スイカの実割れは植物成長調整剤によるものではなく、癌やその他の健康問題を引き起こすものでもありません。

スイカの実割れは、癌や神経合併症を引き起こす植物成長調整剤ホルクロルフェヌロンによるものかもしれないから、食べてはいけないのでしょうか?いいえ、そんなことはありません: スイカの実割れは受粉不良が原因だと、デラウェア大学の専門家がLead Storiesに語ってくれました。環境保護庁(EPA)によりますと、ホルクロルフェヌロンは米国ではブドウとキウイフルーツに使用されており、スイカには使用されていないそうです。

この主張は、2023年8月21日にFacebookに投稿されました(アーカイブはこちら)。冒頭は次の通り:

もしスイカを切った時に、こんな実割れがあったら、絶対に食べないで!最初のリンク(c.o.m.m.e.n.t ).👇。

If you open a watermelon you find... - Easy Recipes For meal | Facebook (archive.md)

このファクトチェックを書いている時点でのFacebookでの投稿は以下のようなものでした:

( 出典:2023/08/31 木曜日 19:09:39 UTCに取得されたFacebookのスクリーンショット)

スイカの実割れは農薬によるもので、食べてはいけないと主張する投稿のリンク先では、以下のような主張がなされています:

その実割れはホルクロルフェヌロンと呼ばれる成長を促進する化学物質の存在を示しているのかもしれない。この物質はスイカに散布されると果実の成長を早める。果実を早く大きくする無害な方法のように聞こえるかもしれないが、裏がある。ホルクロルフェヌロンを摂取すると、ガンや神経合併症といった深刻な健康問題を引き起こす可能性があるのだ。これらの症状は治療が難しい。

次回、このような奇妙な実割れのあるスイカに出くわしたら、安全策をとったほうがいい。健康を優先し、食べないようにするのだ。

If you open a watermelon you find these cracks in it … DO NOT EAT IT! (seobegi.com)

デラウェア大学植物・土壌科学科の助教授で、果物と野菜の普及指導員であるGordon Johnson氏は、Lead Storiesに対して2023年9月1日に電子メールで、《hollow heart》と呼ばれるスイカの「実割れ」は、ホルクロルフェヌロンによるものではないと語っています:

我々は何度も、また他の研究者とも、スイカの受粉不良が原因で《hollow heart》になることを確認しており、果実を食べることの安全性には何の影響もありません。これは自然な状態であり、欠陥なのです。果実の外側にひびが入ることはなく、内側に空洞が生じるだけです。

Fact Check: Watermelon Cracks Are NOT Caused By Plant Growth Regulator And Do NOT Cause Cancer, Other Health Issues | Lead Stories

Johnson 氏は、CPPUとして知られるホルクロルフェヌロンについて調べたところ、「アメリカではスイカには使用されていません」と述べています。

パデュー大学の園芸専門家であるWenjing Guan氏は、2021年9月13日の記事《Hollowheart of Watermelons》の中で次のように書いています:

受粉不良が《hollow heart》の主な原因です。科学者らが証明したところによりますと、受粉植物(二倍体スイカ)が種無しスイカから離れた場所にある場合、種無しスイカは《hollow heart》になりやすいです。

Hallowheart of Watermelons (purdue.edu)

全国スイカ振興委員会は、ウェブサイトで「スイカの実割れ」の原因について説明しています:

寒波や猛暑などの生育条件によって、《Hollow Heart》と呼ばれる状態である果肉に内部亀裂が入ることがあります。心配はご無用です。これらのスイカは食べても全く問題ありませんし、糖分が割れ目に沿って濃縮されるため、より甘く感じられることが多いのです。

Facts & FAQs - Watermelon Board

EPA(米国環境保護庁)の農薬ファクト・シートには、ホルクロルフェヌロンはスイカには使用されていないが、「レーズン用葡萄、キウイフルーツに使用するために登録された新しい植物成長調整剤である」と記載されています。

リンク先の記事には次のように書かれています:

ホルクロルフェヌロンを摂取すると、癌や神経合併症といった深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

If you open a watermelon you find these cracks in it … DO NOT EAT IT! (seobegi.com)

EPAによりますと、これは誤りです。「発癌性」と題されたファクトシートの6ページには次のように書かれています:

発癌性研究では、ラットまたはマウスのいずれにおいても腫瘍の発生率を増加させる証拠はなく、ホルクロルフェヌロンはヒト発癌性物質である可能性は低いと分類されています。

fs_PC-128819_01-Sep-04.pdf (epa.gov)

結論は以下の通りです:

ラットの2年間の摂食試験とマウスの18ヶ月の摂食試験のレビューでは、発癌の懸念は認められませんでした。ホルクロルフェヌロンはヒト発癌性物質である可能性は低いと分類されました。

fs_PC-128819_01-Sep-04.pdf (epa.gov)

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