日本におけるSIDSの減少は、乳幼児のワクチン接種政策とは関係ありません。

日本の厚生労働省によりますと、日本では2歳未満の乳児へのワクチン接種を推奨していますが、SNS上では、こうしたワクチン接種が「中止された」と主張され、乳幼児突然死症候群(SIDS)の長期的な減少との関連が示唆されています。

SNSのXFacebookでは、「日本のSIDSは、2歳未満児へのワクチン接種を止めた時から止まった」と投稿されています。

SIDSとは、赤ちゃんの呼吸が止まる原因不明の死亡のことで、多くは睡眠中に起こります。原因は不明ですが、米国国立小児保健発達研究所によりますと、呼吸や覚醒といった脳の自動機能に影響を及ぼす問題が関係していると考えられています

メイヨー・クリニックによりますと、SIDSで死亡した赤ちゃんには、最近の呼吸器感染症の既往歴にもしばしば見られるということです。

日本の予防接種法は1994年に改正され、義務接種は廃止されました。しかしながら、日本小児科学会は、2020年に更新された推奨されるワクチン接種スケジュールに示されていますように、2歳未満の小児には依然としてワクチン接種を推奨しています。

また、推奨スケジュールに従って小児期の予防接種を実施する場合、地方自治体も費用を負担しています。

小児科学会の生後3ヶ月までのスケジュールには、肺炎、ジフテリア、百日咳、ロタウイルスといった乳幼児にとって最も脅威となる病気に対するワクチン接種が含まれています。

日本では毎年、小児に対する予防接種率が高いという記録があります。例えば、WHOが発表したデータによりますと、2011年から2022年の間に、96%から99%の乳幼児が、生後2カ月から4カ月の間に接種するようワクチン接種スケジュールで推奨されている3回接種の肺炎球菌ワクチンを受けています。

SIDSによる乳幼児の死亡率は、1984年から2004年の間に半減し、出生1000人当たり0.42人から0.24人に減少しました。研究の結果、この減少は、1996年以降に始まった、乳幼児をうつ伏せで寝かせることを推奨する公衆衛生キャンペーンや、妊産婦の喫煙といった他の既知のSIDSリスクを減らしたことによるとしています。

日本における「乳幼児期の突然死」(SUDI)の割合は、SIDSだけでなく窒息や病気によるものも含めて減少を続けており、2018年には1,000人あたり0.1人と推定されたことが、東海大学の研究者らによる2020年に発表された研究で明らかになりました。分析の結果、最も強い危険因子は妊婦の喫煙と母親の年齢が19歳以下であることでした。

日本の乳幼児死亡率は1968年以来低下している一方で、2022年には47人の乳幼児がSIDSで死亡し、乳幼児期の死因の第4位になっていると、日本のこども家庭庁は2023年10月のプレスリリースで報告しています

ワクチン未接種の乳幼児は、ワクチン接種を受けた乳幼児に比べて、SIDSやSUDIのリスクが高いことが、他国の研究で明らかになっています。

例えばフランスでは、ジフテリア、破傷風、百日咳、ポリオ、B型インフルエンザ、B型肝炎、肺炎のワクチン接種を受けていない乳幼児がSUDIで死亡する確率は、ワクチン接種を受けた乳幼児の2倍であることが明らかになりました。

ロイター通信は以前にも、COVID-19の大流行時に小児ワクチン接種が減少したため米国でSIDSが「消えた」という同様の虚偽の主張を取り上げたことがあります。

日本の厚生労働省からの回答は得られていません。

【評定:誤りです】

  • 日本は2歳未満児のワクチン接種を推奨しており、小児期のワクチン接種率は非常に高いです。

  • 日本のワクチン接種政策とSIDSの減少率との間に関連性を示すエビデンスはありません。

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