あのころの東京に、出かけよう。「乗換案内1993」登場!
ジョルダン乗換案内X(旧Twitter)担当の「部長」です。
2023年、乗換案内は発売30周年を迎えました。
これまで、記念イベントや初めてとなる乗換案内オリジナルグッズの販売、30年の歴史を振り返る特設サイトの開設などの記念企画を実施してまいりました。
そんな30周年イヤーを締めくくる企画として、2023年12月15日、「乗換案内1993」が登場します!
「乗換案内1993」とは
「乗換案内1993」は、ジョルダンが1993年に発売した初めての乗換案内である、電子ブック版「東京乗換案内 ’93~’94」のインタフェースと経路検索をWeb上に再現したものです。
電子ブックは今でいう「電子辞書」の先駆けとなる存在で、ソニーが1990年代初頭に登場させた規格です。8cm CD-ROMを収めたカートリッジがソフトとして販売され、これを電子ブックプレーヤーにセットして使いました。
電子ブックプレーヤーはあくまで収録されたデータを再生する機器であったため、「東京乗換案内」はあらかじめ検索した経路のデータをCD-ROM内にすべて収録するという方法で乗換案内を実現させています。
覚えている方もいらっしゃるかと思いますが、昨年(2022年)10月14日、鉄道開業150周年記念となる「鉄道の日」に、私たちは150年前の経路検索を再現した「乗換案内1872」をリリース。ありがたいことに、たちまちメディアやSNSなどで大きな話題になりました。
その際、Twitter上などで「ほかの年の乗換案内も見てみたい!」というお声をたくさん頂戴しました。
そこで今回は、乗換案内30周年の節目にあわせ、ジョルダン乗換案内のデビューイヤーである「1993年」の乗換案内を、当時のデータを使って蘇らせよう!ということで企画されました。
当時の操作感とともに、1993年の東京の懐かしい鉄道網の様子を、自分の手で確かめてみてください。
検索してみよう
今回再現した「東京乗換案内 ’93~’94」は、現在の乗換案内と違い、プログラムによる経路検索機能を持ちません。前述の通り、「電子辞書」を想定して作られた規格なので、「東京乗換案内 ’93~’94」もまるで辞書のように検索していただくことになります。
今回は、電子ブックプレーヤーのインタフェースをブラウザ向けにアレンジ。キーボード入力といくつかのボタンの操作で、当時の検索操作を疑似体験いただきます。
収録内容
東京近郊のJR、地下鉄とおもな私鉄約800駅の経路検索データを収録しています。詳しくは「各鉄道会社の路線範囲」をご確認ください。
入力のルール
さて、その検索の方法ですが、基本的なルールは大きくふたつ。
① ひらがなで検索区間を入力する
「出発駅の読み(ひらがなで5文字まで)」と「到着駅の読み(ひらがなで5文字まで)」を「ー」(長音記号)でつないで入力します。電子ブックでは、見出し語をひらがなで入力し検索していたからです。
② 駅名の先頭にくる「会社名を示す部分」は除いて入力する
具体的には、次の部分は入力しません。
・えいだん(営団)
・おだきゅう(小田急)
・けいおう(京王)
・けいきゅう(京急)
・けいせい(京成)
・せいぶ(西武)
・とうぶ(東武)
例)「営団成増」駅は「なります」と入力します。
検索例
「大船~新宿三丁目」の経路を検索する場合は、検索窓にひらがなで
[おおふなーしんじゅく]
と入力して「YES」を押します。
すると、発着候補が表示されますので、希望の経路を上下キー(「︿」または「﹀」)で選択し「YES」を押します。
※「読みは5文字まで」「会社名は読みに含まない」というルールなので、読みが「しんじゅく」となるほかの駅(新宿、新宿御苑前、西武新宿)も候補に表示されます。
なお、発着を逆にして「しんじゅくーおおふな」と入力して検索しても、結果は同じ「大船~新宿三丁目」が表示されます。電子ブックに少しでも多くの経路検索結果を収録するために、往復は同じ経路であるとみなし、片道だけの収録にして、データ量を節約しているんですね。
検索結果の見方
検索結果には、標準所要時間、運賃と経路の明細が出力されます。
運賃は、総額と各社の内訳が表示されます。
当時の東京の電車って・・・?
