車載カメラによる移民の古い映像は、南アフリカではなくフランスで撮影されたものでした。
基記事はこちら。
Xで出回っている映像は、非正規滞在の外国人が南アフリカでトラック運転手を待ち伏せしている様子を撮影したものだと主張されています。しかしながら、これは誤りであり、この映像は7年以上前のもので、フランスの港湾都市カレーで移民が英国に入国しようとした際にトラック運転手と衝突が相次いだ際に録画されたものです。AFPファクトチェックは以前、この映像と米国とを結びつける主張を論破しました。
2024年7月10日に公開されたXの投稿には、「不法入国した外国人は我々を滅ぼすだろう」と書かれています。
車内で撮影された30秒の映像には、木の枝で塞がれた道路の障壁を乗り越える数人の人々が映っています。
Xのアカウントは、反移民運動から政党になったPut South Africa Firstにちなんで "#PutSouthAfricansFirst "と名付けられています。
![](https://assets.st-note.com/img/1721433991918-0FY46KIRGI.png)
Xの投稿への返信の一つには次のように書かれています:「南アフリカは自国を守るために立ち上がる必要がある。政治家は私達を裏切った」
カレー海峡危機
AFP Fact Checkは2023年、この動画に関連する主張を最初に論破しました。当時は、米国の移民パンデミック時代の移民制限の終焉とその余波を映したものだとする投稿が寄せられていました。
しかしながら、動画から撮影されたスクリーンショットを逆画像検索したところ、ドイツのニュースサイトDer Spiegelが2016年9月20日に公開したYouTube動画の映像に辿り着きました(アーカイブはこちら)。
Der Spiegelは、この車載カメラの録画をポーランドのトラック運転手Miroslaw Ferenc氏のものだったと伝えています。
同メディアは、Ferenc氏がユーロトンネルの起点となるフランスのカレー港に向かって車を走らせていたところ、移民達が彼の車を減速させようと道路に枝を敷き詰め、それにしがみついてイギリスまで乗ろうとしたと報じていました。
映像の日付は2016年9月6日で、左上にジオデータが表示されています。
AFP Fact Checkの方で、Google Mapsに座標を入力した所、カレー南インターチェンジのカーブに辿り着きました。
2016年にカレー近郊で撮影された多くの車載カメラ動画は、こちらとこちらを含む同様の道路封鎖戦術を示しています(アーカイブはこちらとこちら)。
AFP通信は2016年、カレー近郊で欧州のトラック運転手が巻き込まれた同様の事件を報じています(アーカイブはこちらとこちら)。
当時報道されたように、こちらとこちらも含め、経済移民達はフランスから英国への危険な航海のリスクを冒して、よりよい環境を求めてやってきていたのです(アーカイブはこちらとこちら)。
お手数をおかけしますが、YouTubeで見るをクリックしてお楽しみ下さい。
「ジャングル」として知られるカレーの大規模移民キャンプは2016年に警察によって解体されたものの、このルートでの移民活動は続いています。小規模なキャンプは定期的に解体されています(アーカイブはこちらとこちら)。
AFP通信は最近、2024年までに少なくとも19人が小型ボートでフランスから英国に向かおうとして命を落とし、12,300人以上がこのルートを旅したと報じています(アーカイブはこちら)。
南アフリカの移民
世界で最も失業率の高い国の一つであるにも関わらず、南アフリカは大陸の他の地域から多くの経済移民を引き寄せています(アーカイブはこちら)。
この流入は、経済の見通しの甘さと相まって、近年、反移民的な暴力の散発を招いています。
AFP通信が報じていたように、今年の選挙期間中、選挙候補者達は、外国人嫌いの感情を利用し、国の問題を外国人のせいにすることで、オンライン上の憎悪と偽情報の炎を更に煽っていました(アーカイブはこちら)。
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