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「新しい日常」における顧客満足の追求から、選ばれるサービスとしての価値向上を目指す/日本エステティック協会

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一般社団法人日本エステティック協会
理事長 久米 健市

令和3年の新春を迎え、多くの会員の皆さま、ならびに関係者のご支援のもと、協会が49年間歩むことができましたこと深く感謝申し上げます。

 世界保健機関(WHO)によると、世界の新型コロナウイルスの新規感染者は依然過去最多のレベルであり、現在でも刻々と状況が変化しています。今後、有効な治療薬とワクチンが開発できるのか? 持続可能な免疫が獲得できるのか? 等どのような形で「新型コロナウィルスと共存」するか不明なまま、私たちは前に進まなければいけない状況です。

 お客さまの肌に直接触れ、技術者とお客さまが「密」なエステティックにおいては、換気、消毒、使い捨て道具への変更、接客方法の変更、等を含めた衛生対策が必要です。お客さまと技術者の双方が安心できる衛生対策が不可欠です。

 無症状の感染者がいるという現状では、感染者がエステティックサロンを訪れることを完全に防ぐことはできません。それでも、エステティックサロンで感染を増やさない、エステティックサロンでクラスターを発生させないことが、エステティックサロンの衛生管理の最低限の目的です。

 それに加えて、もしお客さまの中に感染してしまった方が現れたとしても、お客さまや行政機関が、エステティックサロンが感染源でないと判断していただけるような対策をとることが必要です。そうでなければ、「新しい日常」において、安定したビジネスの持続は困難です。

 衛生面での対策はエステティックサロンにとっての不可欠な必要条件ですが、発展への充分な条件ではありません。「新しい日常」においての顧客満足を両立させなければなりません。「新しい日常」においてお客さまから選ばれるサービスとは何なのか? 選ばれる贅沢(ぜいたく)とは何なのか? 旅行、イベント、会食、カラオケ、スポーツジム、ショッピング等、「新しい日常」において、さまざまなビジネスやサービスの形態が変化しています。その中で、エステティックがお客さまに「どんな価値」を提供できのるか、提供すべきなのか、を考えなければなりません。

 エステティックが「新しい日常」において、お客さまから選ばれるサービス・贅沢となるためには、今までの延長線上の改善だけではなく、「根本的なリセット」が必要な分野・項目もあります。過去からの蓄積・歴史・成果を大切にしつつ、何を「修正と改善」で対応し、何は根本的に「リセット」すべきか、情報を集め、分析し、勇気を持って考え、そして決断しなければなりません。今年はそのような年になると思います。

 昨年の10月、協会としては初めてのソシオエステティックシンポジウムをオンラインで開催いたしました。フランスおよび日本においてコロナ禍で活動をするソシオエステティシャンの話を聴く機会を得ました。

 感染症の専門家の先生から、「エステティックによる癒す力は、これまで以上に新しい日常の社会に必要不可欠になる」という考えをお伝えいただきました。社会からこれまで以上に求められるサービスになるため、協会としても行政の支援を受け、引き続き教育を中心とした事業を鋭意取り組んでまいります。

 新型コロナ感染症の影響はまだ続きますが、皆さまにとって、良い年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。