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外国語の学び方

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外国語に興味のある方、外国語の勉強法について悩んでいる方に対して、耳よりな情報を紹介しています。
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2021年4月の記事一覧

お坊さんになれなかった男の話

現在、ドイツに留学し、ドイツ語と英語と日本語の通訳の勉強をしている僕ですが、外国に行き新たな出会いや刺激があると、他のこと(主に言語)に浮気してしまいがち。フランス語やロシア語、そして最近は再び中国語にウツツを抜かし始めています。 そんな時、いつも頭の中に浮かぶ話があります。 中高生の時でしょうか、徒然草の現代語訳(とマンガ)を読んだときに、一番印象に残るとともにトラウマにもなった逸話です。 その話は、「徒然草」188段。 ある人が息子をお坊さんにさせようとしたのです

辞書と語彙力の限界

僕が使っているドイツ語の電子辞書に、最近、リーダーズ英和辞典の追加コンテンツを入れました。 カシオのExwordの電子辞書は、英語以外の言語バージョンの場合、英語はジーニアスまでしか入っていないので、考えてみると大学生以来久々にリーダーズを引くことができるようになりました。(大学生時代は小学館の重たい独和大辞典を持ち歩いていました) 試しに英語のスパイ小説を読んでみたのですが、流石リーダーズ、かなり多くの表現が掲載されています。そのお陰で、ジーニアスだけを使っていた時より

苦手は克服できるのか

「苦手克服」と言いますが、苦手は克服できるのでしょうか。 僕はこの点については結構悲観的です。苦手克服の成功体験がないためです。 ある程度歳をとるまでは、色んなことに挑戦するべきだと思うのですが、それは恐らく「苦手を克服」するのではなく、「得意分野を見つける」ことに時間を割くべきなのではないかと思います。 それ以降は、その得意分野をとにかく高めていくことに時間をかけていく。それでも苦手は苦手のままなのですが、得意なことで苦手をカバーする方が、効率的だし現実的だと思うよう

中国語のピンインの覚え方

 以前、中国語を勉強していた際に、どうやれば効率的にピンインを覚えられるかを考えて、上の写真のようなリストを作るに至りました。  ご覧のように、ピンインの頭文字(反り舌子音はhもつける)に四声を付け足すだけ、というものです。  よくよく考えてみると、必要なのは四声と最初の子音だけで、その後の母音(ai, eng, unなど)は記憶から呼び起こせたり、漢字の旁(つくり)から類推できることが分かったためです。  このリストを作っていたときはMacを使用していたので、この

英文和訳≠英文翻訳

英語を学校で勉強する際の「英文和訳」は、実際の「英文翻訳」とは違うものです。 「英文和訳」の目的は、英語の構文を理解できているか、を測るもの。 そのため、日本語としてこなれていなくても良いですし、むしろ直訳体が好まれます。 直訳体とはまさに、他の言語の文章を「原文に忠実に」訳すことですから、それを見れば原文の構造が透けて見えるわけです。 この「英文和訳」は、古文の授業の「現代語訳」とも似ています。 古文の授業では、助動詞の訳し方などが基本的に決まっていて、それをパズ

単語学習の落とし穴

語学の勉強が好きな僕ですが、英語に関してはどうも伸びが感じられません。 英書を読むと、いつまで経っても知らない単語が多かったり、翻訳や通訳の際にどうしても訳がぎこちなくなったり・・・ どうしてなのだろう?と、その理由を2つほど考えてみました。 1つ目は、そもそも英語は語彙が非常に多い言語であるということ。 「単語」をどうカウントするかには諸説あるので一概には言えないですが、例えば英語は60万語以上の語彙があるのに対して、ドイツ語は30~50万、フランス語は10~30万