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シリーズ/統計で見る理美容業の現状➀ 従業者の雇用形態と男女比~総務省統計「令和元年経済センサス基礎調査より」~

 例年10月末に公表されていた厚生労働省の「衛生行政報告例」において理美容所の軒数と従業理美容指数を確認することができていたが、令和元年度(令和2年3月末日現在)の統計は、コロナ禍により各自治体保健所の手が回らず、延期の状態が続いている。
 そんな中、各産業分野における事業所の活動状況を調査する「経済センサス」の統計が総務省統計局より12月25日付で公表された。

 このほど公開されたのは、「令和元年経済センサス基礎調査」の名目で、2019年6月1日から2020年3月末日にかけて実施されたもの。甲・乙2種類の調査方法があり、統計調査員がオンラインまたは郵送によって回収した回答票をまとめる今回の甲調査では、全体的な実数把握は目的としておらず、理美容業は合わせて約1万軒の事業所の回答が統計としてまとめられている。

表番号1「産業(小分類)、経営組織(4区分)別事業所数及び男女別従業者数―全国、都道府県」より

          理容    美容
対象事業所数    1,467     8,922
従業者数     4,464人   33,272人
   男     2,643人   11,409人
   女     1,794人   21,771人
うち常用雇用者数 2,629人   23,317人
1事業所当たり   3.04人    3.72人
従業者数

個人事業      1,276    4,374
従業者数     2,303人   12,117人
   男     1,434人   4,374人
   女      842人   7,651人
うち常用雇用者数  805人   5,148人
1事業所当たり    1.80人    2.77人
従業者数

法人        371     2,701
従業者数     2,161人   21,155人
   男      1,209人   7,035人
   女       952人   14,120人
うち常用雇用者数  1,824人   18,169人
1事業所当たり    5.82人    7.83人
従業者数


 厚生労働省の統計の場合、従業理・美容師数という表記になっているが、ここでは従業者数と表現されている通り、従業者が必ずしも理・美容師免許取得者であるとは限らず、レセプション専任者や清掃スタッフも含まれている。
 因みに、近隣業種であるエステティックおよびネイルサロンは、単独の産業コードを得ているが、産業小分類の統計の中では「その他の洗濯・美容・理容・浴場業」に一括されてしまうため各業ごとの現状把握は難しい状況になっている。