見出し画像

ヘアモード誌上コンテスト【5月号_審査結果】テーマ/ツインテール

 若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳しい視点での評価を行なっている「ヘアモード誌上コンテスト」。時代性、テーマ性、デザイン構成、モデルへの似合わせなど、投稿フォト作品をヘアモード編集部がさまざまな視点から厳正に審査する。

 5月号では、2作品が月間賞を獲得し、年間賞への王手が1人追加で2人に。
 また、7月号からは装いも新たに、審査員にHEAVENSの小松 敦さんが審査に参加。応募要項もお見逃しなく!

【今月の課題】ツインテール(ヘアモード2021年5月号)

【総評】バランス感覚に優れ、モデルに似合わせた作品が上位に
 サロンワークでも、常にヘアアレンジのバランスを意識されていると思います。全体的に完成度が高いため、オリジナリティをどのくらい入れられるかにも注目しました。ヘアアレンジにおいて、ウエイトを高く設定すると幼い印象に、低く設定すると大人っぽい印象になりますが、テーマであるツインテール自体に子どもっぽい印象があるため、大人にも似合うデザインであることが重要です。上位の作品は、王道のツインテールの位置にウエイトを設定しながら、大人に似合う、おしゃれなツインテールにまとめられていたと思います。ヘアカラーや編み込みでの工夫も見られ、顔周りで今っぽさや抜け感を表現した作品も多かったです。

 下位は、紐でまとめた作品が多い結果となりましたが、ツインテールは要素としての印象が強いため、工夫を凝らしすぎて、デザインとしてまとまりがないように感じました。モデルの顔の形がはっきりと出るヘアアレンジなので、骨格とサイドのボリューム感のバランスを考えながら、デザインを組み立てることが重要です。

 初出題のテーマとなりましたが、趣向を凝らしたものが多く、月間賞が2 作品誕生しました。新しいことに挑戦しようという意欲的なデザインが見られたため、とても良かったと思います。
ヘアモード編集部 小林真紀、有本 彩、山田 翼

<月間賞_1>

画像1

画像2

★★住吉沙耶香 資生堂美容室(東京都中央区)
資生堂美容技術専門学校卒(美容歴6年)

モデルの顔立ちに合った高い位置のツインテールにしており、凛とした印象に仕上がっています。ワッフルアイロンの質感や、抜け感のある前髪、すべてが好相性でとても素晴らしい作品!(小林)

結び目付近に髪を巻き付けてボリュームダウンさせることで、ツインテールがまっすぐ落ちるようにしている点が面白い! 従来のイメージを覆す、洗練された大人のツインテールデザインに仕上がっています。(有本)

「ツインテール」ということで、おだんご風スタイルが結構多いのではと秘かに期待していたところに届いたほぼ唯一の作品。期待以上のクオリティでした。かわいいのに、大人でも違和感なくできる点が素敵。(山田)

<月間賞_2>

画像3

画像4

★kuru nv7(東京都目黒区)
北海道理容美容専門学校卒(美容歴19年)

やや後ろめの位置に配し、ヘアカラーと編み込みで工夫されていますね。そのデザイン性と前髪のつくり方で、大人にも似合う、クールでオシャレなツインテールに仕上がっていると感じました。(小林)

テールの形状が新鮮! 編んだり結んだり巻き付けたりしながら、かたちを複雑にコントロールしていて、そのセンスはもちろん技術的にも素晴らしいです。 ヘアカラーと相まって近未来的なムードを感じました。(有本)

ストリートっぽいかっこよさあふれるツインテールですね。派手な色なのに、品よくまとめています。左右で異なる編み込みを組み合わせているのに、統一感があるのがすごいと思いました。(山田)

<佳作1位>

03A_佳作1位_石井秀明

03B_石井秀明_L

石井秀明 資生堂美容室(神奈川県横浜市)
横浜商業高等学校別科卒(美容歴16年)

低い位置でつくり、全体をストレートタッチにし、まさに大人に似合うツインテールになっています。長めの前髪を躍動的にスタイリングし、違和感なくまとまっていたのが良かったです。(小林)

モデルの涼やかな美しさを引き立てる、クールなデザインに仕上がっていて、石井さんの高い似合わせのスキルを感じました。タイトなトップとしっかり動かしたフロントのなじみが少し悪いように思います。(有本)

ツインテールをここまで大人っぽく、透明感高く仕上げるとは! テール要素は若干控え目ですが、その分、フロントの大胆なスタイリングでバランスを取っていて、構成力の高さを感じました。(山田)

<佳作2位>

画像7

画像8

★★ 坂本朋広 VISAGE(千葉県市川市)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴16年)

