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外国語の学び方

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外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
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#フランス語

やはりリスニングって大事なんだなって

最近、急にフランス語が聞こえるようになりました。 先週くらいからかな……先々週までは聞こえなかった気がする。 いつものように討論番組を聴いていたところ、 内容を理解できている自分に気づきました。 ブレイクスルーは、ある日突然やってきて、 あまりの唐突さに、呆気に取られて、感動する暇さえ与えません。 仕事に直結する英語、最優先の外国語であるドイツ語とは異なり、 フランス語は「趣味の外国語」として接してきたので、 「分からなくても良いから響きを楽しみたい」程度に、 何年もちん

フランス語とイタリア語

ラテン語の現在の姿である「ロマンス諸語」の中で、イタリア語はスペイン語とよく似ていて、イタリア人とスペイン人(スペイン語人)は互いの言葉で意思疎通がある程度可能だと言われます。 ただ、フランス語とイタリア語とスペイン語を勉強した僕の印象からすると、語彙の面ではイタリア語はフランス語の方がよく似ています。 スペインはイスラム教の国による支配が長く続いたこともあり、日常的な語彙にアラビア語の単語が多く含まれているからです。 もちろん、フランス語もケルト人やゲルマン人などの言

曖昧な英語

それぞれの言語に分かりにくい文はありますが、仕事柄英語に触れる機会が多いため、英語を読んでいて「ん?どっちだ?」となることが多々あります。 その多くは、コンマの有無(恐らく英文法的には不要だけれど、あった方が格段に読みやすい)や、性の不存在と言うものが原因ではないか、と思います。 英語はフランス語やドイツ語に比べてかなり単純化された言語です。 だからこそ、色々な解釈の可能性が出てきて、複雑な文になればなるほど、意味が一つに定まらないことも多いです。 ですが、ここではごく

【どれを学ぶ?】イタリア語、スペイン語、フランス語

今回は、フランス語、イタリア語、スペイン語のうち、どれが学びやすいかについて、独断に基づいて書いていこうと思います。 いずれもラテン語から派生したロマンス諸語(romantic languages)に属していますが、同じくロマンス諸語に属するルーマニア語やポルトガル語等との比較は省きます。時間をかけて学んだことがないためです・・・。 「学びやすさ」というのはとても恣意的で、人によっても異なると思います。ここでは僕個人が学んでみた感想を書かせていただきます。 この上で、3

なぜタンタンとハドック船長は「vous」で話すのか

僕にとってベルギーと言えば「タンタンの冒険旅行」です。 子どもの頃読むのが好きだったコミックですが、元々はベルギー生まれのこの作品、原語はフランス語です。 タンタンをフランス語で読み始めて感じた違和感が、主人公のタンタンと準主人公のハドック船長がお互いに「vous」で話している、という点です。 日本語版だと、確かタンタンは船長に丁寧語で話していますが、ハドック船長はタンタンに対してタメ口で話していたような気がします。 タンタンはああ見えて(失礼?)14~17歳くらいの

【フランス語】消えている気がする

「読まれないスペル」の話ではなく、「読まれているはずなのに読まれていない音」の話です。 フランス語を聞いていると、二つの単語の「語尾」と「語頭」に、「T」あるいは「D」が来ると、そのうちの1つしか発音していないように聞こえるのです。 例えば、ブレグジットの話で出てきた「関税権」については、 droit de douane (ドルワ・ド・ドゥワヌ) と言いますが、何回聞いても droit douane (ドルワッ ドゥワヌ) と言っているように聞こえるのです。 「

【仏語】おススメの文法練習本

 こんにちは。  今回は、僕がDELFB2~DALFC1を受けるための準備期間に使用していたおススメの文法練習本をご紹介します。  これは英語で書かれた本なので、英語に抵抗がない人に特におススメしたい本です。 McGraw-Hill社の「Complete French Grammar」という本です。 この本の一番良いところは、「とにかくフランス語で作文をさせまくる」ところだと思います。 これは語学学習の鉄則だと思うのですが、能動的に使えるようになりたいのならとにかく

