見出し画像

顧客とのラポールは顧客行動を変えるか?

ラポールというのは互いの信頼関係を意味します。信頼関係があるところではコミュニケーションもスムーズにいきますし、営業でも契約に繋がりやすくなるのはイメージできるかと思います。

今回取り上げる論文は、顧客とのラポールが顧客行動にどのような影響を及ぼすかについて調べたものになります。

Customer-employee rapport in service relationships
サービス関係における顧客と従業員の信頼関係

実験では銀行と歯科クリニックの従業員と顧客を対象にラポールの評価をさせ、顧客行動との関連について調べています。ちなみにラポール評価尺度は以下に示すように、1)楽しい相互作用、と2)個人的なつながり、の二代項目に分けて7段階評価を行っています。

楽しい相互作用 (6項目):

  1. この従業員とのやり取りを楽しんでいる。

  2. この従業員は私たちの関係に「温かみ」を感じさせてくれる。

  3. この従業員は私とうまく関わってくれる。

  4. この従業員とは調和のとれた関係にある。

  5. この従業員はユーモアのセンスがある。

  6. この従業員とのやり取りに心地よさを感じる。

個人的な結びつき (5項目):

  1. この従業員と自分の間に「絆」を感じる。

  2. 銀行を訪れる時、この従業員に会えるのを楽しみにしている。

  3. この従業員のことを強く気にかけている。

  4. この従業員は私に個人的な興味を持ってくれている。

  5. この従業員と親密な関係にある。

結果として、総じて銀行サンプルでは楽しい相互作用と個人的な結びつきの両方が顧客行動を良い方へ向かわせ、歯科サンプルでは楽しい相互作用が良い方へ向かわせることが示されています。


Gremler & Gwinner, 2000、 figure 2を参考に筆者作成


明日読む論文:
Development and validation of a measure of leader rapport management: the LRM scale
リーダーの信頼 関係管理の尺度の開発と検証: LRMスケール

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?