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リースリング 収穫体験(神戸ワイナリー)

ワクチン2回目の副反応がひどすぎて、回復に相当時間がかかっていた久しぶりのnote、昨日初体験してきた神戸ワイナリーでのリースリング収穫体験をお伝えいたします。

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事前の天気予報を覆し、数日ぶりに雨、降り止む。さすが我、晴れ女。西神中央の駅に降り立つと、農作業にはちょうど良い曇りの天候に迎えられたのだった。

最寄駅から約10分、大人の乗り物(タクシー)でワイナリーの敷地に降り立つと、オレンジの瓦屋根に白壁の洒脱な建物が神戸のアイデンティティを我々に伝えてきた。
「神戸ワイン発祥の地」


それもそのはず、神戸ワインは神戸市が農業振興を目的に始めた公共事業だったのですね。知らなかった。だから建物部分も真ん中に広場を擁した回廊形式でとても広く、通常であれば新酒祭りもとり行われるとのこと。(ソフトクリームを掲げた画像しかないけど)


ホイリゲ飲みたいよう…オーストリアのシュトルム懐かしい。コロナめ。。。


さて、今日はパソナ農援隊主催の、神戸ワイナリーでのリースリング収穫体験。ざっと見たところ、個人で参加している単なるワインLOVERは私と友人の2人に思え、企業の研修として参加されている方が多いようで謎だった。どういうジャンルの企業なんだろう。
それゆえ、収穫体験への期待に興奮しすぎた私の服装は浮きに浮きまくっており、陰で「ブドウ好きのおねえさん」と呼ばれるほどであった。
ワイン柄の男物の服を買い、ブドウ柄とコルク抜きのボタンに付け替え、ブドウのピアスという気合いの入りようだったゆえに。

かわいいでしょ。

そしてこのように、選果のポイントを丁寧に説明したプリントを頭に入れ、いざ葡萄畑に繰り出すことに。



農業公園の葡萄畑はヨーロッパと同じ垣根仕立て(ギヨ・ドゥーブル)で、糖分はまず幹から一番遠くの実に蓄えられ、そこから順々に近くの実に分配されていくのだそう。そのため幹から一番遠い実の、房の中でも茎に近い方が一番甘くて美味しいらしい。
また、日面に成っている実の方が日裏よりも美味しいとのこと。
味見しながら実際に収穫していくと、確かに日面・日裏、上部下部で味わいが全然違ったのは驚きであった。ただし、生食と違ってワインにする場合は酸味もとても重要なファクターなので、甘ければいいというものではない。


葉の裏に実のついている茎があり、それを探って幹から切り離し(太いので結構力がいる)、腐った粒や病気の粒、割れた粒などを鋏の先で除去し、ほら!綺麗な房にして収穫完了!



神戸ワイナリーではブドウにボルドー液(硫酸銅と消石灰の混合液)を使用しているそうなので、ベト病(カビの一種)が起こりやすいのだろうか。原因はやはり梅雨かな…。

収穫した果実はコンテナにそっと入れ、2段目まで重ねたら完了。それ以上積み重ねると重量で下のブドウが潰れてフリーランの果汁が出てしまうからである。
なかなか美しく収穫できたと自画自賛。(ブドウ好きのおねえさんだから。)



ちなみにかのドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティのブドウは、絶対にブドウ同士が重なることがないよう一段のみ、間隔をあけて細心の注意を払ってコンテナに並べて運ぶと聞いたことがある。流石、栽培も緻密だし、ブドウを奉っている。

収穫途中に、明らかに粒がみちみちに詰まりまくっている木と比較的ゆるやかな木があることに友人が気づき、質問をしたところ、なんとリースリングだけではなくシャルドネが混じっていた!葉の違いを解説してくださったのだが、表面が立体的にボコボコしているのがリースリング 、そうでない方がシャルドネとのこと。
比較しなければやはり分からないのだが…


そういえばと思い出したのが、2019年にフランスのロワールのペイナンテ、セーヴル・エ・メーヌのあたりの葡萄畑を訪れ、ブドウの種類による葉の違いの説明を受けたこと。
確か写真撮ったはず、と探し発見。リースリングは載っていなかったけど。今度、全種類見てみたいものだ。



味見の実験をしながら自然のただ中で収穫するのは、ワインへの興味だけでなく昨今の鬱々とした気持ちの晴れる実に楽しい体験だった。いつか剪定とかもしてみたいな。

収穫した直後の晴れやかなきもち。


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ご時世がら、収穫後の試飲パーティーがないのは残念だったが、ワインショップで購入したロゼを自宅で本日いただきました。 
「セレクトロゼ」:カベルネソーヴィニヨン、メルロー



サーモンピンクがかった輝きのあるルビーが美しく、最初にフレッシュな木苺の香り、バラの花と葉っぱのような華やかさ。メルローの土感。
遠くに微かに胡椒。

味わいはフレッシュな甘酸っぱさのアタックは強め。後味に苦味のコクがあり、余韻長め。
若々しくていいなあと思っていたら意外と考え方がしっかりしてて、少し深い話もできて仲良くなれるわ、みたいな娘さん。
そしてコクが明けるとやっぱり木苺のチャーミングさ。

これで千円台とは思えないコスパです。この中ではやはりローストビーフに一番合う芯の強さ。



もともと数年前に社内のイベント「日本ワインの夕べ」で数種類いただいて以来、結構美味しいぞと注目していた神戸ワイナリー。
このイベントを見つけ、万を持して収穫体験のいい機会を与えてくれた友人に感謝である。

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