見出し画像

社会主義はなぜ、失敗したのか?⏤⏤ゴルバチョフ同志書記長を偲んで

先日、ジム仲間の高校生から「社会主義はなぜ、失敗したんですか?」と訊かれた。
私がソ連に留学していたことを知って、社会主義に興味を持ったようだ。
社会主義はなぜ、失敗したのか?
この問いの答えは、自明のようで自明ではない。
そこで、こんな話をした。

ある日、駅の東口にラーメン屋ができた。こってりとした豚骨ラーメンの店である。
この店を見て、駅の西口にあるラーメン屋は危機感を覚えた。その店のメニューは醤油ラーメン、塩ラーメン、味噌ラーメン。豚骨はやっていない。
「今、世の中は豚骨がブームだ。このままでは客を取られる」
そう思った西口のラーメン屋は、東口のラーメン屋に対して、ありとあらゆる嫌がらせをした。
・業者に圧力をかけて材料を仕入れできなくする
・銀行に圧力をかけて融資を剥がす
・グルメ評論家を買収して悪口を書かせる
・店員を高給で引き抜く
・人相の悪いヤクザを店に通わせる
・深夜、店のガラスを割る
・ゴキブリが入っていたというデマを流す
こんなことを続けらるたらたまらない。ほどなくして東口のラーメン屋は潰れた。
それを見た西口のラーメン屋はこう言った。
「ほら、豚骨ラーメンはダメだろう。豚骨ラーメンの店が上手くいくわけないんだ。やっぱりラーメンは醤油、塩、味噌だ。豚骨は人類に向いてない」

「君はこの話を聞いてどう思う?」
高校生は西口のラーメン屋のやり方に憤慨していた。
「ひどい。やり方が汚い。西口の野郎、許せない」
「そうだよね。そう思うのが当たり前だ。でも、これが、西側が社会主義に対してやってきたことなんだよ。社会主義が潰れたのは、西側がさんざん邪魔をしたからだ。社会主義は失敗だったとか、西側の人間にそんなことを言う資格はないんだよ」

この日は二人でしみじみと豚骨ラーメンを食べた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?