<アニメ感想>全人類”ガールズバンドクライ”を見ろ!!

ガールズバンドクライとは、2024年の春から放送されているテレビアニメで、個人的な今期の覇権アニメです

最近流行り(?)のガールズバンドものです

この世界はいつも私たちを裏切るけど。

何一つ思い通りにいかないけど。

でも、私たちは何かを好きでいたいから。

自分の居場所がどこかにあると信じているから。

だから、歌う。

公式サイトのStoryより引用(https://girls-band-cry.com/

当記事はそのガールズバンドクライの布教記事&最終話目前時点での感想記事です

このアニメの”良さ”を少しでも伝えることができれば幸いです


3Dアニメとしてのクォリティが高い

アニメとしては珍しいですが、多くのシーンが3Dで構成されています

自分の記憶ある中で過去にクォリティが高かった3Dアニメで言うと”宝石の国”が思いつきます(もう5年以上前ってマジ…?)

ガールズバンドクライはアニメ宝石の国に匹敵する3Dのクォリティの高さが達成できていると思います

モデルやモーションの良さを文章で説明するのはナンセンスなので、とりあえず公式YouTubeで”アニメ放送の1年前”に公開された最初のMVをご覧ください

ライブシーンではこれくらいグリグリ動きますし、日常パートでもキャラクターたちの動きはアニメチックな演出を交えながら同レベルのクォリティを保っています

3Dアニメとしてシンプルにクォリティが高く、それ相応のコストがかけられてしっかりと作られている点はわかりやすい推しポイントです


”ロック”を表現しているストーリー

”ロック”と聞いて思い浮かべるイメージは十人十色かと思います
中指を突き立てたり、器物破損したり、深夜に大声で叫んだり、大喧嘩してビールを頭にぶちまけたり、二日酔いで人の家のトイレで吐いたり…とかね

ガールズバンドクライで表現されているロックとは「痛みを伴っても、それでも前へ進むこと」だと個人的には解釈しています

あえて引き合いに出しますが、ガールズバンドものとして一昨年の冬にバズった”ぼっち・ざ・ろっく!”はガールズバンドものではありますが、ロックというよりかは小気味良いギャグと、「陰キャが居場所を勝ち取るというサクセスストーリー」がウケたと思っています

つまり、ぼざろは王道作品としてウケるべくしてウケたということです
映像や楽曲のクォリティの高さも当然ありますが、根っこは”王道”だと思っています

痛みを伴っても、それでも前へ進むこと

では、ガールズバンドクライのストーリーはどうなのかというと、大筋としては少しずつ前へ進むサクセスストーリーという軸はありつつも、主人公たちは何か大事なものを捨てたり、或いは諦めるといったような代償が伴っています

1視聴者として「すごい攻めた表現をしているなぁ」と驚きました

というのも、昨今のトレンドとしては、そういった視聴者にストレスを与えてしまうような表現はしないようにしたり、或いはギャグに落とし込んでごまかしたりすることが多いと感じています

ガールズバンドクライはこの”痛み”を表現することから逃げていません

主人公の井芹仁菜は1話の時点で「高校を2年で中退」「熊本から単身上京」(実際は川崎)という一般的な社会のレールから外れる選択を自分の意思で選び取るような状況に立たされています

やや引っ込み思案の普通の女の子。小中高と目立たない存在で、成績もごく普通。特に大きな夢もなく、空気を読んで、みんなに合わせて生きてきた。

公式サイトより、主人公:井芹仁菜の紹介文

アニメを視聴するとこの説明文が嘘八百を並べ立てている”詐欺紹介文”なのは置いておいて、仁菜は「上京初日から新幹線を東京駅まで乗り過ごし、東京駅から川崎駅へ向かうのに迷って時間を浪費し、不動産屋の営業時間内に辿り着けずに家のカギが貰えない」という大失敗を犯してしまいます

こういった笑い話は普通、後日の会話シーンなどで過去にやらかした笑い話として消化してしまうのは王道のやりかたかと思いますが、ガールズバンドクライでは前面に押し出してきます

そんな状況で仁菜が出会い、救われるのが”音楽”というのが始まりのあらすじです


”痛み”を表現することのリスク

こうした”痛み”の表現は視聴者を”厳選”してしまうような特性があると思います

心に傷を抱えている人が見ると場合によっては、その傷が抉られる思いをすることもあるでしょうし、例えそうでなくても見ていて気持ちが良いと言い切れる表現ではないでしょう

実際にSNSで見かけた意見として「ガルクラを見るのがキツイ」というような趣旨の意見も散見されました

これは当然だと思います

しかし、ガールズバンドクライがやりたかった(と思う)「痛みを伴いながらも前に進む」という軸を表現するには必要不可欠な要素なのです


”痛み”と向き合うこと

人生良いこともあれば悪いこともあります

その”悪いこと”がキレイに片付くことなんて稀で、大抵の場合は諦めたり、忘れたり、自分の中でどうにかして折り合いをつけることで前に進むしかありません

クソみたいな世の中でも、何かを諦めなくてはならなくなったとしても、それでも前に進むことをやめない
「自分がやると決めたことは絶対に曲げない」「超えてはいけないラインを自分で決めて守り抜く」

そんな薄暗い中でも決して消えない光が主人公たちにとっての音楽であり、”ロック”になっているのだと思います


常人にはできないことをやるということ

日本人の感覚として、社会のレールから外れることはかなり大きなリスクを伴うので、大抵の人はそのような生き方を「バカだ」と一蹴するかと思います

「学生の頃は勉強を頑張って、いい大学に入って、いい会社に入る」

これが大人たちの常套句であり、実際に今の日本はそうなるようなシステムになっています

そして主人公の仁菜はそうした”バカ”な生き方に身を投じていくことになります

大切なものを少しずつ失いながらも少しずつ前に進んでいく仁菜の姿は、バカで絶対に真似できないけれど、それでもどこかカッコいい生き方だと思います

普通の人には出来ないことをやってのけているからこそ、「バカげたことだ」と吐き捨てることでしかこの悔しさを、羨望を、屈辱を、ごまかすことは出来ません

この感覚を味わえるのが、ガールズバンドクライの良さだと思います

だからこそ人を選ぶという点は否めませんが、刺さる人にはぶっ刺さる内容です


最後に

あまり長くなりすぎても布教用としては良くないのでここでやめておきます

主人公の仁菜のイカレ具合とかかなり好きなんですが、ここでは割愛します

気になったらアニメを見てみてください
アマプラで見られます

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