経済産業省のデジタルスキル標準を読み解いてみた


2023年1月17日に経済産業省が2022年12月に出した、「デジタルスキル標準」を読み解く会をyoutubeliveでやってみました。

■URL https://www.youtube.com/watch?v=pTul_3lhhHM&ab_channel=kiyogon

■資料の存在意義


まあ、こういう国が作った資料って、自分の会社だったり、お客さんに説明するための「根拠」となり得るので、どんなことが書いてあるのかを理解しておくのは結構大事だったりします。

■資料を読んだ感想


さて。

LIVEでも話してましたけど・・・・

なかなかにひどい・・・・

おそらく資料を作ったのは、

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_01_00.pdf

この「デジタル時代の人材政策に関する検討会」に参加しているコンサル会社のどこかだと思うんだけど・・・
座長のNTTデータ経営研究所なのか、事務局のみずほ情報総研なのか、
随分な資料作りますね。

おそらくこの資料を作ったのは、いわゆるアソシエイト、みたいなコンサルの赤ちゃんみたいな人ですね、社会人2〜3年めくらい。
そして、この資料をレビューしたのは、システム開発のこと知らない人です。

■資料を作成したのが赤ちゃんである理由


その根拠は、
1. 無駄に長い
2. 何を伝えたいのか、何を言いたいかわからない
3. ふわっとしてる。具体的なことが書かれていない。

さて、それぞれを説明しよう。

1. 無駄に長い

最初のこれ見ただけで読むのやめそうになりましたよ、ええ。
一人だったら間違いなくここで終わってた。
そういう意味ではLIVEでやってよかったのかもしれないけど・・・

しかもこれ、無駄に140ページもあるんですよ、
誰が読むんですかね、これ・・・


2. 何を伝えたいのか、何を言いたいかわからない

さて、文章が長くても、内容が濃くて伝わるのあればそれでいいです。
が。
いやあ、しんどい。
最初の1ページをがんばって、要約するとこうですよ。

背景:データを活用した産業革命が起こっており、競争優位を確立するためには、データを活用したDX化の実現が重要。しかし、DX人材が不足しており、日本企業は海外に遅れをとっている。
目標:DX人材の確保・教育をするために、デジタルスキル標準を策定する。
   ・すべてのビジネスパーソンが身につけるべきDXリテラシー標準
   ・DXを推進する人のスキル標準
   デジタルスキル標準は汎用性をもたせた表現になっているので、具体化は自分たちでがんばってやってね。

1文が長くて、せっかくカテゴリごとに分けてるのに、頭に入ってこないんよ。。。
これさあ、コンサル会社の人、水増しするためにこんな事やってないですか?一文字いくらなのか1ページいくらで書いてるんでしょうか・・・。

3. ふわっとしてる。具体的なことが書かれていない。

「汎用性をもたせた表現」を目指してるのはわかるんだけど、具体例がいくつかあってもよくない?
これって、DXに詳しくない人が読むんだよね?そういう人たちが読んで、「DXってこうなんだぁ、すごいなぁ」ってイメージできるものであるべきだよね?

で、これは、具体的なことを書かないのではなく、
「具体的なことを書けなかった」んだと思いました。
まあ、つまり社会時経験がうすい人が、教科書的な知識でがんばって作ったんだろうな、と。

■というわけで、デジタルスキル標準についてまとめると


経済産業省が作った「デジタルスキル標準」は、
コンサル会社のペーペーが、ページ数を伸ばしてコンサル料金を取るために作成した資料、ですね。
うーん、お金も新人の貴重な労力も使って、このアウトプットじゃあ、ゴミですよ。もったいない・・・。

■ディスってばっかじゃアレなんで
「ボクの考えるデジタルスキル標準」を書いてみよう!


■すべてのビジネスパーソンが身につけるべきDXリテラシー標準

これはとってもかんたん!
システム開発者(デジタルスキル標準でいうDXを推進する人)の苦しみを理解していること!です!

・パソコンで何かあったら質問がくる
・夜間対応しても残業もつかないし褒められもしない(けなされる)
・システム開発は、ある程度のtry&errorが必要
・みんながんばってる

なので、すべてのビジネスパーソンはシステム開発・運用を1〜2年はやるべきだと思うね。優秀な人はやらなくても理解はできると思う。

■DXを推進する人のスキル標準

さて、次だけど、まずは、経済産業省の考えるDX推進スキル標準から:

うーん、まず、気になるのは、ITアーキテクトみたいなのはどこにいるのかな
あと、データサイエンティストがでっかいカテゴリになってるのはなんだ?
無理やり今の時流にノッてるぜと、強調してる感。

俺が分けるならこうだね!


