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取り調べにおけるラポール評価尺度とは?

昭和の刑事ドラマでは容疑者にカツ丼を食べさせラポールを取るような場面がありましたが、実際操作におけるラポールはどのように評価できるのでしょうか。

今回取り上げる論文は、取り調べにおけるラポール評価を作成・検討したものです。

The Development Of The Rapport Scales For Investigative Interviews And Interrogations, Observer Version (RS3i-O) Interviews And Interrogations, Observer Version (RS3i-O)
捜査面接および尋問のためのラポールスケール(RS3i)、面接対象者バージョンの開発

この研究では大学生を対象にいくつかの条件で模擬的に取り調べ捜査を行い、ラポール評価をさせています。

ラポール評価で用いられた項目は以下の9項目となります。各項目は「全くあてはまらない」(0)から「非常によくあてはまる」(6)の7件法で評定されます。下位尺度ごとに項目の平均値を算出し、尺度得点とします。注意と協調性は得点が高いほどラポールが高いことを意味しますが、イライラ感は得点が低いほどラポールが高いことを意味します。採点は※印は逆転項目となります。

注意

  1. 関与- 面接官は面接の結果を気にかけているように見えましたか?

  2. 情報提供者に集中- 面接官は面接全体を通して情報提供者に注意を向けていましたか?

  3. 退屈- 面接官は面接中退屈そうに見えましたか?※

イライラ感

4. 欲求不満 - 面接官は情報提供者やその発言にいらだっているように見えましたか?
5. 攻撃的- 面接官は攻撃的、敵対的、または脅迫的に見えましたか?
6. リラックス- 面接官は落ち着いていて、くつろいでいるように見えましたか?※

協調性

7. 協力的- 面接官と情報提供者はどの程度お互いに協力していましたか?二人は同じ目標に向かって一緒に取り組んでいましたか?
8. 意思疎通- 面接官と情報提供者は効果的にコミュニケーションをとっていましたか?二人は会話の中で開放的で率直でしたか?
9. 期待の共有- 面接官と情報提供者は「同じ波長」でしたか?二人はお互いや面接に何を期待しているか分かっていましたか?


ちなみに平均点と標準偏差は以下の通りとなっています。

注意:4.34±0.66
イライラ:1.65±1.61
協調性: 3.72±0.93

これは捜査についてのものですが、概念的には他の面接場面でも応用が聞くのかなと思いました。

明日読む論文
交渉における信頼関係: 口頭チャネルの貢献
Rapport in negotiation: The contribution of the verbal channel


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