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7月~8月の読書 「百年の孤独」他

中小企業診断士の さた です。
しばらく中断していた読書記録につき、7月~8月に読んだ本について書きたいと思います。
今回はエンタメ系小説が中心です。


ひなた商店街(山本甲士)

夢破れて故郷に戻った中年の元アクション俳優は、寂れた商店会のおでん屋に勤めだすが、その店も先行きはおぼつかない。そんな中、知り合った変な女子大生からそそのかされて忍者衣装と侍言葉で動画を撮られると予想外に注目を浴びる。地元テレビの食レポを受けますます人気も高まるが、一方市の商店街跡地再開発計画もあり存続の危機にさらされる、、というのが大まかなストーリーです。
全体に地道に頑張る商店街を応援する話になっており、安心して読み進められますが、新しい感覚を持った若い人達のアイディアにあえて道化のように乗っかる主人公や地元住民の素直さがうまく組み合わさった話であり、昔の成功体験や、一度決めた方針に拘るのではなく、若い人達を主人公にしてそれを支援する形が良かったのでは、、とフィクションの世界ですが思わされました。

この世にたやすい仕事はない(津村記久子)

前職でのストレスに耐えかねた主人公は、職安の相談員から不思議でニッチな仕事を紹介される。それぞれで評価される仕事を行うもなぜそれぞれに居場所の悪さを感じ、短期で職を変えていく話。
といっても悲壮感はなく、職安で次々と主人公の望むニッチで不思議な仕事を次々と現れそれだけでも面白いのですが、全体的にふわっとした話の流れでそれなりに楽しめました。

百年の孤独(ガブリエル・ガルシア=マルケス)

もう数年以上も前、同じ作者の「族長の夜」という作品を読み、展開の奇抜さと表現のおぞましさに頭がくらくらしてしまったのですが、今回はこの作者の大ヒット作であり、また文庫版により話題となった(今月 日経新聞でも取り上げられていた)この本をさっそく購入しました。
上記「族長の夜」よりは読みやすいとはいえ、話の展開があちこちに飛びまくり、かつ何代も同じ名前が受け継がれる家族の話故、常に冒頭の家系図と見比べないと話についていけなくなりながら、それでも3日ほどで読了しました。
「百年の孤独」といえば、フルーティーな香りと濃厚な味の焼酎のブランドとして有名ですが(多分この作品から取られたのでしょう)この本は覚悟して読まないときつい香りと苦い後味のエンディングを迎える事になります。(了)

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