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ラポールとはどのように定義できるのか?

ラポールというのは単に信頼性を構築するという意味だと思っていたのですが、実はその定義は定まっていないところがあるようです。

ラポールの定義が難しいと思われる理由と、その課題に対して何をすべきか
Why Rapport Seems Challenging to Define and What to do About the Challenge

この論文によると、ラポールは文献により定義が様々であることが紹介されいます。以下に具体的なものを示します。

  • "調和的、共感的、あるいは相手との同情的な関係性または関連性" (Nahouli et al., 2022)

  • "相互の注意、肯定性、行動の調整から成る対人レベルの構成概念" (Novotny et al., 2021)

  • "面接官と被面接者の間の対人的信頼の確立で、尊重、理解、受容を伝える" (Tamm et al., 2021)

  • "一般に肯定的な交流で、互いの配慮に注意を払い、尊重と信頼が重要視される" (Brimbal et al., 2021)

  • "生産的な関係性を作り出し、協力と尊重に基づき、被面接者の不安を最小限に抑える" (Marin & Gabbert, 2022)

  • "一時的な作業関係で、容疑者に有罪となる情報を開示させるために、面接官が戦略的に構築する" (Crough et al., 2022)

  • "面接官と被面接者の間の主観的な体験" (Foster et al., 2022)

  • "肯定的な相互作用を促進するために、ラポール形成行動を意図的に使うこと" (Gabbert et al., 2021)

  • "相互理解、目標、ニーズに基づく作業関係の構築" (Hoekstra & Verhoeven, 2021)

このように、肯定性、相互性、コミュニケーション、成果、信頼、尊重などの属性を異なる組み合わせで強調されており、ラポールの定義が研究者間で大きく異なることが示されています。

明日読む論文:
The Development Of The Rapport Scales For Investigative Interviews And Interrogations, Observer Version (RS3i-O) Interviews And Interrogations, Observer Version (RS3i-O)
捜査面接および尋問のためのラポールスケール(RS3i)、面接対象者バージョンの開発


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