マガジンのカバー画像

外国語の学び方

125
外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
運営しているクリエイター

#毎日note

僕の外語読書記録

これまで語学の学習がてら読んできた本をエクセルの表にしてまとめるようにしています。 英語の洋書には、書名を入力すれば文字数が出てくる便利なサイトがあるのですが、全ての本を網羅しているわけではないことや、英語に限られてしまうため、僕は「ページ数」を使っています。 ページ数であれば、アマゾンでも調べることができますし、古本でも手元にある本のページ数を数えれば良いので楽です。 このページ数は結構曲者で、もちろん本のレイアウトによって1ページにある文字数は異なりますし、全く文の

【語学】負のモチベーションの話

また個人的な話です。フランス語の話です。 僕にとってフランス語は、「なぜ勉強しているのか分からないけれど、なぜか勉強を続けている」言語です。 正直なところ、フランスにはそれほど興味がありません。 どちらかと言えば、長らく外交言語として使用されてきたフランス語が象徴している国際的なイメージに惹かれて勉強しているのだと思います。 毎日のように、フランス語の音声が聞き取れなくて、フラストレーションが溜まって、「もうやめる、フランス語なんか勉強したくない」と思い、一生懸命フラ

語学は「文字」ではなく「音」

私たち日本人は、約2千の漢字を日常的に使っており、それにより耳では聞き分けができない同音異義語を使い分けているので、言語の学習において目から得られる情報がとても重要です。 ですが、文字の発明は言語の誕生よりもずっと後のことですし、言語に必ずしも文字が必要というわけではないようです。 もちろん、正しいスペルで書けるというのは教育水準を測る一つの目安になりますし、間違いがないスペルが書けるに越したことはないのですが、 新しい言語を勉強する際には、発音や文のメロディに重点を置

語学は終わりのない旅。

まだ語学検定とかで目標地点が定められているうちは良いんです。 でも、その到達地点に達しても、当たり前であるかのように道はまだまだ続いています。 そしてその道は、決して終わることがありません。 ドイツ語を習いたてのとき、「ドイツ語をマスターしたいです」と言いたくて、「Ich möchte Deutsch beherrschen.」と言ったところ、 先生に、 「beherrschen? 言語をマスターすることなんて誰にもできないよ。ネイティブでさえも。語学には終わりがな

語学に独創性はいらない

結局のところ、語学は「物まね」から始まります。 カッコいい表現、綺麗だと思う組み合わせを思いついても、それがネイティブに受け入れなければ「×」になります。 語学に独創性は要らないのです。 語学は、何でも自由に表現できるように見えて、実は細かく使い方が制限されている道具です。しかも説明書にないところまで決まりが多いので、結局「使い手」とされるネイティブの使い方を見様見真似で習うしかない。 相手がいてようやく成り立つ道具なので、独創性より共通性が必要になります。 そのため

複数の言語を学ぶことの現実的な問題

語学にハマってから早くも今年で20年を迎えることになります。 今まで色々な言語を学んできて、多言語話者(マルチリンガル、ポリグロット等呼び方は色々ありますが)になりたいと夢見てきました。 一応、プロフィール上では「マルチリンガル」と書いていますが、実際のところは結構怪しいです。 10言語話したい、20言語話したい、はたまたそれ以上・・・という夢を持ち、語学勉強に取り組んでいる人は少なからずいらっしゃると思います。 突然ここで「現実」を示すのもあれなのですが、 全部の

なぜタンタンとハドック船長は「vous」で話すのか

僕にとってベルギーと言えば「タンタンの冒険旅行」です。 子どもの頃読むのが好きだったコミックですが、元々はベルギー生まれのこの作品、原語はフランス語です。 タンタンをフランス語で読み始めて感じた違和感が、主人公のタンタンと準主人公のハドック船長がお互いに「vous」で話している、という点です。 日本語版だと、確かタンタンは船長に丁寧語で話していますが、ハドック船長はタンタンに対してタメ口で話していたような気がします。 タンタンはああ見えて(失礼?)14~17歳くらいの

