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脳活動の変化から見る「化粧療法」の効果

化粧というのは活力を引き起こすことがいくつかの研究で示されています。実際、世の中には化粧療法というものが存在し、認知症患者や鬱病患者に行われることがあるようです。今回取り上げる論文は、その化粧療法によって引き起こされる脳活動の変化について調べたものになります。

近赤外分光法を用いた「美容療法」の評価
Evaluating “Cosmetic Therapy” by Using Near-Infrared Spectroscopy

この実験では22名の女性(平均年齢52.0±10.5歳)を対象に化粧を行わせ、化粧前の顔と化粧後の顔を見せた時の脳血流量の変化をfNIRSを使用して調べています。
また被験者は活気が高いものと低いものに分けて比べられました。

結果として、全体的に前頭部の脳血流量が増えたのですが、その効果は活気がないものの方が高かったことが示されています。

Ikeuchi et al., 2014, Figue 7

その理由として、一般に抑うつ症状では前頭前野の活動量が低下しており、その分化粧によって引き起こされる変化も大きかったのではないかと述べられています。

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