臨床推論 Case130
Asian Spine J. 2013 Jun;7(2):131-5.
PMID:23741522
【症例】
23歳 女性
【主訴】
腰痛
【現病歴】
⚫︎ 夜間に突然発症した背部痛のため受診された
⚫︎ 背部痛の既往はなく、過度な運動や外傷歴はない
⚫︎ しびれ、脱力はない
【現症】
⚫︎ 診察:痛みで背部の運動制限あり それ以外は特記すべき異常なし
神経学的異常なし
⚫︎ MRI施行したところ以下の画像であった
What’s your diagnosis ?
【診断】
急性のSchmorl結節による背部痛
【経過】
⚫︎ T2で大きいSchmorl結節あり周囲は浮腫を反映してhigh呈している
T1は骨浮腫を反映してlowになっている
⚫︎ 鎮痛剤と安静で2週間ほどで元通りまで改善した
【考察】
⚫︎ ざっくり言うとSchmorl結節は椎間板成分が椎体に1方向に飛び出している状態である
⚫︎ 急性ではないScmorl結節はcommonで男性優位に多く、38-75%で見られる
⚫︎ Xp、CT、骨シンチでも見れる
⚫︎ CTでも綺麗に見れる画像(Intern Med 63: 759-760, 2024)
⚫︎ しかし症状があるか、急性かどうかはMRIじゃないと拾えない
⚫︎ 結節が骨硬化、線維化変化などでうつり方が変わる
⚫︎ 最初の報告は1988年でXpで3.6%のみ、CTで5.6%、MRIでは33%もみれる
⚫︎ 結節は通常無症状であるが背部痛ありなしの患者のMRIを施行したところ、
結節は背部痛あり19%、背部痛なし9%と差を認めた
⚫︎ したがって急性の変化では接してる椎体が浮腫、硬化をおこし椎間板の方にも影響しうる
⚫︎ これらの変化は無症状では起きていない
⚫︎ この炎症性変化は3-12ヶ月持続する
⚫︎ Schmorl結節は造影MRIが役立つかもしれない
⚫︎ 結節は悪性腫瘍や感染の過程で生じることがある
⚫︎ そのため結節の構造やdiskの終板の欠損がないかチェックする
⚫︎ 部位は色々な報告がありL1が多いというのもあればL2、L3、T1が多いという報告もある
⚫︎ 基本は保存的でOK
⚫︎ しかし痛みが強すぎて手術になった報告もあり(Spinal Cord (2004) 42, 124–128 )
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