投資して、その利益成長を自分の懐に取り込んでしまいましょう。

 株式投資のスキルは、経済成長なき時代を生き抜いていくうえで必要不可欠な知識なのです。


■株式市場は不公平

 ここまで株式投資のスキルがいかに大切か見てきました。ここからは株式投資を行う上で知っておくべきことを解説します。

 あなたは「情報の非対称性」という言葉をご存じですか?「情報の非対称性」とは、一方では伝わっている情報が他方では伝わっていないなど、取引の参加者が持っている情報に差があることを指す言葉です。

 そして、その情報格差は確実に取引の有利・不利を分けます。たとえば、新製品の先行きを人より先に見極めることができたらどうでしょうか。多くの人は新製品が売れているという情報を知ってから、急いで株を買うわけですから、実はその新製品の売れ行きが予想より良さそうだという話を聞いていれば、多くの利益を得ることができるわけです。

 このように情報格差は取引の有利・不利を分けます。そしてここが大切なのですが、プロの投資家と私たちアマチュアの投資家の間には、この情報格差があるのです。

 つまり、プロの投資家が投資している場所で私たちが投資をしても、私たちが勝つことは基本的に出来ないのです。

 ではどうすれば良いのでしょうか。答えは単純。プロの投資家が入り込めない分野で投資を行えばよいのです。


■プロの投資家に勝てるフィールド

 先ほど「プロの投資家が入り込めない分野で投資を行えばよい」とお伝えしました。しかし「そんな分野あるの?」と感じられた方もいらっしゃると思います。ですがこれがあるのです。

 実はプロの投資家が見ている企業の数は多くありません。具体的に言うと、東京証券取引所に上場している企業の数は、全部で3787社ありますが、このうちプロの投資家が投資している企業は、800社に満たないほどです。

 なぜこんなにも少ないのでしょうか。それはプロの投資家が運用している資金額が関係しています。プロの投資家はいろいろな人からお金を集めて投資を行っているため、運用している資金はかなり大きいです。

 たとえば、1000億円の資産を運用しているプロの投資家が時価総額100億円しかない企業に投資したとしましょう。仮に1000億円の資金のうち5%(50億円)を投資して、その企業の株式を購入したらどうなるでしょうか。

 この会社が発行している株式の半分を抑えることになってしまいますし、このぐらいの買いを進めると、自分の買いによって株価を暴騰させてしまいます。

 なので、プロの投資家は時価総額の小さい企業には投資をしないのです。具体的に言うと時価総額1000億円以上の企業がプロの投資家の投資対象の中心になります。時価総額500億円にも満たないような企業には、基本的に投資しないのです。

 つまり私たちアマチュア投資家は、時価総額500億円未満、より安全を期すのであれば200億円未満という小さな規模の企業を丹念に調べて、将来が有望なところを探して投資すれば、十分に勝機があるのです。


■プロが投資しない商品

 ここまで株式投資について見てきましたが、投資商品は株式以外にも債券や外国為替、コモディティ(金・プラチナなど)、暗号資産、不動産投資などがあります。

 しかしこの中の多くの商品は、プロの投資家が投資しない商品です。具体的に言うと、外国為替、コモディティ(金・プラチナなど)、暗号資産、にプロの投資家は投資しません。

 なぜこれらに投資しないのでしょうか。外国為替、コモディティ、暗号資産に共通して言えるのは、価値の見積もり方がわからないということです。なぜそれがその値段で取引されているのか、はっきりとわからないのです。

 そのためこれらへの投資はギャンブル要素が強く、プロの投資家は手を出さないのです。

 また不動産投資についても、個人にはおすすめしません。不動産投資は価値は計算できるのですが、プロを相手に個人が勝てる分野ではないですし、多額の資金が必要になるのもネックです。

 価値を計算することができない外国為替、コモディティ、暗号資産や、プロに勝つことができない不動産投資は避けるようにしましょう。


■まとめ

 いかがだったでしょうか。より詳しく知りたいという方は、ぜひ以下のリンクからご購入ください。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?