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リーゼントスタイル/ヘアモード誌上コンテスト

「ヘアモード誌上コンテスト」とは・・・
若手ヘアデザイナーの育成とスキルアップを目指し、厳しい視点での評価を行なっている「ヘアモード誌上コンテスト」。創刊当初の1962年から続いている。時代性があるか、テーマが反映されているか、シンプルに構成されているか、モデルに似合っているか。これが、誌上コンテストの趣旨となっている。自分の基礎力を見つめ直したい、 力を試したいという方はぜひ挑戦してほしい。

【課題】リーゼントスタイル

【総評】テーマ性と似合わせに加え、今っぽさを意識した作品が上位に

 長時間の撮影を避けるため、ヘアカラーを用いた施術を断念した方もいるかと思います。さまざまな制約がある中、感染拡大防止に努めつつ、ご応募いただきましてありがとうございました。
 全体的に、サイドからバックにかけてなでつけるという、リーゼントスタイルのポイントはしっかりと押さえられていました。そのため、テーマへの理解に加えて、毛流れの美しさや毛先の動きを今っぽくつくれているかが上位と下位の差につながりました。リーゼントスタイルは縦長のシルエット。サイド~バックにかけてシェープするため、顔立ちが強調されやすいスタイルであり、特にモデルへ似合わせる力が問われます。下位の作品に関しては、サイドのシェープにばかり意識がいき、トップとのバランスが上手く取れていないものが目立ちました。トップのセクションをどれだけ残すか、顔にどのようにおろしていくか、という点で工夫が見られれば、さらに上位に上がれたと思います。
 シェープが成り行きになると、バックの処理で戸惑ったり、ボリュームがコントロールできなくなります。バックセンターから生まれるアウトラインもリーゼントスタイルの見どころの1つなので、次回はモデルの髪質を踏まえて、360度計画的にデザインされた作品を期待しています。

ヘアモード編集部 小林真紀、有本 彩、山田 翼

月間賞

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★★ 坂本朋広 VISAGE(千葉県市川市)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴16年)

サイドパートを取り、左サイドは潔くタイトに、右サイドはトップからの毛流れと調和しながらシェープしています。やわらかなウエーブ感と相まって、とてもエレガントなリーゼントスタイルに仕上がっていますね。(小林)
サイドパートを取り、ヘビーサイドを分け目からやわらかく立ち上げることでトップにふんわりとボリューム感を出す方法が面白い! 額に落とした毛束、ヘビーサイドの毛流れなど、とても繊細につくられていて美しかったです。(有本)
オリジナリティのあるリーゼントで素敵な作品です。サイドのシェープは、リーゼントっぽいギリギリの範囲内でやわらかくつくってあって、トップのふんわり感ともマッチしていました。おそらく、もともとのヘアカラーなのでしょうか? 右サイドの指し色が、スタイリングにぴったりでしたね。(山田)

佳作1位

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澤田純希 VISAGE(千葉県柏市)
国際理容美容専門学校卒(美容歴14年)

サイドシェープはシンプルな一束でつくり、バックまで続くモヒカンラインの遊びに重点を置いた作品ですね。サイドから見たときにその面白さを感じる一方で、正面のカールのつくり方にもうひと工夫欲しかった。(小林)
サイドから見たときの、アウトラインを構成する毛束のつくり方が、美しいです。一束に結び、サイドを締める方法も面白いのですが、故にリーゼントの肝であるシェープが弱い。あと、骨格に対しての似合わせが今ひとつです。(有本)
トップの大胆な遊びとサイドのシェープのコントラストが目を引く作品です。横から見たときの一束にはびっくり。正統性と意外性が同居していて面白い作品だと思いましたが、あと少し要素をマイナスしてシンプルにすると、さらに良くなったと思います。(山田)

佳作2位

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三河圭司 VISAGE(東京都港区)
ハリウッド美容専門学校卒(美容歴19年)

モデルのクールな雰囲気とリーゼントスタイルがマッチした作品でした。ただシェープの甘さと、ウエーブの作為的な動きや束感が気になります。束感の太さも重たくもさっと見え、抜け感のない印象につながっています。(小林)
大胆なウエーブを付けてリーゼントスタイルを構成しようとする挑戦は素晴らしいです。しかし、シェープとウエーブ部分が分離しているように思います。また、丁寧につくろうとする意思が感じられなかったのが、残念です。(有本)
ジェンダーレスなカッコよさを全面に出した作品。短い髪を思い切り動かし、またしっかりシェープさせたチャレンジ精神と意欲がすばらしいです。ただ、面の部分も動かした髪も、その仕上がりが美しく見えませんでした。(山田)