「こんな検索試してみた」5選
「1993年の東京の鉄道網ってどんな感じだったのだろう・・・?」という方のために、特徴的な検索例をいくつかピックアップしてみました。
ぜひ、お手元でも試してみてください。
① 赤羽岩淵~四ッ谷
1993年時点では、営団地下鉄南北線(現 東京メトロ南北線)は駒込~赤羽岩淵間のみの路線で、他の営団地下鉄線からは孤立した路線でした。
赤羽岩淵~四ッ谷間が南北線一本で結ばれるのは1996年のこと。その後も少しずつ延伸を重ねて2000年に全線が開業します。その後も直通運転のネットワークが拡充し、今年(2023年)3月には相鉄線との直通運転もスタートしました。
② 新宿~光が丘
今でこそ都営大江戸線一本で行ける区間ですが、1993年時点では「都営12号線」という名称で練馬~光が丘間のみ営業し、都営地下鉄の中では孤立した路線となっていました。
12号線は1997年に新宿まで、さらに2000年4月に国立競技場まで延伸して路線名が現在の「大江戸線」となり、同年12月に現在の環状部を含む全線が開業しています。
③ 新桜台~練馬
西武池袋線と東京メトロ有楽町線・副都心線を連絡し、広域な直通ネットワークを形成する要の路線である「西武有楽町線」。実は小竹向原~新桜台間だけ1983年に先行開業しており、その当時は営団地下鉄の車両を借り受けて運行していました。
新桜台駅と桜台駅は徒歩で10分程度の距離にありますので、実際に新桜台駅から練馬駅まで行くには、桜台駅まで歩いたのち西武池袋線に乗った方が早いのですが、「東京乗換案内 ’93~’94」はあくまでも鉄道の路線網を使うため、一度池袋へ迂回する経路結果となります。
なお、西武有楽町線の新桜台~練馬間は工事の遅れが響き1994年にようやく開業。さらに池袋線との直通運転が開始されるには1998年まで時を待つことになります。
④ 桜木町~沼部
1993年の東急線は、まだ東横線が桜木町まであったり、新玉川線(現 田園都市線渋谷~二子玉川間)の名称が残っていたり、目蒲線(現 目黒線・東急多摩川線)が分離する前であったりと現在とはだいぶ路線が異なります。
また、現在の「多摩川」と「二子玉川」の両駅は、当時それぞれ「多摩川園」「二子玉川園」という駅名でした。
⑤ 羽田~浜松町
「東京乗換案内 ’93~’94」は、1993年4月1日時点の路線により作成されています。この時点では、「羽田空港」という名前の駅が存在しておらず、都心と羽田空港を結ぶ「東京モノレール」の空港側の駅名は「羽田」でした。羽田駅は、当時の羽田空港ターミナルビルの地下にありました。
この年の9月27日に、羽田空港の沖合展開事業によって新しい国内線ターミナルビル(現 第1旅客ターミナル)がオープンします。ビル直下に羽田空港駅(現 羽田空港第1ターミナル駅)が開業し、羽田駅は現在の天空橋駅の場所に移転して京急線と連絡することになります。
ちなみに、京急側は「東京乗換案内 ’93~’94」の基準日と同じ1993年4月1日駅に羽田駅(現 天空橋駅)が開業し、長年の悲願であった空港島乗り入れへの第一歩を踏み出しています。しかし、当時の旅客ターミナルへはバス連絡、9月27日に開業する新旅客ターミナルへは東京モノレールへの乗換を要し、ターミナルビルへの直結は1998年まで待つことになります。
なお、京急の羽田駅は4月1日時点の東京モノレール羽田駅とは所在地が異なるため、「東京乗換案内 ’93~’94」ではモノレール側を「羽田」、京急側を「京急羽田」と区別して収録しています。
いろいろ検索してシェアしてみよう
最後までお読みいただきありがとうございました。
ご紹介した以外にも、まだまだ昔懐かしい電車の経路がたくさん収録されています。いろいろな検索を試してみてください。
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