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スラムダンクの映画の良さを共有したい

昨日スラムダンクの映画『THE FIRST SLAM DANK』を観てきたので感想。以下ネタバレ注意。

結論から言うと、めちゃくちゃ良かった。

まず、オープンニングで湘北スタメンが出てきて、その直後に山王スタメンがバッと出てくる瞬間にもう大興奮だった。山王戦キター!!!
そこからのいきなり試合開始も、当初の尺的な懸念に対するアンサーとして全然承知して見始めることができた。

試合が始まり、第一に作画が素晴らしく、まさに原作通りで、CGの動きも違和感なく、バスケのインターハイが再現されている感じ。最高すぎて、やはり大興奮。
原作でのセリフや心理描写が目線と表情に凝縮され、この映画では山王戦のリアルな再現が見られると確信する。
試合前の宮城のバックストーリーも特に違和感なく、山王戦の再現の中に宮城の回想を繰り返すことで一本の映画として仕上げるつもりなのだと承知する。

そこからしばらくは前半序盤のリアルな再現を堪能。深津のディフェンスのプレッシャーは漫画を超えたリアリティと言っていいくらいで、私もよくインターハイやウインターカップを観戦するが、深津自身の再現というより、まさに高校生最強ガードのディフェンスが再現されているといった印象。素晴らしい。三井の右手のスナップとかも本当に綺麗で、映像で見れることにただただ感動。沢北のトン、と視野を落とした瞬間のドライブもしっかり再現されてた!そう、トンとか、勝手に頭で再生しちゃえて、高い再現度の映像と繰り返し読んだ漫画がシンクロしていく感覚は、とんでもない快楽だと思います!

で、話の流れの中でふわっと前半終了。心配していた尺の問題は前半の大幅カットで実現するのだとわかる。後半に凝縮してくれると理解し、これも全然承知できる。

ここからは宮城の回想と試合がそこそこの頻度で繰り返される。ここは賛否両論あるようだが、私は割とベストな構成だったのではと思っていて、回想シーンがこれまでのスラムダンクとは全く独立したバックストーリーであれば、山王戦を中断するノイズになったかもしれないが、ところどころに三井との関係や赤木との関係が見えたりして、一方で、あくまで回想のメインは宮城を本映画の主人公たらしめるための内容にしていて、このバランスが最善と井上氏が考えたことに十分頷けた。これ以上原作との関連を強めれば、映画の構成として違和感やこじ付けを強く感じただろう。
私が回想で特に気に入ったのは、中学生と思われる三井との絡みのところで、原作では宮城が三井の歯を折るまで執拗に三井だけを狙って殴った、と言われるシーンがあって、なんで三井だけ狙ったのかはそこまで掘り下げられていなかったと記憶しているが、今回の回想によって、宮城の「なんであんたがバスケ辞めてこんなんになってんだよ!」みたいな強い動機が見えたように思い、私は結構納得した。原作にこれがなかったら、映画制作に当たって急遽三井と昔から知り合いだったことにしました感が出て、興醒めだったかもしれない。

話を試合の方に戻す。
山王戦は湘北メンバーのそれぞれが何かを乗り越えていく話でもあるので、それも一通りは触られていて、三井や赤木のところは尺的にちょっと不足感があったけれど、原作を読んでいたら補えるレベルだったし、試合のスピード感も相俟ってそこまで気にならずに済んだ。でも私は三井推しなので、「君はもう十分あの頃を超えているよ」が見れなくて、ちょっとだけ残念😢

とにかく試合の良さは、素晴らしいリアリティで山王戦を再現してくれていることにあり、後半直後の沢北のコーナースリーのフォロースルーがまだ目に残ってるし、桜木の何度でも跳べる瞬発力で野辺を置き去りにする感じとか凄く良かったし、ゾーンプレスしてボール取って深津のビハインドパスからの沢北とか、ああいうシーンがまだ目に焼きついている。ブロックが飛んだ瞬間のビハインドパスは漫画で表現できない滑らかさがあった!好きすぎる!あと終始深津のディフェンスがエグすぎる。あんなのされたら運べないでしょと思わせられる。

一点だけ気になってしまった点があるとすれば、桜木が机に乗って「ヤマオーは俺が倒す」宣言するところで、映画を通してこのシーンだけ唯一、声優の違いを意識させられてしまった。他のところは全然気にならなかったけど、セリフが長いからなのか、ここだけどうしても…でもアニメ放送当時から時間も経ってるので、これは仕方ないかな。

試合の終盤は本当にいろいろ凝縮されていた。特に流川!
沢北のお父さんは出てこないけど、流川が笑う瞬間を堂本が見ていたところとか、三井が「もう腕も上がらねーのによ」と言って松本が(やっぱりもう限界はとっくに)と思ってるところを流川が一瞬見てるところとか、桜木の怪我に流川が最初に気づいているところとか…。
ひとつ忘れてるぜ、は本当に好き。スクープシュートも、(この男底が知れん)って思ってるゴリのデカイ顔が脳再再生されましたわ😌

そして私がこの映画で唯一泣いてしまったのが、フリースローもらったゴリの元に桜木がふらふら歩いて行って倒れそうになるシーンで、あそこから「指導者失格です」までの流れは本当に泣いてしまった。シュートの練習は楽しかった、とか、失われていくのもまた早い、とか頭に浮かんできて、感情が溢れてしまった。

そして三井フリースロー後からの怒涛の展開。余計な音が消えて、桜木ルーズボール飛び込みからの流川が深津にワンドリで詰めてシュート、逆転、直後の、深津、河田、沢北のあの表情。堂本のタイムアウト申請とキャンセル。沢北の流川と赤城のブロックを交わすキレッキレジャンプシュート、再逆転。からの走ってる桜木と、直後の、河田、沢北のあの戻り。ゴリのどうしようという表情と、深津の激しいディナイを受ける宮城の視線、流川、とんでもないスピード感で進む流川、河田の又通しーー。

ラストシーン。


ほんとに大満足でした。ここまでで映画は終わりで宮城を主人公にした映画であるためこの後いくらかのシーンがあるけれど、そこは消化という感じであまり気にせず、というか山王戦の余韻に浸っているので気にしていられない!


そんな感じで、とにかく山王戦の再現が素晴らしく、バックストーリもきちんと考えられている最高の映画でした!山王戦が好きな人はほんとにおすすめしたい作品です!!

私も昨日一度見たばかりで語りきれてないところもあるので、もう一度観たいなあと思います。


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