準佳作

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吉川達朗 ANNABEL(京都府京都市)
関西美容専門学校卒(美容歴15年)

サイドのバックへのシェープが丁寧になされている点に好感が持てます。ただ、特に左サイドから見たトップが大きすぎますし、動きも少ないので、とても重たく見えました。(有本)

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佐々木麻衣 佐々木美容院(岩手県花巻市)
盛岡ヘアメイク専門学校卒(美容歴16年)

サイドをウエットにシェープしながら、耳周りにフリンジを残して遊ばせたり、デザインカラーしたりするなど、随所に工夫が見られます。メイクにも気を配れると良かったですね。(小林)

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鈴木麻希 Well(福島県福島市)
山野美容専門学校卒(美容歴10年)

髪色や、トップの結び目に冒険心を感じて良かったです。サイドの毛流れがリーゼント・シェープまで及ばず、ただ「耳かけスタイリング」をしたように見えました。(山田)

【2020年12月号のテーマ】フィンガーウエーブ
☆応募締切9月15日(火)必着☆

フィンガーウエーブとは、毛髪にセットローション等の スタイリング剤をつけて、指とコームでつくるウエーブを指します。国家試験の受験時に、懸命に取り組んだ人も多いでしょう。定義を踏まえた上で、レトロでクラシカルなフィンガーウエーブを現代にも通用するように、魅力的に表現してください。平面的なうねりの毛流れの美しさなど、フィンガーウエーブに欠かせない要素は生かしましょう。レングスは問いません。ダウンスタイルにしても、まとめ髪にしても構いませんが、主役はあくまでもフィンガーウエーブ。 その点に注意してデザインを組み立ててみてください。

■過去の「フィンガーウエーブ」作品
※「フィンガーウエーブをあしらったパーティヘア」

2016年12月号月間賞1

2016年12月号月間賞

2016年12月号月間賞2

2016年12月号月間賞

誌上コンテストへの応募要項と応募方法

■応募資格
美容師免許を取得した方。

■システム
ヘアモード編集部による厳正な審査の結果、お送りいただいた作品のうち優秀と認められたものは、誌面にて寸評とともに掲載する。
12カ月を通して、月間賞を3回獲得された方は、年間最優秀賞受賞者として表彰する。なお、各月間賞の年間賞に対する有効期限は1年間。たとえば、2020年9月号で獲得した月間賞は、2021年8月号まで有効。

※応募者の名前の横についている★マークは、その方の月間賞獲得回数
※新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、既に月間賞を受賞している方の★の有効期限を2カ月延長します

■特典
年間最優秀賞受賞者は、新人ヘアデザイナーとして企画「THE DEBUT!」をはじめ、「ヘアモード」誌での活躍の場が優先的に設けられる。

■応募方法
1.モデルは女性に限る。
2.作品はバストから上を写し、服は写さない。ピアス、イヤリングなどの装飾品は使用不可。
3.写真はカラーに限る。また、背景は白か灰色で撮影する。
4.1作品につき、3枚以上。正面と左、右など、アングルに明確な差をつけ、髪がしっかり見えるものを。

◎紙焼きの場合
作品をキャビネットサイズ(2Lサイズ)にプリントし、①テーマ名 ②氏名・サロン名 ③住所 ④電話番号 ⑤卒業学校名(正式名称を明記)⑥美容歴(現在)を記入した別紙とともに郵送。

<宛先>〒161-0033 東京都港区南青山5-15-9-201
(株)女性モード社 ヘアモード誌上コンテスト係

◎データの場合
「紙焼きの場合」と同様の①~⑥を明記の上、作品データ(タテ2200ピクセル以上×ヨコ1800ピクセル以上)をzipファイルにまとめてメールに添付し送付。件名は「HM12 誌上コンテスト_(テーマ名)/作品送付/氏名(サロン名)」とする。

<宛先>mezase-gekkansyo@j-mode.co.jp

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※本記事は、『HAIR MODE』2020年9月号で掲載しています