トキソプラズマ感染はマゾヒズムへの興味を高める?
トキソプラズマは猫を中間宿主とする寄生虫ですが、飼い主の性格を変化させることが報告されています。今回取り上げる論文は、この寄生虫がヒトのマゾヒズム傾向に影響する可能性を示したものになります。
この研究では、36,564人の被験者(トキソプラズマ非感染者5,087人、感染者741人)を対象に、700項目以上の性行動に関する質問を行い、マゾヒズムとトキソプラズマ感染症の関係について調べています。
結果としては以下のことが示されました。
女性で「暴力による興奮」、男性で「服従とマゾヒズムによる興奮」などの因子がトキソプラズマ感染と正の相関を示した。
しかし「性的支配とサディズム」は感染者で低い傾向
感染者はSMセックスを実際に行う頻度は非感染者と比較して低い。
つまりマゾヒズムへの欲求は強くなるものの、実際に行うことは少ないという矛盾した傾向が示されています。
Q: マゾヒズムは進化心理学的にどう説明できるか?
明日読む論文:
服従、痛み、快楽: 性的マゾヒズムに関する進化仮説を考察します。
Submission, pain and pleasure: Considering an evolutionary hypothesis concerning sexual masochism.
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