【仏語】よく聞き取れない表現を解読する

 フランス語はとても早口で話されて、時にはリエゾンや母音の省略などが生じて、「何を言っているのか分からない単語の塊」が聞こえることがあります。  しかも、フランス語の音はスペルから受ける印象よりもずっと短く発音されることが多いので、頭の中でスペルを思い浮かべている間に、あっという間に置き去りにされてしまうこともしばしばです…。  今回は、これまでリスニングでよく聞き取れなかったフランス語の表現を、僕の残念な「日本語耳」が聞き取ったとおりに、ひらがなで表記してご紹介したいと

耳で聞くときの「仏文法」

こんにちは。いつもお読みくださいましてありがとうございます。 以前、フランス語の新しい綴り字を自分で考えたという話を記事に書かせていただきました。 フランス語は「書かれたとおりに読まれない」とよく言われる言葉なので、読み書きをするときに意識が向かう点と、聞き話すときに注意すべき点が微妙に異なっていて、リスニングするときにそれが難点になったりします。 今回は、新しい綴り字を考えた際に見えてきた、「耳の仏文法」についていくつかご紹介したいと思います。 1.子音で終わる単語

発音について

外国語の発音が上手に越したことはない。 だけれども、発音が通じないのではと恐れるあまり喋れなくなるのは一番良くない。 たまに、外国語なんてブロークンで言い、発音が悪くても、単語を並べるだけでも、相手に通じれば良いんだ、と言うことを耳にすることがあるが、自分はそうは思わない。 日本語を話す外国人と会話したことのある人なら経験があるかもしれないが、クセのある発音はネイティブ側が「これはこう言いたいのかな?」と一つひとつ考えながら自分の頭の中で音を調整している。 つまり、ネ

「発音は綺麗であるべき」という呪縛

 語学において「発音」は、容姿のようなものです。語学能力の中にはぱっと目に見えないものがあるなかで、発音は一番目に留まりやすい尺度だからでしょう。  発音が綺麗だと印象がグッと上がるし、悪いとどんなに中身のあることを言っていたとしても「でもあの人の発音悪いからな」と言われてしまう。発音は人を褒めるのにもそしるのにも使われるのです。発音は顔みたいなものだから、まあ、見てくれが良いことに越したことはないわけです。  そういう意味で、「私は●●語ができます」と公言するのは、よっ

【語学】「言い分け」は「聞き分け」の前提としてとても大事!

 10年ほど前、大学時代に荒川清秀先生のNHKまいにち中国語を聞いていました。  印象に残っているのが、先生の、「聞き分けができなくても、まずは言い分けができるように練習してください」という言葉。  中国語は結局挫折してしまったものの、このアドバイスは今でも自分の語学学習の中に生きています。  リスニングを鍛えるには、まずスピーキング、特に発音をしっかりすることからだと思います。自分の口でしっかりと発音を区別できることが大事です。そうすることで、母語にはない似た発音の「

【語学】単語は忘れるうちに覚えていく

単語帳は自分には合いませんでした・・・単語は単語帳で勉強される方が多いと思います。市販のものだったり、紙や「ANKI」などのアプリを使った自作の単語帳だったり。 僕も使ったことはあるのですが、何故か単語帳で覚えた単語というのは、直ぐに忘れてしまい、あまり効果はなかったのです。 僕が感じた、単語帳で勉強する際のデメリットは以下のとおりです。 ➡ 文脈がないと覚えにくいし、覚えたとしても使い方が分からない。 ➡ 単語の重要度に関係なく、新しい単語を常に単語帳に登録したくな

フランス語の音が初めて「見えた」日

フランス語は「書かれたとおりに読まない」とよく言われる言葉ですよね。 例えば、動詞の語尾の活用ですとか、複数形の-sですとか、「書くんだけれども実際には読まない」というもの(「黙字」)が結構あります。 また、同じ発音にも色んな書き方のパターンがあったりします(vingt 20、vinワイン、vain無駄な、vaincs勝つ 等)。 この意味では、フランス語のスペルは意味を区別する「漢字」のような役割をしていると言えるかと思います。 個人的には、この「書くのに読まない」