【本要約】『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』
今回は山崎俊輔著『普通の会社員でもできる 日本版FIRE超入門』を紹介します。
FIREとは「Financial Independence, Retire Early」の略で、日本語に訳すと「経済的な独立と早期退職」という意味になります。
このFIREのトレンドはアメリカで広まったため、FIREに関する書籍はアメリカを基準に書かれていることが多いです。
そんな中、本書は「日本版FIRE超入門」ということで、日本向けに書かれたおそらく初めてのFIRE本になります。
日本人が投資を考える場合、どういったものを活用すればよいかということも紹介しますので、是非ご覧ください。
■FIRE実現のための3つの合わせ技
私たちの家計は「稼ぐ」→「使う」→「差額を貯める」という流れを繰り返します。FIREを目指していない人でもこれは同じですが、FIREを目指すのであれば、この流れをより良くしなければなりません。
つまり「年収をもっと増やす」「ムダな支出を減らす」「できるだけ高利回りで回す」ということを考えていく必要があります。そしてこの3つは必ず合わせ技で取り組む必要があります。どれか一つをやれば良いというわけではありません。
それではこれらにどう取り組んでいけば良いのでしょうか?順に見ていきましょう
■年収を上げる王道
まずは「年収をもっと増やす」方法から見ていきましょう。年収を増やす方法は以下の3つが考えられます。
・長い時間働く
・副業を行う
・時給を高める(専門性を高める)
「長い時間働く」というのは年齢を重ねても働くという意味で、65歳、70歳を過ぎても働き続けるということです。そうすれば生涯年収を増やすことができます。しかし、FIREを目指すのであれば、この選択肢は避けたいところです。
「副業を行う」も年収を上げる一つの方法です。副業がいいのは、本業と別のラインの収入を得ることができるということです。本業の景気が悪化し、ボーナスが減ったとしても、副業からの収入があれば安定します。
とはいえ副業を行うにしても時間的制限があるでしょう。また副業は本業よりも収入が少ないため「副」業なわけで、ここに力を入れすぎるわけにもいきません。
メインの収入は本業なわけですから、本業をおろそかにすることはできません。FIREを実現するためには本業でより稼ぐ必要があります。
本業でより稼ぐために「時給を高める(専門性を高める)」ことを意識しましょう。同じ労働時間で年収400万円から600万円に増えるということは、自分の時給が50%アップしたということになります。
本業で時給が上がるということは、何らかの理由が必要です。あなたの専門性が高まっていることが評価されるなどの理由があってこそ、年収が上がります。
会社によっては、資格を取ることで昇給することができます。ぜひご自身の会社の賃金規定をチェックしてみて下さい。資格を取ることで昇給できるのであれば、積極的に資格を取りましょう。
またそうやって専門性を高め、スキルアップすれば転職も行いやすくなります。転職は一気に年収を高める力を秘めています。転職サイトなどを見ながら、良縁があれば積極的に転職しましょう。
■節約はまず固定費から
年収が増えたとしても、増えた分だけ使っていてはFIREは実現しません。そのため「ムダな支出を減らす」、つまり節約が大切になります。
節約はまず「固定費」の見直しから行いましょう。「固定費」とは通信費や水道光熱費など、毎月のように自動的に引き落とされるタイプの支出を指します。
固定費を削る最大のメリットは、一度固定費を削ることに成功すれば、その効果が継続するということです。
まずは「家計の10%ダウン」を目標に固定費を見直しましょう。割安プランに乗り換えたり、思い切って解約すれば10%ダウンは達成できます。
10%ダウンを達成することができれば、貯蓄力は大きく飛躍します。ムダなものに毎月支払っていないか、他の割安プランに乗り換えることができないか、ぜひ検討してみてください。
■バランス型ファンドを活用せよ!
年収を増やすことや、節約することも大切ですが、お金を「できるだけ高利回りで回す」、つまり投資をして資産を増やすことも大切です。
FIREを目指すとき、どのような投資を行えばよいか意見が分かれるところですが、多くの場合インデックスファンドに投資することを良しとします。本書もこの考え方に賛同しています。
インデックスファンドとは、株が詰め込まれた一つの袋のようなもので、この袋を一つ買うだけで、中に入っている株すべてに分散投資をすることができます。
ちなみに分散投資はとても大切です。一つのところに集中して投資してしまうと、そこで何かがあったときに大きく資産を減らすことになってしまいます。いろいろなところに投資を行う分散投資であれば、こういったリスクを低減できます。
インデックス投資の最大のメリットは、運用の負担とコストを下げられることです。
いい会社、悪い会社を選び抜くのは大変な負担ですが、インデックス投資は「日本株まるごと」とは「世界株まるごと」といったように買う仕組みなので簡単です。
またインデックス投資はとても低コストなのもいいところで、今では資産額の0.2%くらいで運用を任せることができます。これは20年前の価格から考えると70%~80%ほど値下がりしているほどです。
また、バランス型ファンドという仕組みも覚えておくと、運用の負担が減ります。これはひとつのインデックスファンドが「日本株」「外国株」「新興国株」「日本債券」「外国債券」「国内不動産」「外国不動産」のようにいろんな対象をカバーしてくれるものです。
つまり、いろいろなところに投資しなくても、バランス型ファンド一つに投資するだけで分散投資を行ってくれるのです。
日本人がインデックス投資で世界中に分散投資を考える場合、基本的には「バランス型ファンド」を活用するのがよいでしょう。
■まとめ
いかがだったでしょうか。より詳しく知りたいという方は、ぜひ以下のリンクからご購入ください。
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