ボリューミーなウエーブヘアをオシャレにまとめていますね。ゴムでジグザグに編んでタイトにしつつ、毛先はボリュームを出した、見ているだけでハッピーな気持ちになるデザインです。(小林)

ハードなウエーブヘアをベースに、ひもを使ってかたちを操作しながらツインテールをつくるというアイデアが素晴らしい! ただ、タイトな部分とボリューミーな部分のバランスがもう一歩だと思います。(有本)

大変インパクトの強いカラー&ウエーブで、まずはその力技に目が引き付けられました。かといって、決してインパクト勝負ではなく要素の足し引きもお上手。坂本さんの策と実力を感じる作品でした。(山田)

<佳作3位>

05A 佳作3位_塚原茉里奈

05B_塚原茉里奈_L

塚原茉里奈 SHISEIDO(東京都港区)
東京マックス美容専門学校卒(美容歴3年)

幼く見えがちな耳上のツインテールを結び目から角をつくりながら真下に落とすフォルムにすることで、クールな印象に仕上げていますね。顔周りの後れ毛のつくり方にもっと丁寧さが必要です。(小林)

ツインテールを結ぶ位置を左右アシメにつくられていて、キメキメではない「ラフ」な雰囲気が今っぽいなと思いました。ひも使いもお上手です。一方で毛先の動かし方や質感は、「雑」に感じました。(有本)

結び目のランダムな動かし方がとても自然。子供っぽくなり過ぎない程度の茶目っ気が、モデルに合っていたと思います。生え際のスタイリングにやや成り行きっぽさを感じました。(山田)

<佳作4位>

画像11

画像12

澤田純希 VISAGE(千葉県柏市)
国際理容美容専門学校卒(美容歴14年)

針金で毛先の動きをコントロールしつつ、顔周りは細い三つ編みでカチューシャのような飾りをつくっているのがかわいらしい雰囲気でした。モデルの顔立ちとも合っていたと思います。(小林)

針金のようなものでツインテールを形づくっているのが面白いです。ただ、「つくりもの」感があって、リアルにお客さまに提案できるデザインだと思えませんでした。質感ももう少し丁寧に。(有本)

生え際の編み込み、針金(しかも黒!)づかいの意外性など、澤田さんだけの個性にあふれたオシャレな作品です。肝心のテールの動かし方は、もう少し違う形でも良かったのでは、と思いました。(山田)

<準佳作>

07_準佳作02_林 佐知子

林 佐知子 SHISEIDO(東京都港区)
高山美容専門学校卒(美容歴13 年)

裾広がりにしたシンプルなツインテールながら、細い三つ編みをアクセントにしていたところにオシャレなこだわりを感じました。
前髪や後れ毛のつくり方が少し雑になっていました。(小林)

画像14

南舘麻衣 VISAGE(千葉県市川市)
山野美容専門学校卒(美容歴13年)

とてもかわいらしいツインテールデザインで、お客さまにも喜ばれそう! 当コンテスト視点で申し上げれば、もう少し新しさと、プロならではのテクニカルなポイントがほしいところです。(有本)

画像15

★bassy nv7(東京都目黒区)
広島美容専門学校卒(美容歴12年)

今後、ダウンのツインテールが流行るのではないか? という期待を感じさせるような、品の良いスタイルで好感が持てました。全体のゆるウエーブが少ししつこいかも……。(山田)

10_準佳作05_尾花佑輔

尾花佑輔 資生堂美容室(東京都中央区)
早稲田美容専門学校卒(美容歴12年)

アレンジの工夫が施されたツインテールですね。ただ、ツインテールの毛先や、前髪のつくり方に雑さを感じました。もっと丁寧に髪を動かしてみましょう。(小林)

11_準佳作06_吉川達朗

吉川達朗 ANNABEL(京都府京都市)
関西美容専門学校卒(美容歴15年)

ブロッキングの取り方が特徴的で、それによってツインテールがモードに昇華されています。フロントはステキなのですが、両サイドから見たときにテールが重く見えます。(有本)

12_準佳作07_佐々木麻衣

佐々木麻衣 佐々木美容院(岩手県花巻市)
盛岡ヘアメイク専門学校卒(美容歴16年)

ちょっとアレンジを変えればフォーマルな場でも使えそうな、ハーフアップ風ツインテール。他の作品にはないかっちり感が素敵。でも、テールの三つ編み部分がやや要素として浮いています。(山田)

画像23

三河圭司 VISAGE(東京都港区)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴20年)

民族的な印象のツインテールですね。1方向だけではなく、3方向から見たときのデザイン的なポイントや見せ所がもう少しあると良かったです。(小林)

画像20

kimu nv7(東京都目黒区)
札幌ビューティ・メイク専門学校卒(美容歴15年)