頭が良い人が必ずしも語学が得意ではない理由

語弊があるタイトルですが、僕が前職のときに常々考えていたことです。 前職での一番上の職種は、非常に難しい試験を受けて就職してきている人たちで、出身大学も名門大学ばかり、実務でも一を聞いて十を知るタイプの人が少なくありませんでした。 一方で、語学力に関して言うと、すごく悪くというわけではないのですが、彼らの知的能力と同じくずば抜けて優れている、というわけでもありませんでした。 どちらかと言えば不自由している人のほうが多いのです。 留学を誰もが経験しているにも関わらず、で

複数の言語を勉強して混乱しないのか?

言語の組み合わせにもよりますが、僕は混乱します。 互いに構造面で似ている点が多い言語を二つ勉強すると、理解は早いのですが、作文や会話、特に会話になると、途端に混乱が生じます。 僕の場合は、ドイツ語で話し慣れていたところに急に英語で話を振られたら、とてもたどたどしくなります。1時間くらい話さないと英語に頭と体が慣れてきません。 そのため、スイッチのように言語の切り替えが綺麗にできる人が本当に羨ましいです。 これが、ドイツの外で働いていた時は逆でした。職場で使う外国語と言

英語と違うドイツ語の冠詞の使い方

「私は学校へ行きます」と英語でいう時は、 I go to school.  と言い、この時は「school」に冠詞がつきません。 この「冠詞のないschool」は、「勉強する場所」という、学校の「機能」を表しているもので、具体的な目的地としての「学校(建物)」を表してはいません。 日本語の「学校に行きます」には、「学校を訪問します」と、「通学します」の二つの意味がありますが、上記の英語は後者を意味します。 なので、例えば、保護者であるお母さんが、三者面談などで「学校

語学をするのに文法は必要か?

という「疑問」は、語学学習の際によく出てくる質問だと思います。 個人的には「サッカーをするのにサッカーボールは必要か?」という質問のように感じてしまいますが・・・。 「文法は覚えなくていい」という話が語学界隈では後を絶たないのを見る限りでは、文法に対して抵抗感を抱いている人は少なくないのだと思います。 文法は、スポーツで言う基礎練習、「型」を覚える練習に該当します。その後に待っているネイティブとの楽しい会話と違って地味で辛いものですが、ここは我慢して取り組む必要がありま

【語学】知っている内容のものを聴く・読む

 リスニングやリーディング力を鍛えるために僕がよく行っているのが、「内容を知っているものを聴いたり読んだりする」というものです。  ニュースであれば既に日本語等で読んでいて内容がだいたい頭に入っているものを別の言語で読んだり聴いたりしますし、本であれば自分がよく知っている分野のものを読むようにしています。  何故かと言うと、読む前・聞く前から、どんな内容かが予想できており、内容ではなく言葉の使い方のほうにより集中することができるからです。  個人的には、母語以外の言語で

【語学】語学は現地で学ぶべきか?

「学びたい言語の母語話者が住む国で言語を学ぶべきか」というテーマはよく耳にするものだと思いますが、個人的には「行けるなら絶対に行ったほうが良い」と思います。  ただここにも落とし穴があって、「その国に行けばみんな語学が上達する」というのは正しくありません。実際、ドイツに何十年も住んでいるけれどドイツ語が一向にうまくならない、という人は少なくありませんし、留学したからと言って必ずしも語学が上達するとは限りません。  ただ、その国に行くことで、「語学の上達スピードを速める機会

語学を学ぶには文化も学ぶ必要があるか

 僕の苦手分野の一つが、「文化」です。  絵画とか音楽とかは好きなのですが、  その国独自の文化とか、年中行事とか、そういうことにはあまり興味がないのです。 ドイツについて言えば、サッカーも、ビールも、ソーセージも、特に好きというわけではありません。  では、ドイツ語はなぜ勉強を始めたかというと、ずばり、「ドイツ語に興味があったから」です。  全ての名詞を大文字で書くという正書法が何だか斬新でカッコいいと思いましたし、ドイツ語の響きと文のメロディーがとても気に入っ