新入社員以下~ワクチン接種システム~

昨日私が書いた記事で「プロの仕事じゃない」と題しました。
今朝の東京新聞の朝刊を見て、さらに驚きました。
ネットの記事では次の三つありますが、
最初の記事が1面にあり、見出しだけで目を疑いました。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/105522
https://www.tokyo-np.co.jp/article/105548
https://www.tokyo-np.co.jp/article/105658

え?「正しい番号」でもワクチン予約エラー?!
ランダムな数値でも受け付けるのに、正しい番号でエラーを出すとは?
中見出しには「自治体超えて番号重複か」とあります。
朝日新聞と毎日新聞と日本経済新聞が「嘘の予約ができた」と報じ、
東京新聞では実際の予約者の話として
  「何度入力しても予約エラーになった」
と報じています。

上記4紙の報道から、システムの大枠が見えてきました。
信じられないほど「単純な構造」です。
東京新聞では上記の2番目の記事で
  「20日間しかなかった」
と報じていますが、このレベルのシステムなら10日で十分です。

IT系企業では、今新入社員研修を行っていると思います。
今年も教室講座が敬遠されて、Web講座が多用されたようですが、
教室講座だと、「チーム開発演習」に入っていると思います。
(Web講座だとどうするんでしょう?)

私が今年IT研修を請け負ったら、
「ワクチン接種予約システム」の開発をさせる所です。
なにしろ「タイムリー」で、かつ演習に適していますから。
大手の教材だとショッピングカートを作らせたり、
図書館の貸出システムだったりしますが、
私が個人で請け負うと、タイムリーなもの(身近なもの)を題材にします。

10年前は離職者向けの職業訓練を2月から8月の半年間実施して、
途中に東日本大震災があり、「計画停電」がありました。
そこで「計画停電ローテーション」のプログラムを作ることにしました。
6つの時間帯で、6つの地域区分
ある日はA,B,C,D,E,F
次の日はF,A,B,C,D,E
というようにローテーションするアルゴリズムで、
最終的にはブラウザに自治体名と日付を入力すると、
停電時間帯が表示されるというシステムです。

話が逸れましたね。
ワクチン接種システムの大枠は以下の通りだと推測します。
入力項目は
 (1)自治体コード
 (2)接種券番号
 (3)生年月日
 (4)予約日(日時?)
の4項目。おそらくDBのテーブルは1つ。
今日の東京新聞の報道を見ると「接種券番号」が主キーになっていて、
他の自治体で同じ接種券番号の人が、すでに予約していると、
予約エラーになる。
当初は「自治体ごとに接種予約」と言っていたので、
おそらく自治体ごとに接種券番号を付番しています。
自治体の担当者も「他の自治体とかぶらないか」を考慮していません。
また自治体の情報システム担当も「付番」の重要性がわかっていないので、
単純に連番にしていると思われます。
(だから接種券番号をチェックできない)

どうでしょう?これを読んでいるシステム研修中の新入社員さん。
ワクチン接種予約システムを作ってみませんか?
もちろん自治体コードや接種券番号の入力ミスをチェックできて、
年齢に応じた予約日がちゃんと表示されるような「バグのないシステム」。
《システム要件》
  1.大規模接種センターなので、各都道府県に会場は1つとします。
   (実際にも東京と大阪に一つずつです)
  2.各時間帯(9時~10時、10時~11時・・・)で6人まで
   (実際の部屋数は判りませんが、設定として1部屋とします)
  3.75歳以上の予約日は5月31日から6月4日(月曜日~金曜日)
  4.以下、70歳以上はその翌週と5歳刻みで週を変える
  5.個人情報は入力せず、接種券番号と自治体コードで判断する。

5人チームなら10日程度で画面設計からテストまで終わると思います。


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