  1. 読む、書く、伝える力

  2. ビジネスアーキテクト

  3. ITアーキテクト/インフラ/システム運用

  4. ソフトウェア・エンジニア

  5. セキュリティ


細かく書くと・・・


1.読む、書く、伝える力
この経済産業省の「書く力、伝える力」がない資料読んだらわかるとおもうけど、書く力/伝える力は重要でしょ!みんなこのスキル必要だよ!
もちろん人が読んだ文章を読んで、要点をすばやく理解するスキルも必要。
リモートワークが当たり前になっていく世の中、チャットでコミュニケーションするのにも、この読む、書く、伝える力は、超重要スキルだからね。

どう鍛えるか? 読む、書く、伝える しかない。
本を読んでノートにアウトプットしたり、社内の勉強会で人に伝えるなど、
インプットとアウトプットをやっていこう。
これは、経験でうまくなる。頭の良さではなく誰でも伸ばせるところだから、ぜひやろう! 廃ツイッタらーになるのでもいいよ!

2.ビジネスアーキテクト

自社・競合のビジネスの理解、システムスキルを基盤とした状態でのビジネスアーキテクチャを作る人たち。ここにマーケティングも、デザイナ(特にUIUX)も含まれる感じかなあ。この横断的なスキルを持ってる人が異常に少ない気がする。自分でサービス立ち上げてEXITした、みたいな感じか。

個人的にはこの領域はこれからどんどん伸びてくると思う。
理由は、各種ノーコードツール。プログラミングができなくても、ノーコードツールとSaaS等の連携で新しいサービスを作ることができる世界が来てる。スクラップ&ビルドして、たくさん経験することが、ビジネスアーキテクトとしてのスキルが伸びるコツだね。


3.ITアーキテクト/インフラ/システム運用

いろいろ詰め込んでみた。
いわゆるアーキテクチャ考えて、どんなサービスと連携させて、どんなシステム構成にするのか、クラウド使うのか、そして、大事な運用をどう回すのか決めるのはこの人達だ。
ここは、最近は、AWS等クラウドが前提となることも多いけど、オンプレの知識があるとより深みのある設計ができたりするので経験は重要。

ちなみにシステム運用は、設計できる人、少ないのでいまだに重宝がられてる気がする。監視、エスカレーションフロー、インシデント管理、問題管理、などなど、実は裏っかわではちゃんと考えて動いてたりするのだ。
ここのスキル伸ばすのは難しい気がする、ここはちゃんと教育に力を入れる領域だね。


4.ソフトウェア・エンジニア

いわゆるアプリケーションの開発者。どうプログラムを書けばやりたいことが実行できるのかを考え、プログラミングして、テストする。
フロントエンド、バックエンド、スマホ、と領域によってガラッと必要な能力が変わったりするのも難しいところ。
あとはどうしても経験年数が重要な領域でもある。

アプリケーションの開発者ってほんとピンきりで、プログラミングに特化している人もいれば、業務知識に全振りしているような人もいる。

業務知識詳しい人が、「書く力、伝える力」を備えてないと大変だよね・・。

この領域は、スキル伸ばすの時間かかるけど、今はエンジニアの卵がたくさんいるから、大丈夫かな。
プログラミング向かないなあと思う人は、早めにこの領域から足を洗って、
プログラミング経験を持った上でのITアーキテクトや、ビジネスアーキテクト領域へ行くといいと思う。
いわゆる、アクセンチュアみたいなIT系のコンサル会社は、
そういう人材をうまく集めているように見える。うまいよね。


5.セキュリティ

外部からのアタックだったり、内部からの流出を防いだりなど、とても重要な領域。重要だけど、軽視されたり、理解されなかったりする場所で、
経営直轄でここは方針を作って、セキュリティの人が動きやすいようにしないといけない。
個人情報扱ってる会社だったり、金融機関だったら、セキュリティインシデントいっぱつで死んじゃうかもしれないしね。
ここは、ハッカー側と常に戦い続けている領域で、
お金の許す限り、ちゃんとした人材をアサインしましょうね。
知らない人に教育をするよりこの領域が好きな人を雇いましょう。

まとめ


というわけで、づらづらと書いてしまったけど、
DX推進に必要なスキルを5カテゴリに分けるとこうだぜ!

みんなに必要な、「読む、書く、伝える力」
ビジネス作ること全部に精通している「ビジネスアーキテクト」
効率よいシステム構成を運用まで加味して考えられる「ITアーキテクト」
難易度高い要件を理解し形にしてくれる「ソフトウェアエンジニア」
見えない敵と戦い続ける「セキュリティ」


何事もわかりやすく、短文で表現できるといいよね。
(と言いつつ3800文字も書いてしまった・・・)


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