R-1グランプリ2023 感想・個人的採点

夢はあるのか 作り上げられた土台

R-1グランプリ2023が今年も開催、優勝者は初出場の田津原 理音でした。(1発で変換できないのが何とももどかしい)
今大会は昨年のM-1でウエストランド井口が「R-1グランプリには夢がない」と発して以降、常にその一点を軸にして大会が進められてきました。
時系列は前後しますが、昨年のチャンピオンのしんいちは何時いかなる時もトロフィーを持ち歩き、常に「R-1グランプリチャンピオン」として活躍。
煽りvとアバン、全てが積み重なり、決勝戦という夢への土台が出来上がりました。
今後田津原理音(また変換できない)がどのようにして夢を掴むのか。今年のR-1グランプリはその答え合わせまで終われませんね。

ところで歴代チャンピオンの3Dフェイススキャン、せっかく撮ったのにyoutubeの煽りvでしか映像には残さなかったんですね。もったいない。
個人的にはだいたひかるやゴエ、ほっしゃん。といったR-1の礎を築いたレジェンドが出てきたのが激アツでした。
政治色が強くなければ彼は審査員席にいて欲しいんですが。

以下個人的な感想です。
(敬称略/カッコの中は個人的につけるとしたらの点数)

ファーストラウンド

1.YES! アキト「プロポーズ」 (94)
ザコシ:91 野田:94 小藪:93 バカリ:88 陣内:90 合計:456

去年の「ギャグの羅列だけではダメだ」という評価を受け、ガラッと変えてくるのかと思いきや、パッケージングだけして中身はそのままの形というのが、最適解を出しつつ、ギャグ羅列が否定されたことへのアンチテーゼを見せる10年間の集大成といえるネタに見えました。
ギャグが面白いのは勿論ながら、そこに設定が乗ったことで状況の面白さが加わりギャグの破壊力がさらに増していましたね。

これ以上コントの面白さを出すと彼の良さが消えてしまうと思うので、これがベストの形だと思います。ラストイヤーかー残念ですね。



2.寺田寛明「言葉のレビュー」 (98)
ザコシ:90 野田:94 小藪:94 バカリ:92 陣内:94 合計:464

個人的な今大会のベストネタです。めちゃくちゃ面白かった。
去年のzazy同様、フリップをモニターに変えてきました。
今回のこたけ正義感もそうなんですが、私はもうフリップを使う必要性の方が薄いのではないかと思います。
これまではピンネタの基本道具とされていたフリップですが、めくることによってタイムロスが生まれる、失敗のリスクがある、会場で見にくい可能性があるなどデメリットが大きいのでは無いでしょうか??もちろんお金はかかりますが。
今回のレビューを1つずつ見せていくというのは、去年であればフリップをずらしながら見せていたと思いますが、今年はノンストレスで次の話題に移れていました。
仕事柄私もモニターを毎日使うからそう思うのかもしれませんが、寧ろモニターが基本になってフリップを使うことで、特別な価値がそこに見いだせるようになればいいなと思った次第です。


3.ラパルフェ 都留「阿部寛」 (91)
ザコシ:94 野田:91 小藪:90 バカリ:87 陣内:89 合計:451

普通に面白いモノマネ、デカすぎる阿部寛といい設定は常軌を逸していてとても面白かったです。
ただ、阿部寛のホームページが爆速の件はちょっと軽いですかね。強い部分と弱い部分が交互に来たような。
決勝に出てきてモノマネ、というのは本来ダメでもなんでもないんですが、それでも見る側のハードルの厳しさが上がるように感じます。「モノマネだけじゃダメだから、ちゃんとしたもの見せてよ?」みたいな。。

あと、テロップに出た合計点数とモニターに出た点数違いませんでした??しっかりしてくれ!


