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はじまり

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超短編。全5話 毒親・虐待サバイバーの半生記。
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#人間

サンクチュアリ

サバイバーとして生き残った理由の一つ。 それは、私に「聖域」と呼べる居場所があったからだろう。 「仏壇」だ 先祖代々とか檀家とかそういうものではない。 一応、両親は宗教団体に属していたが活動なるものはしていなかった。 強制されたわけでないが、幼い私には心落ち着く唯一の場所だった。 神社・仏閣ではなく、家にある仏壇の曼陀羅に惹かれた。 墨で書かれた大小の文字が躍っているように私には見えた。 そこだけ空気が違うのだ。 人類に救いを求めることはできなかった。 血のつながった親

異常という日常

父親は嫌いだ。 母親はもっと嫌いだ。 勝手に生んで、 勝手にこの世の中に「私」という人間を登場させた親に感謝などするはずもない。 こんなことをどこかで誰かが言っていた。 「親も完全じゃないから」 だれも「完全」を求めていない。 寄り添ってくれる人間を求めている。 それが、この世で親が子供にはたすべき役割だと思っている。 親が「友達」になるのもおかしい。 その名は、子供と共に成長した親が後々獲得する別名だ。 聞いた話。 両親ともにいるからいいじゃないか。 うちは父親が早く