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【Zatsu】大岡裁定の欺瞞を暴く

大岡越前、いわゆる暴れん坊将軍。
世に大岡裁定というものがありまして、江戸時代の名奉行、大岡越前守おおおかえちぜんのかみが披露したという「とんちのきいた裁判」のことをさします。ご存知の方も多いでしょう。ほとんど後世の創作だそうですが、しかし実に納得がいかないんです。
世間的には「さすがお奉行様だ、うまいことしなさる」と感心しきりだろうけれど、ハッ、俺は騙されないぞ。
ということで、本日は大岡裁定の欺瞞を暴くと題して、お奉行様をつるしあげたいと思います😠

三方一両損
~あらすじ~
金太郎が財布を拾った。中には小判が3両。この財布は吉五郎のものだとわかったので届けに行くが、吉五郎はがんとして受け取らない。
吉五郎「落としたカネはもう俺のもんじゃねぇ。拾ったお前さんのものだ」
ところが金太郎も一歩も引かない。
金太郎「落とし主が分かっているのに、ネコババするわけにはいかねぇ。受け取ってもらわなけりゃ困る」
でふたりしてお奉行様にお伺いを立てた。
ふたり「お奉行様ァ、どうしましょう~?」

まず言っておく。おまえら「バラエティー生活笑百科」か。
これに対する名奉行の回答はこうだ。

~大岡裁定~
大岡越前はニヤリと笑うと懐から小判を1枚取り出し、3両のとなりに並べた。これで合計4両。そしてふたりに2両ずつ渡してこう言った。
大岡「金太郎。そなたは拾った小判3両を手に入れる権利があるが、そこから1枚ひいて2両渡そう。吉五郎。そなたは3両を落とした。まるまる取り戻すこともできるが、そこから1枚ひいて2両渡そう。ふたりとも1両の損だ。そして私も懐から出した1両の損。これを三方一両損と申す。これにて一件落着なりぃ~(ドヤァ)」
「ハハァ~」🙇

~傍聴席から~
みなさんはこの判決、どう受け止めただろうか。
あえて言わせていただこう、まったくお話にならんですわ🥱
なにより、お奉行様が1両損をする意味がわからない。頼んでないんですよ、そんなこと。金太郎は3両を渡したい。吉五郎は3両うけとりたくない。それだけのこと。ふたりの利害が対立している。それを解決してあげるのがお奉行様に期待されている役割。違うか? えぇ? おぅ?

~josh裁定~
よしよし、ふたりとも、ちょっと近う寄れ。金太郎が拾った3両はいったんわしが預かろう。金太郎は手元に後ろ暗いカネが残らなくてスッキリ。吉五郎も一度は落としたカネだ、せいせいして未練もなくサッパリ。わしも思わぬ臨時収入でほっこり。これにて一件落着なりぃ~(ドヤァ)」
「ハハァ~」🙇

これだろ。だって、みんな1両ずつ損するとか、誰得なのよ? そんなのが江戸時代の名裁定と呼ばれるなんて認めないぞ。俺は騙されない。そうじゃなくてさ、3人とも幸せになる裁定がBestだと思うんだ。その考え方自体はまちがっていないでしょ? やっている内容はともかく。



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