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ゲーム「Indivisible」感想:暴力では解決しないことを教えてくれる作品。


過去に『スカルガールズ』などを手掛けたLabZeroGamesによる、2Dグラフィックスによる横スクロール型アクションRPG。

快活で、ちょっとおバカで暴力主義な少女アジュナと
個性豊かな仲間たちと、世界を滅ぼす悪と戦うRPG
「Indivisible」をクリアしたので感想文。
未見を損なわない程度のネタバレあり。

面白いか面白くないかでいうと
結構面白かったです。

総プレイ時間はサブイベ全部埋めて25時間ほど。

ただし~……という部分があるので、そこらへんをまとめます。

とりま、配信で遊んだので
ネタバレ聞く前に、内容を見てみよかな~って方は動画をCheck!


あまりに良すぎるビジュアル

先ずこれに尽きる。

スカルガールズから受け継がれるキャラデザのセンス。
総勢で20人くらいかな、の仲間が増えますが
どのキャラも、奇抜でキュートでエキサイティング。

世界観もグッドで、何より背景美術が美しすぎる。
モンスターデザインは、まぁなんだろう、普通。
場所とコンセプトがあって無いことがあるのがちょい気になる。

アニメシーンは圧巻。なんてったって、日本が誇るアニメ会社
TRIGGERが担当。

BGMも雰囲気にあっていてヨシ!
と、表紙買いした人が、表紙通りの内容を得られる程度には
ビジュアル面の内容は、文句なしオブ文句なし!!

ちょっと大味だけど面白い戦闘システム

まず前提として、この作品の戦闘シーンは
日本の大傑作「ヴァルキリープロファイル」をオマージュしていて
□△×〇に対応するキャラクターを割り当てて、押したボタンでそのキャラが
行動を起こすというシステム、これ自体は
もとがもとなだけあって、つまらないはずがない。

ただし、かなり大味で大雑把で難解。
ただボタンを押すだけではなく、ほぼ全キャラに、↓や↑キーと同時に
入力することで技が変化する機能が搭載している。
これにより、ガードを固めた敵は、上と下でゆさぶることでガードを
打ち破ることが出来る。などのシステムが実現。

しかして、モーションがキャラによって違いすぎるので
全部覚えるのが大変、そしてキャラによっては、操作自体が難しすぎて
他のキャラと同時に操作することが不可能。
などの、幅広さが生む難解さがある。

そして、難解な割に、戦闘自体の難易度はとても大雑把で大味。
連打してても勝てる敵や、連打してても勝てない敵の差が激しい。

面白いんだけれど、なんだろうなって思う部分がそこそこ。

ハノックはマジおもろい。


ただし……シームレスで戦闘になるのは面白いんだけど
戦闘中殴りに行ったアジュナがトゲふんで強制終了とか
敵が崖下に落ちて強制終了とか、その辺が気になる。
配置ミスならともかく明らかにその配置事故るでしょ……みたいなのも。

難しすぎるアクションシーン

戦闘以外にも、通常時は槍を使って天井にぶら下がったり
空中ダッシュで壁を蹴ったり、といった2D横スクロールよろしく
アクションシーンで進んでいく。

これが難しすぎる。

どんどん、新しいアクションが増え、行ける場所や
動きのレパートリーが増えていくのはめちゃくちゃ面白い。

けれど、新しいエリアに行く度に、今まで覚えた全ての技術を要求
されるので、増えた分だけ、テクニックが増えていく。
行かなくていい場所にあるアイテムを取るだけではなく
ストーリー進行ですら、何度もリトライすることになる。
アクションゲーム割と得意な自分ですらこれなので
RPGだと思って買った、アクション苦手勢は積むまである。

ただ、リトライに何のデメリットも発生しないので
気合があれば、進むことは出来そう。

また、同様に難しすぎるアクションにガードがある。
戦闘中は、相手の攻撃をガードする必要があるのだが
これが、相手の攻撃モーションに合わせてタイミングよくボタンを
押すのだが、敵によってはこれがシビアすぎる場合がある。
酷い時には、ジャスト完璧でガードしないとガード上から一撃で戦闘不能に
持っていかれるパターンなどもある。
これも、苦手な人は相当きつい。
ダクソでパリィ出来ない人とか、積むまである。

