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ヘアモード誌上コンテスト/【テーマ】編み込みをアクセントにしたアレンジヘア

若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳しい視点での評価を行なっている「ヘアモード誌上コンテスト」。『HAIR MODE』創刊当初の1962年から続いている。時代性があるか、テーマが反映されているか、シンプルに構成されているか、モデルに似合っているか。これが、誌上コンテストの趣旨となっている。自分の基礎力を見つめ直したい、 力を試したいという方はぜひ挑戦してほしい。

【今月の課題】編み込みをアクセントにしたアレンジヘア(ヘアモード2020年10月号)

【総評】テーマを意識しているものの、編み込みの魅力を生かせていない

 今回のテーマにおいて、デザインとしてバランスが良いだけでなく、時間が経っても崩れない、料金を払う価値のある作品であることが重要です。中でも、編み込みの崩し方に関しては、バリエーションが多く見られました。また、顔周りの産毛を残してスタイリングするなど、時代性を表そうとした意欲が感じられた点は良かったと思います。
 しかし、ほとんどの作品で編み込みの構成が似ていた点が残念でした。また編み込みを施した部分は美しく仕上がっていても、正面から見ると違和感を感じるものが目立ちます。全体的に、編み込みという条件ばかりを意識している印象を受けました。編み込みの効果を上手く利用しながら、ヘアデザインを構成することが大切です。
 テーマである編み込みをどこに施したら魅力的に見えるか、デザインの構想に時間をかけると、さらに月間賞に近づけると思います。

ヘアモード編集部 小林真紀、有本 彩、山田 翼

<佳作1位>

01A_佳作1位_松井 怜2

01B松井 怜_L2

松井 怜 SHISEIDO(東京都港区)
ヴェールルージュ美容専門学校卒(美容歴11年)

トップから耳上へ向かって幅が太くなる編み込みや、リボンを絡ませたダウンスタイルに上品なかわいらしさを感じました。ショートバングのカジュアルな雰囲気もセミフォーマルなシーンにぴったりですね。(小林)

編み込みを顔周りにカチューシャのようにあしらい、フロントサイドの髪までしっかりまとめています。テーマに加え、出題文で示した「セミフォーマルなシーン」をしっかり想定してくださったのだなと思いました。(有本)

さまざまなシーンに似合いそうな、落ち着きのあるダウンスタイルです。編み込み部分と他の部分とのバランスがきれいでした。バックの、ダウンにした部分や前髪のスタイリングは、再考の余地ありです。(山田)

<佳作2位>

02B恩田 希_F2

02A_佳作2位 _恩田 希2

恩田 希 SHISEIDO(東京都港区)
新潟理容美容専門学校卒(美容歴9年)

応募作の中でもインパクトの強かった作品です。それだけ個性的なデザインでしたし、モデルの強い顔立ちにも似合っています。ただ、「セミフォーマル」を前提にすると、少しカジュアルすぎるかもしれません。(小林)

恩田さんのヘアデザインは、いつも個性的で楽しいです! 編み込みをセンターパートからM字に配するアイデアは新鮮ですが、ステキかどうかは疑問。また、セミフォーマルな洋服にフィットしないような?(有本)

ブラントなカットスタイルに編み込みを組み合わせてあるのが新鮮でかわいらしく、最初に目を引きました。ただ、編み込みを入れる位置やつくり方が、これでよかったのでしょうか? やや奇抜に感じました。(山田)

<佳作3位>

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澤田純希 VISAGE(千葉県柏市)
国際理容美容専門学校卒(美容歴14年)

フェイスラインだけでなく、モヒカンラインにも編み込みを配し、シンプルなショートスタイルに程よくポイントを加えていますね。ただ、サイドから見たときの崩し方がやや作為的に感じられました。(小林)

浮遊する髪をつくり、やわらかさを演出したのだと思いますが、少々うるさい印象です。正中線上の編み込みは、サイドから見るとシルエットに面白みを加えていますが、バックから見たときもかわいいのでしょうか?(有本)

ナチュラル感を残したスタイリングが個性的でした。編み込みの緩い感じが今っぽくて良かったのですが、毛先の遊ばせ方が、見る角度によってはやや雑に見えてしまい、もったいなく感じました。(山田)

<佳作4位>

04B吉川達朗_L2

04A_佳作4位_吉川達朗2

★ 吉川達朗 ANNABEL(京都府京都市)
関西美容専門学校卒(美容歴15年)

フォーマル感の強いセットアップですが、程よく崩して、編み込みを飾りのように配し、上手にカジュアルダウンされていますね。このモデルに似合わせるには少し大人っぽかったかもしれません。(小林)

フォーマルなアップスタイルながら、バングは薄くおろして今っぽさを出している点に吉川さんの工夫が感じられました。シルエットがもう一歩なのと、モデルのキュートさにもう少し寄り添えると良かったと思います。(有本)

カジュアル寄りのアレンジが多い中で、しっかりとアップにつくってきた点に、吉川さんの本気を感じました。崩し方にこなれ感を感じますが、その分、かたちをもう少しきれいにつくられたほうが良かったと思います。(山田)

<準佳作>

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小市匡也 VISAGE(千葉県市川市)
早稲田美容専門学校卒(美容歴14年)

