BMJ Medicineに掲載された新しい論文は、COVID-19ワクチンがCOVID-19ウイルスの5倍、若年層では10倍もの心筋炎を引き起こすことを示しているのでしょうか?いいえ、そんなことはありません:この研究の著者の一人は、2023年2月6日付のLead Storiesの電子メールで、それは「我々の研究を誤解した解釈の仕方」であると述べています。この論文は、稀な心臓病について報告された生の数字を示しているだけで、より大きな人口と比較したそれぞれの割合を示していません。
この主張は、人工知能(AI)の専門家であるEli Davidが2023年2月6日に公開したTwitter上の投稿(アーカイブはこちら)に掲載されています。投稿には以下のように書かれています:
執筆時のTwitterでの投稿は以下の通り:
《研究内容》
Davidのツイートは、2023年2月1日にBMJ Medicineに掲載された「北欧4カ国におけるSARS-CoV-2 mRNAワクチン接種後の心筋炎の臨床転帰:人口ベース・コホート研究」 という論文を引用しています。この論文は、デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの2300万人が対象です。4カ国とも、少なくとも73%が「完全なワクチン済」です。
ヴァンダービルト大学医療センターの感染症教授であるWilliam Schaffner博士(=基記事のリンクがおかしかったので正しいものに修正しています)は、2023年2月6日の電話インタビューでLead Storiesに対し、論文の数字に問題があるのではなく、Davidの解釈の間違いに問題があるのだと述べています:
Lead Storiesへのメールでは、デンマークのStatens Serum Institutの共著者Anders Husby博士も、Davidは彼らの論文を正しく解釈出来ていないという意見に同意しています。Husby氏はLead Storiesに、この研究の「結論」の部分を指摘し、次のように述べています:
結論:ウイルスに感染して重症化するよりも、COVID-19ワクチン接種後に軽症の心筋炎になる方が良いということです。2023年2月6日、Twitterアカウントへの投稿で、CDCは次のように述べています:
《若年男性》
医師達は、心筋炎のリスクが、まだ稀ではありますが、Pfizer社とModerna社のCOVID-19注射をした若い男性(16-24歳)の間で高いことを以前より知っていました。Husbyの共著である先行研究でも同じく、以下のように述べられています:
《Eli Davidについて》
DavidはAIの専門家ですが、医学的な知識はないようです。LinkedInのプロフィールには、博士号を含むコンピュータサイエンスの複数の学位が記載されています。Schaffner氏はLead Storiesに対し、素人がこのような研究を読むと誤解を招きやすく、必要な専門知識を持っていないと述べています:
Husby氏は、TwitterでのDavidの論文解釈に対する批評では、以下のような皮肉を述べておられました:
COVID-19ワクチンに関するLead Storiesのファクトチェックは、こちらでご覧になれます。