見出し画像

ファクトリー探訪(金属) : カネエム工業株式会社_大阪府

カネエム工業株式会社

会社住所:〒581-0813 大阪府八尾市泉町1-93
ジャンル:金属加工

http://www.kanem.com

※住所などの情報は、Googleの掲載情報から引用しています。

ものづくりの街「八尾市」

今年入って初めての出張は、昨年最後と同様に大阪への訪問でした。

新大阪駅から電車で約50分のところにあります八尾市は、「ものづくりの街」として多くの中小企業が集まり、全国トップシェアでもある歯ブラシをはじめとした生活用品、金属製品や電子機器の生産を強みとし、ジャンルに富んだものづくりが街の活力を支えています。
参考:八尾市公式HP https://www.city.yao.osaka.jp/
参考:八尾市ものづくりnet. https://www.yao-mono.jp/


そのようなものづくりの街で、今回訪問の機会を頂いたのがカネエム工業(株)様でした。

ジーンズのボタンやリベットの金属加工を主力とした世界に誇る技術力

カネエム工業はボタンやリベット。ホック、糸付けボタン、ハトメなどのアパレル副資材ならびに、バッグ靴、生活用品用の金具を製造する、金属加工に特化したメーカー様です。
特にジーンズに使われるボタンやリベットはカネエム工業を支える主力商品で、数多くのブランドの商品を手がけており、金型を管理している引き出しの中には、色んなロゴの金型が控えられていました。

工場内に入ってみると、まず初めに大判サイズからテープ状の金属板が所狭しと積まれた光景が目に入ります。更にフロアを進んでいくと、朝イチに調整を受けた大きな加工機達が、テープ状の金属板に成形〜抜き加工を狂いなく止まることなく加工していきます。

成形された金具は、お客様の要望によって様々なメッキを施すことができ、綺麗に色を乗せるためのバリ取り(バレル研磨)を行い、メッキの種類によっては人の手によって色の染色が行われるなど、原材料からメッキに至るまで様々な工程が踏まれる事によって、その先の縫製会社へ届けられます。

リボンほどの細さに加工された薄い金属板を海外から輸入し、所狭しと並ばれています。
動線広く確保され、商品をゆとり持ってゆとり持って動かせます。
リボン状の金属板から成形〜抜きを一つの機械で加工していきます。
商品によって機械の仕様も加工スピードも違うので、加工管理がとても重要でコンマ何mm単位のズレが命取りになります。
朝、機械を稼働する前に必ず加工設定を調整し、加工見本を機械全てに置いて基準を共有します。
写真のように加工の流れが分かりやすく面白い。
加工を終えた後は、バレル研磨(バリ取りと磨き)へ。
さらにお客様の要望のメッキ(色付け)へ工程を進めます。

加工技術を支えるエンジニアチームと、生産・品質管理システム

そんな加工場背景と初めてみる加工の流れに感動しつつも、個人的に楽しく興味を持ったのは検品の仕方や商品の管理についてでした。(前職の性ですかね。。。)

日産数万個のパーツを数えるために製薬会社で使われるようなカウンターを採用したり、
多品種を保管し、サンプルなど1個からでも引っ張り出すことが出来るように導入されたシステム。
お客様に一個でも不良を届けないようにと考え作られた品質管理機器。
機械だけに頼らず、それぞれの仕様と品質管理を関係者と共有出来るように考えられた書面など。

超多品種の管理を要する上で必要な機材や仕組みが、長年の蓄積によって確立されていました。

加工から検品、管理までの一連の作業は多くの機械によって行われていますが、屋台骨となっているのは社内のエンジニアチームで、加工などを行う機械もエンジニアの方々によって開発構築されています。
必要最低限以上の管理や生産方式も自分たちで考え、それを積極的に検証したり取り入れていることによって、今現在数多くのメーカーのモノづくりを支えていらっしゃいました。

三角状に並列された金属バーは、金具のサイズ不良をなくすために考案された検品方法
医療関係(薬品カウンター)でも採用されているカウンターなど、異業種の機器も積極採用
超多品種にも間違いなく管理出来るよう社内品番を付与されています
一つだけ金具を送って欲しいといったお客様からの要望に答えられるよう、物流でも採用されている商品管理システムを採用されています。

最後に

社内に歴史博物館があり、カネエム工業の歴史とこれまでに手がけてきたアイテムを見ることができます。こうした場所を作ることで、外から来た人を受け入れながら、色んなものづくりの形を知ることが出来ます。

最後に、現場を回っている時に皆さんが元気に挨拶してくださったのがとても印象的でした。
直近では八尾市と京都芸術大学の産学協同に参画して学生との関わりを増やし、またメディアにも積極的に出られていることによって、会社全体で「人と関わる」「人に見られる意識」が強くあるようにも思います。

今回は営業の方に案内頂きましたが、機会があればまた伺いたい。現場の人と密な話をしてみたい。
そう思わせてくれるような現場と感じながら、東京への帰路につくのでした。

それではまたっ!

訪問日:2023.3.7
2023.3.25 じょうろ 秋田 匠

WEB:https://www.jorro.net
Instagram:https://www.instagram.com/jorro_planning/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?