米国CDCは、生後1カ月以内にB型肝炎ワクチンの接種を受けた新生児に神経発達遅延のリスクが高まることを示すとされる研究結果を隠蔽したのでしょうか?いいえ、それは事実ではありません: この研究結果は、何十年も前から公開されていたものです。2000年6月、2段階に分けて行なわれた研究の初期の結果が、初めて医療関係者に発表されました。完成した研究は、2003年11月1日に学術誌《Pediatrics》に掲載されました。
この(デマ)主張は、2023年4月6日に公開されたInstagramの投稿に現れています。投稿の説明文には次のように書かれています:
投稿のミームの一部不明瞭なテキストには次のように書かれています:
執筆時のInstagramでは以下のような投稿がありました:
この投稿では、「一度も公開されていなかった」この研究結果が「FOIA(情報公開法)の要請でつい最近入手出来た」という主張を裏付ける根拠は示されておりません。どちらも真実ではありません。この情報は約20年前から広く流布されており、決して圧力がかかって非公開とされたり隠蔽されたりしたことはありません。
二相研究の初期の結果は、2000年6月7日から8日にかけてジョージア州ノークロスで開催された「ワクチン安全性データリンク情報の科学的検討」会議で初めて発表されたものです。このセッションの発表者の中には、研究の筆頭著者であるThomas Verstraeten博士も含まれていました。
CDCの全米予防接種プログラムのディレクターであったWalter Orenstein博士は、開会宣言の一部として、この会議は「これらのワクチンのいずれかに水銀による健康被害があるかどうかを評価するためのものである」と述べました。FDAによりますと、水銀を含む有機化合物であるチメロサールは、1930年代からいくつかの生物学的製品や医薬品に防腐剤として広く使用されています。
ワクチン安全性データリンク
CDCのワクチン安全性データリンクは1990年に開始され、ワクチンの安全性を監視し、予防接種後の稀で深刻な有害事象に関する研究を実施するために使用されています。VSDのウェブサイトに掲載されているプロジェクト概要には、以下のように書かれています:
完了した研究、「チメロサール含有ワクチンの安全性: 電子化されたHealth Maintenance Organization(HMO)データベースの2段階にわたる研究」は、初期の研究結果の発表から3年後の2003年11月1日にPediatrics誌に掲載されました。研究の結論は次の通りです::
この研究は、すぐに反ワクチン・ロビイストから非難を浴びました。この批判を受け、Verstraeten氏は2004年に『Pediatrics』誌の編集者に手紙を出しました。以下に、その全文を掲載します:
研究の結論に対する立場がどうであれ、インスタグラムの投稿で主張されていることは誤りです。この研究はCDCによって隠蔽されていたわけでも、情報公開法の要求の一部として「最近入手された」わけでもありません。20年前から広く公開されていたものです。
CDC
CDCの広報専門家であるNick Spinelli氏は、4月10日にLead Storiesに送ったメールの中で、Instagramの投稿にある主張は誤りであると述べています。彼は次のように続けました:
COVID-19ワクチンに関連するその他のファクトチェックは、こちらでご覧頂けます。
更新情報:2023/04/10 00:37:CDCからの回答を追加