4.サツマカワRPG「??」 (87)
ザコシ:92 野田:93 小藪:96 バカリ:90 陣内:91 合計:462

これはどんなタイトルを付ければいいのでしょうかw
私は彼のピンネタを決勝以外で見たことないんですが、もっとぶっ壊れてるのないですかね??
綺麗に構成して最後もループさせたんですが、そういうのじゃなくてもっとめちゃくちゃやってくれ、という期待を去年も今年もし過ぎて見てしまいました。
平場の彼をネタでも見たい!!


5.カベポスター 永見「世界で1人は言ってるかもしれない言葉」 (93)
ザコシ:93 野田:96 小藪:97 バカリ:86 陣内:88 合計:460

あるあるネタとも違う、ありそうでない、ともまた違う、絶妙にくすぐったいラインを突いた難しいネタですね。
あるあるなら、ウケは外しても共感は得られますが、このネタは外してしまうと何も理解できなかったモヤモヤだけが残ってしまう危うさがあって、手数が多い分その印象が強く残ってしまいました。
あとBGMが大きすぎると思います。
そんなに声張らないでやっていいと思うんですが、あんまり落ち着いた雰囲気でもウケにくいですかね。


6.敗者復活:こたけ正義感「おかしな法律」 (92)
ザコシ:93 野田:93 小藪:92 バカリ:91 陣内:93 合計:462

途中なんかフリップめくり損ねてたように思います。これもモニターでいいと思うんですが、ただモニターの場合pcの前からあんまり動いても不自然に見えそうですね。
pcだと直立不動のイメージです。サカナクションのせいでしょう。
確かにリアクションやしゃべりや構成の面白さが大きいのは重々わかってるんですが、それでも面白い法律持ってきた人、みたいに見てしまうのはひねくれ過ぎですよね。


7.田津原理音「開封実況」 (97)
ザコシ:96 野田:96 小藪:97 バカリ:89 陣内:92 合計:470

YouTube的なフォーマットですね。
カメラのピントの問題や、モニターに集中してたところをカメラがぐっと引いたりするので目がチカチカしましたが、ネタ自体は本当に面白かったです。
左下に書いてあるコメントがいちいち面白かったです。後半「レアだけ紹介する」と言ってノールカードを飛ばした件がありましたが、あのカードも見てみたい


8.コットン きょん「警視庁 カツ丼課」 (90)
ザコシ:95 野田:92 小藪:96 バカリ:90 陣内:95 合計:468

実際には無い仕事を現実化するネタでありがちな道具を駆使するシーンがなかったので楽しく見れました。
終着地は自白の1点しかないことと、途中の1ボケ1ボケが軽く、(というかカツ丼作ってるだけなんでボケしろも少なくて難しそう)アメリカ人だからハンバーガー、とかももっと上手くやれたのではないか、と思ってしまいます。

ファイナルラウンド

結局ファイナルに進んだのは田津原理音(変換ry)とコットン きょん。
新生R-1では2番手は強い数字(zazyとしんいちがファイナル進出、寺田は準決勝の2番手、こたけ、アキト、マツモトクラブはそれぞれの年の敗者復活の2番手)だったので寺田寛明には期待したんですが、、、実際面白かったし、、、
来年ラストイヤーなんですね。3年連続は新生R-1の顔ですし、ぜひ来年も来て欲しい。
4年連続でラストイヤーまで決勝に来れば、来年どんな結果であれR-1グランプリのレジェンドの1人だと思います。

ファイナルでは田津原理音()は同じ方向性のネタ、コットンきょんはコント師だけあって、全く違うネタを披露。
最後陣内の開票前で2-2になり、ここで全てが決まる!となった時陣内は慌てたリアクション取ってましたが、あんなことしないで彼には自信を持って欲しいです。
バカリと並ぶピン芸人筆頭格だし、何度も出ていれば間違いなくR-1も優勝していたことでしょう。
大会の格の面でも、あれは無しでやって欲しかったです。
(M-1で松本人志とか上沼恵美子があれやったら冷めるし)

そして優勝者の田津原理音、平場激弱との噂がTwitterで広まっていましたw
今年は色んなところに呼ばれるでしょうから、是非最後までR-1ドリームを掴んで欲しいです。

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