CDCのV-Safeデータは、COVID-19ワクチンの「重篤な」副作用の「驚くべき報告件数」を証明するものではありません。

CDCが収集した「v-safe」データの「大規模な研究」は、COVID-19ワクチンが「驚くほど大量の」重篤な副作用を引き起こしたことを証明しているのでしょうか?いいえ、そんなことはありません:そのような研究は発生しておらず、信頼出来る科学・医療機関は、CDCの自主的なv-safeスマホプログラムによって収集されたワクチン接種と自己申告のワクチン有害事象との間の因果関係を立証するための大規模な「研究」を発表していません。

この主張の発端は、2022年10月8日にThe Florida Standardが投稿した、「大規模な研究でワクチンを接種した70万人以上が重度の副作用のために治療を受けることを強いられた」というInstagramの投稿です。

以下の記述が見て取れます:

CDCに対する訴訟の後、Informed Consent Networkは、V-Safeワクチン監視アプリの生データをまとめた。その結果、重篤な副作用の多さが顕著に表れている。Bioへのリンク

https://www.instagram.com/p/CjbK7WZv-5j/?fbclid=IwAR3NqqlFW4TnGl_4vMAReQTrg70UnetQ_jFRpRnkajp6xKI25UCen2KaX3o 

本記事執筆時点では、Instagramに以下のような投稿が掲載されていました:

(出典: 2022/10/11 火曜日 21:32:36 UTCに取得したInstagramのスクリーンショット)

InstagramのBioにあるリンクは、2022年10月7日にウェブサイト《The Florida Standard》に掲載された記事(アーカイブはこちら)へユーザーを誘導しました。その中で著者は、反ワクチン団体Informed Consent Action Network(ICAN)が実施した「研究」について説明していました。

しかしながら、ICANのデータは、信頼のおける査読済の研究を反映したものではありませんでした。むしろ、CDCが作成した「v-safe」と言われるデータを表示するために作成されたダッシュボードを反映したものでした。このような報告書の存在は本物かもしれませんが、ワクチンと報告された健康上の成果との間の因果関係を立証するものではありません。

V-safeとは何ですか?

V-safeは、COVIDワクチンが展開された後にCDCとFDAによって実施されたアクティブサーベイランス・プログラムです。

スマートフォンを利用したこのプログラムは、予防接種後の安全性を監視するために使用され、予防接種後に起こりうる有害事象を特定する手段として、プログラムに登録した人々に健康情報を入力するよう定期的にテキストメッセージを送信することによって行なわれます。

V-safeの報告書は因果関係を示すものではありません

V-safeは、ワクチン有害事象報告システム(VAERS)と同様に、医療専門家による検証を経ない個人の体験談のみに依拠した自己報告制度であり、その範囲は限定されているとCDCのウェブサイトは指摘しています。v-safeのシステムで報告された症状は、それがワクチンによって引き起こされたことを示すものではありません、とThe College of Physicians of Philadelphiaの非営利団体History of Vaccinesは報告しています。

そのような事象が起こらなかったということではなく、ワクチン投与と報告された副作用の因果関係を判断するための専門家による評価がなされていない、ということです。

健康上の有害な結果を報告する可能性が高い

Florida Standardの記事では、ワクチン接種を受けた人の多くが、ワクチン接種後に「深刻な」健康上の問題を報告していることが示唆されています:

... 7.7%にあたる782,913人が、医療を受けなければならないような重度の有害事象を経験し、緊急治療室に入ったり、入院したりしたのである。

驚くべきは、これらの参加者が驚くほど多くの副作用を経験していることで、7100万以上の症状が報告されている。その中で最も多かったのは、痛み、疲労、頭痛であった。400万以上の症状が「重度」として報告された。

https://www.theflstandard.com/cdc-data-over-700-000-of-vaccinated-in-massive-study-forced-to-seek-medical-care-for-severe-side-effects/ 

記事の結論は以下の通り:

V-Safeプログラムには、COVID-19ワクチンを接種した人の4%以下しか含まれていない。

https://www.theflstandard.com/cdc-data-over-700-000-of-vaccinated-in-massive-study-forced-to-seek-medical-care-for-severe-side-effects/ 

FDAとCDCの両方を監督する機関である保健福祉省によりますと、重大な有害事象は、「特にワクチン接種後すぐに発生した場合、たとえそれが偶然であっても、他の原因と関連していても、軽度のものよりも報告される可能性が高いでしょう」とのことです。

要するに、有害事象を経験した人は、経験しなかった人よりも報告する可能性が高いということです。CDCが2021年のv-safe protocolsで以下のように指摘しています:

V-safeに参加することを選択したワクチン接種者は、参加を辞退した者とは異なる可能性があります;そのため、v-safeから得られた副作用や有害事象の割合は、ワクチン接種者の全人口に対して一般化出来るものではないかもしれません。

https://www.cdc.gov/vaccinesafety/pdf/V-safe-Protocol-508.pdf 

加えて、健康上の有害事象は、CDCが定義するように、多くの要因を含むことが可能となります:

ワクチン接種後に起こるあらゆる健康上の問題は、有害事象とみなされます。有害事象は、ワクチンによって引き起こされることもあれば、ワクチン接種後に起こった、ワクチンとは無関係の発熱等の偶然的な事象によって引き起こされることもあります。

https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/safety/safety-of-vaccines.html 

同様に、v-safeは長期間にわたってデータを収集しているため、ワクチン接種とは無関係と思われる多くの健康に関する成果もデータセットに含まれる可能性があります。「COVID-19ワクチンの安全性に関するV-safeアクティブサーベイランス」と題された87ページの報告書の14ページで、CDCは以下のように述べています

V-safeは、ワクチン接種後のモニタリング期間の後半に登録することを可能にしています。V-safeに遅れて登録する人々は、単に早期登録を怠った人々、臨床的に重要な有害事象を経験した後に登録を選択した人々等、異質である可能性があります。このような人々から収集したデータは、早期登録者のデータとは別に分析することが必要になる場合があります。

V-Safe参加者が提供するワクチン接種後3、6、12ヶ月の情報は、想起バイアスの影響を受けている可能性があります。

https://www.cdc.gov/vaccinesafety/pdf/v-safe-protocol-v5-508.pdf 

ワクチンは安全ですか?

米国では、Pfizer社及びModerna社のmRNAワクチンは、「安全かつ有効」であると強く推奨されていると、Johns Hopkins Medicineは報告しています。これはCDCのデータでも確認されています:

2020年12月14日から2022年9月28日までに、米国では6億1900万回以上のCOVID-19ワクチンが投与されています。現在、米国で行われているCOVID-19ワクチン接種の総数を見るには、CDC COVID Data Trackerをご覧下さい。

COVID-19ワクチンは安全かつ有効です。COVID-19ワクチンは、臨床試験で何万人もの参加者を対象に評価されました。このワクチンは、緊急時使用承認(EUA)をサポートするために必要な安全性、有効性、製造品質に関する食品医薬品局(FDA)の厳格な科学的基準を満たしたものです。

https://www.hopkinsmedicine.org/health/conditions-and-diseases/coronavirus/covid-vaccine-side-effects#myocarditis 

CDCとFDAは、安全性に関する懸念の可能性を引き続き監視していますが、本稿執筆時点では、ワクチンの潜在的リスクはCOVID感染の症状を上回ると結論づけています。

V-safeプログラムについてLead Storiesが執筆したその他のファクトチェックはこちらです。

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