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素性法師が百人一首に残した作品は?

素性法師が百人一首に残した作品は?

♪ 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
です。
読みは、
♪ いまこんと いいしばかりに ながつきの
  ありあけのつきを まちいでつるかな
となります。

意味は、

今来むと    (すぐに来ると)
いひしばかりに (おっしゃったばかりに)
長月の     (9月の)
有明の月を   (有明の月が)
待ち出でつるかな(あなたを待っているうちに出てしまいました)

☆文法
「かな」

☆超訳

これは、女性の立場で呼んだ歌です。
当時、交際している二人がいると、女性が待つ家に、夜、男性が訪ねていくというのが
一般的だったようです。
女性は、男性が「すぐに会いに行きますよ♪」と言ったのを信じて、待ち続けましたが、
朝になっても男性は訪れず、とうとう有明の月が出てしまった、という歌です。
百人一首を取りまとめた藤原定家(ふじわらのさだいえ)は、この歌の解釈として
女性は、1晩待ったのではなく、何ヶ月も待って、とうとう9月になってしまった、とい

う解釈を残しています。
いったい、この女性は「すぐに会いに行きますよ♪」という男性の言葉を信じて
1晩待ったのか? 何ヶ月も待ってとうとう9月になってしまったのか?
いずれにしても「すぐに会いに行きますよ♪」と言っておきながら、
約束をすっぽかしてしまった男性はヒドイですね・・・・・
僕の感覚としては、
♪ 今来むと いひしばかりに
の部分は、
「すぐに来るって言ったじゃないの!」
と、怒っているようにも感じられました。
それにしても、そんな女性の気持ちを歌にした素性法師も凄いですね(笑)

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【素性法師】


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