ふんわり崩した編み込みがかわいらしいのですが、全体に、「締める」部分があるともっと良かったです。ヘアカラーがこのデザインの雰囲気に似合っていませんでした。(山田)

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和田瑞穂 VISAGE(東京都中央区)
日本美容専門学校卒(美容歴5年)

かわいくなりがちな編み込みですが、スパイシーで個性的な編み込みになっています。ひもで束ねた動きにも面白さを感じました。顔周りにもひと工夫あると良かった。(小林)

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三河圭司 VISAGE(東京都港区)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴19年)

全体としてはエレガントな雰囲気に仕上がっていますが、編み込みのアクセントが弱く、まとめたウエーブのほうが際立った印象でした。顔周りのつくり方もていねいに。(小林)

06_準佳作02_佐々木麻衣2

佐々木麻衣 佐々木美容院(岩手県花巻市)
盛岡ヘアメイク専門学校卒(美容歴16年)

ツインテールのつくり方など工夫が詰まっていますね! 繊細なおくれ毛に対し、編み込みからツインテールのデザインは強さが際立ち、そのちぐはぐさが気になりました。(有本)

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★★ 坂本朋広 VISAGE(千葉県市川市)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴16年)

強いウエーブはモデルのクセでしょうか。どちらにしても、このクセ毛を生かす方法は他にある気がします。編み込みもそうですが、特にノットが成り行きに見えます。(有本)

10_準佳作06_鈴木麻希2

鈴木麻希 Well(福島県福島市)
山野美容専門学校卒(美容歴10年)

大振りの編み込みを軸にした、思い切りのいい構成が面白いです。おくれ毛もかわいい。ネープのつくりが非常に重く、やや成り行き感を感じてしまいました。(山田)

12緑川依里1_B2

緑川依里 SAKURAYA(東京都昭島市)
国際文化理容美容専門学校卒(美容歴9年)

着物の女性にも提案できそうなエレガントな編み込みアレンジで、これ自体は完成されている気がします。ただ、もう少し時代性を感じるチャレンジを見たかった。(有本)

11_準佳作07_木多成明2

木多成明 Atelier JD PARIS(東京都大田区)
専門学校岡山ビューティモード卒(美容歴8年)

編み込みと三つ編みを立体的に組み合わせ、とても斬新なデザインになっています。創意工夫は感じられますが、セミフォーマルな場にはややふさわしくない印象がありました。(小林)

13岡田真由子_R2

岡田真由子
山野美容専門学校卒(美容歴1年)

髪の黒い部分を花飾りにするアイデアは素晴らしい! ……のですが、今回のテーマは「編み込み」です。次はテーマがはっきりとわかる作品をお待ちしております。(山田)

☆募集中☆【2021年1月号テーマ】カラーエクステをポイントにしたヘアデザイン(応募締切 10月20日(火)必着)

今やエクステは特別なものではなく、サロンにとってもお客さまにとっても身近なアイテムとなりました。
どこにエクステを付けているかが分かるように、ベースと異なる色のエクステを使ったヘアデザインをご応募ください。レングスやカットベースは問いませんが、奇抜なデザインではなく、時代性を加味した、オシャレなヘアデザインを期待します。

誌上コンテストへの応募要項と応募方法

■応募資格
美容師免許を取得した方。

■システム
ヘアモード編集部による厳正な審査の結果、お送りいただいた作品のうち優秀と認められたものは、誌面にて寸評とともに掲載する。
12カ月を通して、月間賞を3回獲得された方は、年間最優秀賞受賞者として表彰する。なお、各月間賞の年間賞に対する有効期限は1年間。たとえば、2020年9月号で獲得した月間賞は、2021年8月号まで有効。

※応募者の名前の横についている★マークは、その方の月間賞獲得回数
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、既に月間賞を受賞している方の★の有効期限を2カ月延長します

■特典
年間最優秀賞受賞者は、新人ヘアデザイナーとして企画「THE DEBUT!」をはじめ、「ヘアモード」誌での活躍の場が優先的に設けられる。

■応募方法
1.モデルは女性に限る。
2.作品はバストから上を写し、服は写さない。ピアス、イヤリングなどの装飾品は使用不可。
3.写真はカラーに限る。また、背景は白か灰色で撮影する。
4.1作品につき、3枚以上。正面と左、右など、アングルに明確な差をつけ、髪がしっかり見えるものを。

◎紙焼きの場合
作品をキャビネットサイズ(2Lサイズ)にプリントし、①テーマ名 ②氏名・サロン名 ③住所 ④電話番号 ⑤卒業学校名(正式名称を明記)⑥美容歴(現在)を記入した別紙とともに郵送。

【宛先】〒107-0062 東京都港区南青山5-15-9-201
(株)女性モード社 ヘアモード誌上コンテスト係

◎データの場合
「紙焼きの場合」と同様の①~⑥を明記の上、作品データ(タテ2200ピクセル以上×ヨコ1800ピクセル以上)をzipファイルにまとめてメールに添付し送付。件名は「HM1 誌上コンテスト_(テーマ名)/作品送付/氏名(サロン名)」とする。

【宛先】mezase-gekkansyo@j-mode.co.jp

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※本記事は、『HAIR MODE』2020年10月号に掲載

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