この動画は、フランスのデモ隊が動物を解放した後に(それらが)「通りを歩き回る」様子を映したものではありません。
警察が10代の若者を射殺した後、フランスのデモ隊が動物園から動物を放し、その動物達が通りを徘徊するようになったのでしょうか？いいえ、それは事実ではありません： この主張をするソーシャルメディアへの投稿は、様々な動物が様々な時間に様々なコミュニティで放し飼いにされている古い動画を見せています。加えて、パリ動物公園は全ての動物が「元気で安全である！」と報告しています。
この主張は、2023年7月4日に公開されたInstagram上の投稿と動画に登場しました。 そのキャプションには次のように書かれていました：
フランスのデモ隊が動物園から動物を解放した。
十代の若者が警官に🔫された後、ゾウ、ライオン、オオカミ、サイ等が通りを歩き回っている。
このファクトチェックを書いている時点でのInstagramの投稿は以下のようなものでした：
Instagramのこの投稿には、2つの動画合成を含む複数の要素が含まれています。いずれも、2023年6月下旬から7月上旬にかけてフランスで発生した、交通違反の取り締まり中に警察官に殺害されたアルジェリア系10代の若者の死を巡る広範な抗議行動とは無関係のようです。
「パリの街角のライオン達」と題されたライオンの2枚目の画像も投稿に登場しました。それは以下に示すある動画のスクリーンショットです：
動物園
2023年7月3日、パリ動物公園はTwitterで、動物園の動物達が解き放たれたかどうかという質問に対し、全て問題ないという回答を発表し人々を安心させました。そのツイートをGoogle翻訳したものは以下の通りです：
こんにちは、ご心配なく、@zoodeparis の動物達はみんな元気で無事です！
ではよい一日を🦒
翻訳されたツイートと動物園の回答は以下の通りです：：
ライオン
冒頭に掲載されたライオンの画像は、抗議行動より2年以上前のものです。もっと古いものかもしれません。Lead Storiesは、イランのソーシャルメディア・プラットフォーム上でこの動画バージョンを見つけました。それは2021年4月に投稿されたものでした：(詳細は以下をクリックして下さい：音量にご注意を)
シマウマと馬
映像はその後、シマウマと馬が市街地を走るシーンに移行します。動きの速い馬を映像から分離するのは大変でしたが、ボケた静止画をいくつか並べて以下に掲載します：
ライオンと同様、この動画は数年前のもので、2020年4月にパリ近郊のサーカスから動物達が逃げ出した事件に関するものです：
Pourquoi il y a un ZÈBRE dans ma cité ? POURQUOI ? Expliquez moi pic.twitter.com/FxhTtTgfSi
— Papa 02.04.23 💔🙏🏾🕊️ (@oceane_sd) April 10, 2020
サイ
もうひとつの野生の生き物は、夜の街路を歩く巨大なサイです。上部のキャプションには《Parc Zoologique France》と書かれており、これは英語で「動物公園フランス」を意味します：
このサイはパリやフランスの近くには生息していません。Lead Storiesは、2020年1月にYouTubeに投稿された動画からこのクリップを探し当てました。タイトルは「サイがネパールの町をお散歩」です：
ヤギ
Instagramに投稿された動画によりますと、動物園で飼われているヤギのうち、少なくとも一頭がフランスの通りに侵入しているとのことです：
Lead StoriesはTikTokでヤギの動画の一例を見つけました。2023年1月に投稿されたもので、抗議デモの数カ月前のものです：
@atmanatb_off Une chevre dans la rue 😂#tiktok #pourtoi #animaux
♬ son original - ATMAN
ゴリラ
この動画には、3頭のゴリラが、まるでどこかへ逃げようとしているのか、急いでいるのか、角を曲がって直立不動で歩いている様子が映っています。そのうちの1頭が下に写っています。繰り返しますが、動画のスクリーンショットは少しぼやけています：
Lead StoriesがYouTubeで見つけたのは、同じシーンを反転させた動画で、2022年12月にソーシャルメディアに投稿されたものです：
ダチョウ
Instagramへの投稿はまた、「パリの路上でダチョウの群れを見つけた」と主張しています。動画では、飛べない鳥が何十羽も町の真ん中を駆け回っている様子が色褪せた映像で映し出されています：
しかしながら、動画のダチョウはパリではなく、中国南部の都市である崇朔に生息しています。2022年1月のABCニュースの動画によりますと、80羽が農場から逃げ出して暴れたということです：
ラクダとウシ
Lead Storiesは、Instagramの投稿で見つかったこの風変わりな二匹のソースとなる動画を見つけることが出来ませんでした。しかしながら、画面下のキャプションには 《les animaux d'un cirque》とあり、英語では「サーカスの動物達」を意味します。2020年4月にパリ近郊で開催されたサーカスからの脱走者の一部である可能性もありますが、確証はありません。しかしながら、これは動物園の動物ではないことを示しているようです：
Lead Storiesによるフランスでの抗議行動に関する主張のファクトチェックは、こちらでもご覧頂けます。
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