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AI画像と手描きのイラスト(記事6)

AI画像はけしからん。
AI画像がイラスト業界を脅かしている、というような声を時々聞きます。
(私のいう「手描きのイラスト」はデジタルもアナログも含みます)

でもね、新しい技術が生まれた時、それが従来の技術より便利で優れているから危険だといって否定していたら、人類社会は進歩しないですよ。
否定より同調、排他より包容ですよ。

例えば、アイビスペイントで簡単に描いたこのイラスト(イラストというのはおこがましいレベルの絵ですけど)。

これをPixAIというAI画像生成サイトを通してAI化したらこうなりました。
プロンプト(「呪文」。AI画像を生成する時に必要なキーワード)は「T-shirt」と「Girl」のみです。

色付きにしてほしかったので、プロンプトに「color」を追加したらこうなりました。

いやもう、すごいですね。
自分が描いた元の絵を見るのが嫌になりますよ…。

手描きイラストのAI化とは逆に、AIで生成した画像を手描きイラストで有効利用することもできるはずです。
例えばAIがあればモデルに困ることがありません。
こちらはAI生成画像です。

(ポッチが出ているわけではありませんが、胸元が大きく開いているのでいちおう隠しました)

この子をモデルにして、アイビスペイントで線画にしました。

「似ていない」とか「AIの方がいい」といった意見は却下させていただきます

ほとんどトレース(画像の上からなぞること)です。
でも、自分で生成したAI画像なので、著作権の侵害には当たりません。
AIのおかげでモデルに困ることはないのです。
(「AI自体が権利を侵害しているのでは」というグレーなところはありますが、そこはまた別の議論ということで)

ついでにもう一つ。
AI画像を再生成することで、モデルの幅を増やすこともできます。
例えば、こちらはアニメ風に生成したチャイナドレスの女性です。

アニメ系って、不自然なくらい女性美を強調することがあるんですよね。
(わかりやすくいうと「極端な巨乳化」です)
なのでこれをリアル系に寄せてみました。

指がおかしかったりしますが、これはアイビスペイントを使って手直しできます。
*手直しに関しては以前の記事を御参照ください
AI画像とアイビスペイントによる修正


まあ、そんなこんなでAIと手描きは共存していけばいいと思います。
AI生成でモデルさんを作ってイラストを描く、イラストを元にリアルなAI女性を生み出す、AI画像のおかしなところを手作業で直す…といった感じ。

そもそも美術の基本は見る人を楽しませること(政治的なものとか風刺画なんかもありますけど)、作品の出来が良ければ、その過程が手描きであろうがAIを使おうがどうでもいいはず。
「便器」だって芸術として語り継がれるのですから(デュシャンの『噴水(泉)』)、型にはまらず自由に楽しめばいいと思っています。


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