【あたおか】イェール大学の研究では、同意なしでのワクチン接種技術は開発されていません。

イェール大学の研究では、マウスの鼻腔内ワクチン接種によってmRNAを送達することは示されておらず、SNSの投稿で誤った主張がなされているように、同意なしにワクチンを接種するためにこの技術を使用する可能性を検証したわけでもありません。

Facebookの投稿で共有された主張としては、「被験者に同意させることなく接種可能な『エアロゾルCOVID-19 mRNAワクチン』が開発され、それは注射針は不要であり、エール大学の開発者は、これは将来のワクチン配布方法に革命をもたらすかもしれないと言っている」と書かれているのが読み取れます。この主張は、かつてTwitterとして知られていたメッセージング・プラットフォーム「X」でも同じように共有されていました。

しかしながら、この研究で使用された製剤は、既存の経鼻ワクチンと同様に鼻に投与されるように設計されており、投稿で示唆されているように、エアゾールやネブライザーで空気中に投与しても効果があるという証拠は何もありませんと、この研究の著者はロイターに語っています。

Science Translational Medicine誌に掲載された「高分子ナノ粒子による粘膜ワクチン接種用mRNAの肺への送達」と題された研究では、マウスを用いた実験的な経鼻SARS-CoV-2 mRNA送達プラットフォームが検証されました。

インフルエンザCOVID-19に対するワクチンの経鼻投与は、筋肉に注射するワクチンでは見られない防御的免疫応答を呼吸器組織で生じるため、研究が進められてきました。

イェール大学の研究者らは、mRNAをカプセル化してマウスの肺に経鼻投与する方法を実験し、動物に免疫反応が起こることを明らかにしました。

イェール大学の医学博士課程に在籍するこの研究の主執筆者Alexandra Suberi氏は、ロイターに電子メールで次のように語っています。

第一に、「この研究はマウスで行われたもので、この製剤がヒトに効く/効くであろうことを実証するための大規模な動物実験やヒト実験は実施されておりません」とSuberi氏は指摘します。

この研究の液剤は鼻に直接注入されたものであり、SNSへの投稿が仄めかすように、単にスプレーされたものではない、と同氏は付け加えています。「我々の製剤は直接鼻腔内吸引によって投与されたものであり、この製剤がエアロゾルやネブライザーによる投与に適合するとは主張していませんし、実証もしていません」

Suberi氏はまた、他の経鼻投与ワクチンもいくつか開発されていますが、それらは「エアロゾル送達によって群衆に大量投与することは、実際的にも倫理的にも不可能です」とも述べています。

バージニア・コモンウェルス大学薬学部のPeter R Byron特別教授で、同大学のエアロゾル研究グループを率いるMichael Hindle氏は、効果的な経鼻ワクチンを経鼻投与することは困難であると既に言われており、経鼻製剤が遠くから効果を発揮する可能性は低いとロイターに電子メールで述べています。

「鼻気道の解剖学的特徴の問題から、ワクチンや薬剤を鼻に送達するのは困難なことです」、「製薬業界は何十年もかけて、我々の身体の防御機構に打ち勝つ点鼻薬を開発してきました。しかしながら、どんなに優れた点鼻薬であっても、鼻の奥まで浸透するのはほんの僅かな量に過ぎません。ワクチン接種を効果的に実施するためには、鼻気道の適切な部位に適切な量を投与する必要がありますが、これは依然として大きな課題です」、とHindle氏は述べています。

ロイターは以前にも、経鼻インフルエンザ・ワクチンがインフルエンザを蔓延させたり他の病気を引き起こしたりするという虚偽の主張を取り上げたことがあります。

【評定:証拠不十分です】

  • 経鼻ワクチン製剤は、同意なしに人々にワクチンを接種するために開発されたものではなく、鼻の外に投与した場合に効果があるという証拠は存在しません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?