【あたおかの難癖】米国政府は、COVID-19ワクチン用トラッキング・マーカーとして使うために、ルシフェラーゼの「印付け」特許を取得したわけではありません。
ルシフェラーゼという酵素を使って、個人のワクチン接種状況を追跡する特許を米国政府が申請していたのですか?いいえ、それは違います:特許は本物ですが、それはCOVID-19のパンデミックより前の2019年9月16日に出願され、2020年11月に受理されました。それとは別に、この主張には、ルシフェラーゼを使って米国政府がワクチン接種状況を追跡または検査する意図があることを示す信憑性の高い公的な文書による裏付けがありません。この主張は、2022年9月20日にウェブサイトNew Tang Dynastyで公開された5分近い動画に端を発しています(アーカイブはこちら)。
動画に添えられたテキストには、以下のように書かれていました:
NTDは、クロスロードのホストであるJoshua Philippと、米国政府が申請したルシフェラーゼを含む融合タンパク質の特許について話し、人々のワクチン接種状況を追跡するために使用することが可能であると述べています。Philipは、これは誰にとっても警鐘を鳴らすものだと言いました。
その同じ動画が、2022年10月19日にインスタグラムでシェアされました。本稿執筆時点の投稿の様子は以下の通り:
![](https://assets.st-note.com/img/1666460079290-Gef1S53XZ2.png?width=1200)
以下、0:47から、NTDニュースの司会者Stefania Coxとクロスロードの司会者Joshua Philippの対談を抜粋して掲載します:
Cox:現在、この製品を使って、皮下に注射することで人々のワクチン接種状況の追跡を開始しようという提案がなされていると報じられています。
[1:34] Philipp:ルシフェラーゼを使いたい理由の1つは、人々につける印としてであり、国土安全保障省が特許を申請しているのは、ルシフェラーゼが生物発光性で、紫外線に当たると発光するためです。ですから、まるでバーコードのようにスキャンすることが可能です。このマークをスキャンして、例えばQRコードのようなものを表示させることが出来ますし、スマートフォンでスキャンするように、ワクチン接種の状況やその他のデータを表示することも出来ます。
問題の特許は、COVID-19のパンデミックより前の2019年9月16日に出願され、2020年11月に受理されました。これとは別に、米国政府がルシフェラーゼをワクチン接種状況の追跡や検査に使おうとしているという記録はありません。
ルシフェラーゼは、COVID-19のワクチン接種をめぐる陰謀論と長い間結びつけられてきました。ルシフェラーゼは、昆虫のホタルや発光するバクテリア、菌類、クラゲ等の生物に見られる天然由来の光産生酵素として、医学研究において「マーカー」としてよく使われている(他のマーカーとしては蛍光タンパク質が知られています)。ルシフェラーゼの遺伝子を合成し、生物、細胞、遺伝子に挿入することで、研究対象や試験対象の「目印」とするものです。
アメリカ化学会の専門誌Nanoscienceに掲載された2021年の研究によりますと、COVID-19の時代には、ルシフェラーゼはウイルスと宿主細胞のタンパク質間の相互作用を特定するために用いられ、ワクチンや薬剤治療の開発において重要な情報を提供しました。
2022年9月14日にEpoch Timesが公開した長い動画(アーカイブはこちら)で、Philippsは「近赤外線発光微粒子のパターンを皮膚に送達する溶解可能なマイクロニードル」について述べた2019年の研究に言及しています。この研究では、更にその技術について説明しています:
粒子パターンは目には見えませんが、改造したスマートフォンを使って画像化することが出来ます。ワクチンと併用することで、皮膚の粒子パターンが本人のワクチン接種記録として機能する可能性があります。
ルシフェラーゼについては、この研究では触れられていませんでした。
出願された特許(アーカイブはこちら)を見てみますと、米国国土安全保障省に代わって米国政府が出願したことが分かります。それによりますと、この技術は「ルシフェラーゼと目的のポリペプチドを含む融合タンパク質」であるとのことです。2017年5月1日に出願された別の出願の継続出願でした。以下は、特許出願の要旨です:
融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドは、関心のある修飾されたポリペプチドに融合したセクレターブルシフェラーゼを含むことが開示されている。目的のポリペプチドは、ネイティブなN -末端分泌配列を除去するように修飾され、分泌表ルシフェラーゼで置換されている。目的の修飾されたポリペプチドの1つの例は、インターフェロンである。本発明のポリヌクレオチドおよび融合タンパク質は、バイオテクノロジー、医学、獣医学の分野において、バイオ治療、診断、品質管理等の用途がある。また、分泌可能な融合タンパク質を製造する方法も開示されている。
特許出願の概要には、融合タンパク質が個人を「マーク」したり、その人のワクチン接種状況についての読み取り可能なデータをそのマーカーに刻み込むために使用され得ることを示唆するものは何も存在しません。
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