快活で陽気な前半ストーリー

ここからストーリーを分割で、多少のネタバレ注意。

開幕から村を焼かれたり、つらいこともあるが
それを意に介さず(結構介してるけど)ガンガン進んでいく
明朗快活な主人公アジュナ。

アジュナはジッサイカワイイ。

ちょっと粗暴な部分もあるけれど、前向きで可愛げもある
ちょっとおバカな少女と、それにしぶしぶ付き合ってくれる
良き友人たちの関係性が描かれる。

世界観に引き込む前半だけあって、普通に良い。

ダールという青年に対するアタリが強すぎるのが気になる程度。
まぁ仕方ないんだけど、ダールが悪い。

多分結構多くの人が疑問を感じた中盤

前半は、ちょっと粗暴な程度だったアジュナだったものの

中盤からは、ちょっと流石に擁護できなくなってくる。
全てを暴力で片付け、自分が正しいをつらぬく態度が鼻につく。

多分だけど、ここでこのゲーム辞めてしまった人も多いのではないだろうか
かくいう自分も、ここら辺でモチベがダダ下がりし
何か、おもてたんと違うしもういいかなという気持ちが割とあった。

それくらい、アジュナが我が儘で暴力的なやつになっていくのだ。

それを払拭する終盤ストーリー

しかして、それは全て伏線であり

これまで、暴力で解決し、全て自分が正しいとしてきたアジュナだったが
暴力性を解放したせいで、大切な仲間を殺めてしまう。

ここから、アジュナは変わって行く。
テイルズオブジアビスのルークといえば、分かる人も多いだろう。
自らの行いを反省し、善人へと変わって行く姿が描かれる。

仲間たちも、アジュナは本心では善い人間であると信じてくれている。

ただまぁ、それをもってしても、中盤までのサイアク過ぎるアジュナは
払拭しきれない部分があったりなかったり。
キミマジヤバい薬でもやってる?と思わなかったりも無かったり。

まぁそんなこともあるものの、前半から中盤にあった強引さを逆に
作用させ、善意の押し売りで信頼を勝ち取って行く流れは
キャラの性格を踏まえた上であまりにグッド。

ただし、この面白くなるところまで、15時間、面白くなってから10時間
くらいかかるので、序盤をどう乗り切れるかが課題。

最後に分かる、このゲームのテーマの一貫性。

そして、このゲームの一番の魅力は一貫性にあると思う。

中盤の暴力アジュナのアクが強すぎるので
そこの部分は受け入れがたいものの。

最後にアジュナが取る選択は、暴力ではなく。
生前の父が教えてくれた、受け入れることだった。

ラスボスである、破壊神もまた、破壊だけを正解としてきたが
アジュナのこの姿に心打たれるといった描写もあり。

暴力で解決したように見えても、実際には解決はされておらず。
真の解決を得ることが出来るのは、互いを受け入れることだけだ。

それがこのゲーム全体のテーマとして一貫している。

また、流れも非常に綺麗に構成されていて。

1父から守りを教わる
2暴力的になる。
3暴力で解決する。
4暴力で結果を出す。
↑分岐点↓
4暴力で出た結果を否定する。
3暴力で解決したことを悔やむ
2非暴力的になる。
1父から教わった守りで戦う。

と、最後にチュートリアルで教わった技術まで
戻ってくるという形式になっている。

これが非常に綺麗な構成になっている。

総評として

このゲームのどうしようもない部分については
中盤のアジュナに9割があると思う。

また、大事なイベントシーンが紙芝居で進行するので
ちょっと感情移入し難いなどの問題もあるが

最後までやった感想としては、すごくよかった。

ゲーム性が大雑把な部分や、アクションが難しいなどの
積みポイントも多いが、面白くないわけではないのでヨシ!

ただ、もう少し演出や、アジュナへの好感度調整を考えていたら
傑作だったんじゃないかんと思わなくもない。

余談になるけれど、この作品攻略Wikiがあまりにも乏しくて。
多分中盤でやめてしまった人が多いんだろうなと思わなくもない。

最後に言いたいこと

コレクション要素でもある「強化アイテム」集めなんだけれど
最大強化してなお数個余っている状態になって。
全てコンプしたら最大強化できる、あるいは余ったものも使い道がある。
で生きてきたジャパニーズとしては、すっげぇモヤモヤする。
洋ゲーあるあるではあるんだけれど、取るのに苦労するだけあって
余計に、余ったリンセルにすっげーーーーモヤモヤする。
どうしようもなさすぎる。

あとこのゲームを続けられた最大の功労者である

ハノック&ジボッホに乾杯。

まじ戦闘面白いわあのキャラ。


おわり。

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