ツインテールに「静」のムードをまとわせ、大人っぽく仕上がっています。ただ、一方のテールがもう一方に被さるようなセクションの取り方は、あまり素敵ではないような?(有本)

画像23

和田瑞穂 VISAGE(東京都中央区)
日本美容専門学校卒(美容歴5年)

不思議なリッジのウエーブをちりばめたり、サイドをピンでなでつけたりと、さまざまな要素に挑戦した意欲作。その発想力は申し分ないのですが、全体のバランスは今一歩でした。(山田)


画像23

小市匡也 VISAGE(千葉県市川市)
早稲田美容専門学校卒(美容歴14年)

ツインテールの毛先を外ハネさせて、大人でも似合うヘアアレンジに仕上げていますね。ただ、今回はもうちょっとツインテール感が欲しかった。(小林)

画像23

佐藤はづき VISAGE(千葉県市川市)
東京ベルエポック美容専門学校卒(美容歴5年)

編み込みからのゴム使いで、女の子が好きなアレンジの要素が詰まったデザイン。細部を丁寧につくることと、プロならではの提案を織り込むことを意識してみて。(有本)

画像24

藤牧 衛 VISAGE(東京都中央区)
中部美容専門学校卒(美容歴6年)

ノットのようなテールを並べた個性的な作品。面白いアプローチです。ただ、この路線でいくなら、もう少し「サラリと」仕上げたほうがオシャレなのでは。動きがややわざとらしいです。(山田)

19_準佳作14_玉城利佳

玉城利佳 Atelier JD PARIS(神奈川県川崎市)
専修学校ビューティーモードカレッジ卒(美容歴8年)

地毛の質感を生かした、ざっくりラフなツインテール。モデルにも似合っていますが、もう少しツインテールならではのデザインポイントがあると良かったと思います。(小林)

【2021年8月号のテーマ】ソバージュ(応募締切5月18日(火)必着)

フランス語で「野生の」という意味を持つヘアデザイン。全体的にラフで細かいパーマをかけたウエーブデザインで、ワイルドなイメージを持ちます。誌上コンテストではおなじみのテーマですが、「昭和」のそれとは異なる、現代風にアップデートされたデザインを希望します。また、ウエーブの質感の美しさやウエーブ以外の要素とのマッチングにも意識を向けて制作してみてください。レングスはミディアム~ロングを基本とし、表面のレングスがしっかりとある場合は、ショートボブやボブも可能とします。
たくさんのご応募を、お待ちしております!

速報❢❢

7月号から小松 敦さん[HEAVENS]が審査に加わります。
小松 敦賞のセレクトと作品寸評も掲載します。
8月号応募はまだ間に合いますので、奮ってご参加ください。

誌上コンテストへの応募要項と応募方法

■応募資格 美容師免許を取得した方。

■システム
ヘアモード編集部による厳正な審査の結果、お送りいただいた作品のうち優秀と認められたものは、誌面にて寸評とともに掲載する。
12カ月を通して、月間賞を3回獲得された方は、年間最優秀賞受賞者として表彰する。なお、各月間賞の年間賞に対する有効期限は1年間。たとえば、2021年5月号で獲得した月間賞は、2022年4月号まで有効。
※応募者の名前の横についている★マークは、その方の月間賞獲得回数

■特典
年間最優秀賞受賞者は、新人ヘ アデザイナーとして企画「THE DEBUT!」をはじめ、「ヘアモード」誌での活躍の場が優先的に設けられる。

■応募方法
1.モデルは女性に限る。
2.作品はバストから上を写し、服は写さない。ピアス、イヤリングなどの装飾品は使用不可。
3.写真はカラーに限る。また、背景は白か灰色で撮影する。
4.1作品につき、3枚以上。正面と左、右など、アングルに明確な差をつけ、髪がしっかり見えるものを。

◎紙焼きの場合
作品をキャビネットサイズ(2Lサイズ)にプリントし、①テーマ名 ②氏名・サロン名 ③住所 ④電話番号 ⑤卒業学校名(正式名称を明記)⑥美容歴(現在)を記入した別紙とともに郵送。

【宛先】〒107-0062 東京都港区南青山5-15-9-201
(株)女性モード社 ヘアモード誌上コンテスト係

◎データの場合
「紙焼きの場合」と同様の①~⑥を明記の上、作品データ(タテ2200ピクセル以上×ヨコ1800ピクセル以上)をzipファイルにまとめてメールに添付し送付。件名は「HM1 誌上コンテスト_(テーマ名)/作品送付/氏名(サロン名)」とする。

【宛先】mezase-gekkansyo@j-mode.co.jp