臨床推論 Case119
Korean J Urol. 2010 Mar;51(3):216-8.
PMID:20414401
【症例】
72歳 女性
【主訴】
右側腹部痛
【現病歴】
⚫︎ 2日前から右側腹部が痛すぎるため受診された
⚫︎ 微熱、嘔吐、尿量低下も認めていた
⚫︎ もともと左腎臓は廃絶しており、ベースのCr2.0mg/dLであった
【現症】
⚫︎ バイタル:BP 130/70mmHg BT 37.2℃
⚫︎ 診察:左CVA叩打痛陽性
⚫︎ 血液:WBC 12700 Cr 5.8mg/dL 血糖102mg/dL
⚫︎ 尿検査:血尿・タンパク尿あり
⚫︎ CT:左肺は萎縮している 右は水腎症で7cmのダンベル状の構造物が拡張した尿管にあり
【経過①】
⚫︎ 尿管結石と考え右腎臓にカテーテルを留置した
⚫︎ Xp透視では石は写らず、Xpでは写らないタイプの石と考えられた
⚫︎ ドレナージされた尿の培養からはE.fecalisが検出された
⚫︎ 入院2週間にCr2.2mg/dLまで改善した
⚫︎ 尿管鏡では黄色の石っぽいものが見えており、破砕術を施行したが砕けず、内視鏡で抜去することができなかった
⚫︎ そのため腎盂切開術を施行し、ダンベル状構造物を回収した
⚫︎ 構造物を解析したところ以下の通り
What’s your diagnosis ?
【診断】
Aspergillus speciesによる尿路真菌球症
【経過②】
⚫︎ イトラコナゾールで治療したところ再発なく安定して経過している
【考察】
⚫︎ fungal bezoarsはほとんどがカンジダでありアスペルギルスの報告はレアである
⚫︎ 背景として尿アスペルギルス症は糖尿病や免疫抑制状態、抗生剤、癌、IVドラッグに多い
⚫︎ 今回は腎機能低下以外の背景疾患はない
⚫︎ 今回は尿管結石による閉塞性腎盂腎炎と間違われた
⚫︎ XPでは報告あるものすべて写っていない
⚫︎ 画像は非特異的で判断つかない 以下のものは全部カンジダ
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